イリヤを救う為なんだ! 作:大いなる犠牲
「バーサーカー。あれは確実に殺して」
言峰教会。
意図せずしてセイバーのマスターとなった衛宮士郎は、本来敵同士であるアーチャーのマスター遠坂凛の助言を受けて、監督役である言峰綺礼から聖杯戦争の全容を知り、聖杯戦争への参加の意思を表明したばかりの時だった。
「―――マスターッゥ!?」
「■■■■■!!!!」
月の影に隠れて巨大な何かが降ってきた。
衛宮士郎のサーヴァント『セイバー』は、咄嗟に士郎を突き飛ばして透明な剣を振るう――その機転がなければ今頃彼はミンチになっていただろう。
大地が振動した。
「このタイミングで、敵襲!もしかしてつけられてた!!!!?」
遠坂凛は身体強化の魔術を施して大きく後退する。
ついでに士郎の服の襟を掴んだ。とにかく、敵の間合いにいるのは不味い。
「ぐえっ!」
鳥を絞め殺したような声が上がるが、思考を割く余裕はない。凛はアーチャーに命じて何時でも此方をサポート出来るように状況を整えながら、アスファルトが派手に壊された影響で視界の大半を覆い尽くす粉塵の量に軽く舌を打つ。
(迷いなくマスターを狙ってきたり、ステータスを把握させないカモフラージュ?
…徹底してる。間桐かアインツベルンか、少なくとも聖杯戦争の戦い方を相手は熟知してると見るべきね)
備蓄の宝石を握りしめて戦場を分析する。
聖杯戦争で同盟を組む事は稀である為、セイバーが味方にある今、このままごり押せば敵サーヴァントに勝利出来るする可能性は高い。サーヴァントの切り札である宝具に警戒を怠る事は出来ないが、モーションさえ掴めればアーチャーによる妨害が可能だ。
激しい金属の衝突音が全身を震わせる。
「■■■■■■■!!!!!」
敵サーヴァントの雄叫び。粉塵からなんと、鉄柵が飛んできた。
「――不味ッ!」
教会にあるそれを引きちぎったのだろうが、セイバーとの一騎討ちを無視してまで、徹底してマスター殺しを狙ってくるとは流石の彼女でも予想出来なかった。
幸いにも宝石魔術による防御が間に合ったことにより、衝撃で後ろに飛ばされるだけですんだが、士郎との距離は離れてしまった。
なりふり構わずマスター殺しを狙ってくる敵サーヴァントに、魔術師として身を守る手段を持たない素人な彼。凛は最悪を想定し顔を青く染める。
急いで士郎を回収しようと動くが、それよりも一足早く、粉塵から飛び出した片腕のない大男が巨大な石包丁のような物を振りかざし――――「衛宮君!!!」「マスター!」
「なるべく苦しめて殺してあげたかったけど…ウルの笑顔は私だけのもの……だからね、死んでお兄ちゃん」
バーサーカー
一回死亡。(セイバーとの戦闘を無視して士郎に攻撃した為)