夏と刀と無限の空   作:吉良/飛鳥

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とりま、最後の嫁とデートして来るぜBy一夏     はいはーい、頑張ってね~~♪By刀奈     頑張れよ一夏Byロラン


Episode16『最後の嫁はドイツの眼帯女性!』

ゴールデンウィーク明けの最初の土曜日である本日は、一夏の嫁候補として一夏が選んだドイツのクラリッサが来日する日であり、同時に一夏と『お見合いデート』が行われる日だ。

クラリッサは今日の為に昨日の内に日本に到着していたのだが、長旅の疲れは兎も角、思った以上に時差ボケがきつかった為、その旨を千冬に伝え、『お見合いデート』は午前十一時からとなっていた。時差ボケ……此ればっかりはもう、本当にどうしようもないからね。

だが、そのお陰で一夏も余裕をもって準備が出来る訳で、今日着て行く服を選んでいる最中なのだが……

 

 

「此れで如何かしら?」

 

「う~ん、ロングコートのコーディネートは悪くないが、季節を考えると袖ありのロングコートは暑苦しいからNGじゃないかな?――寧ろこの時期だと、袖なしの外套の方が映えると思うよ。」

 

「其れも確かに悪くないけど、此処は一夏の男性としての逞しさとセクシーさをアピールしていく方が良いんじゃない?

 ジーパンにタンクトップ、そしてその上にジージャンを纏ってるってのは、一夏の野性的な魅力を引き出してくれるからな……この一夏に惚れない奴は居ないって断言しても良い。」

 

「其れは、確かに一夏さんの魅力を大爆発させるかもしれませんが、一夏さんはスタイルも良いのでスーツも似合うのではないでしょうか?黒系のスーツに白いYシャツとネクタイの組み合わせは最強だと思います。」

 

 

只今絶賛、刀奈達の着せ替え人形になっていた……クラリッサと会う時にどんな格好をして行けばいいのかを刀奈をはじめとしたパートナー達に聞いたら、彼女達の意見が見事に分かれてしまい、一夏のファッションショーが開催される事になってしまったと言う訳さ――刀奈達は若干目的が変わってきてる気がするんだ

が、其処は突っ込まないのがお約束ってモンでしょうな。

 

 

「次は此れか……」

 

 

そのファッションショーの最大のキャストとなった一夏は新たな衣装を手にした後に思わず溜め息を吐いた……まぁ、矢継ぎ早に次々と着替えさせられてれば溜め息の一つくらい吐きたくもなるわな。

だがしかし、自分の為にやってくれてる事だから一夏は文句を言う心算はマッタクない。と言うか、そもそもにして相談したのは自分の方なのだから、感謝こそすれども文句を言うなど以ての外と思っているのだろう。

 

 

「にしても、俺ってこんなに服持ってたっけか?スーツとか買った覚えのないモノまであるんだけど……?」

 

「一夏のじゃない服は、全部ウチの会社から、もっと正確に言うなら吏さんが送って来たモノよ♪」

 

「……はい?」

 

「だから、一夏のじゃない服は全部吏さんが送って来たモノなの。

 吏さんって一夏のISスーツも作ったから、一夏のパーソナルデータを持ってるじゃない?其れを使って、ウチの会社の被服部に作って貰ったんですって。

 曰く『いっ君はセンスは良いけど如何せん持ってる服が少ないから勿体ない』って事らしいわよ?」

 

「いや、何やってんだよ吏さん……」

 

 

如何やら一夏の記憶にない服は、南風野吏もとい篠ノ之束が用意したモノだったらしい……口には出さなかったモノの、ロラン達も一夏と同じ事を思っただろう。

とは言え、スーツなんかは普通に買えば可成り高いので、そう言う意味では有り難いモノだろう。此れからは一夏もスーツが必要になる場面が出て来る訳だからね。……数着あるスーツの中に、『ヤ』の付く職業の人が着てそうなデザインのモノがあったのは全員全力で見なかった事にしたが。

 

そんなこんなで色々と試行錯誤した結果、本日の一夏の服装は、『カジュアル過ぎず、ラフ過ぎず、フォーマル過ぎず』と言う意見に落ち着き、最終的にはグレーのスラックスと青いYシャツにいぶし銀色のネクタイ、そして黒のベストと言うコーディネートとなった。

尚、此れがまたメッチャ似合っていたため、一夏パートナーズは見入ってしまい、ヴィシュヌとグリフィンの一夏に対する感情が1ランクアップしたのだとか……ヴィシュヌとグリフィンの一夏への好意が愛情に代わるのはそう遠くないのかも知れないね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夏と刀と無限の空 Episode16

『最後の嫁はドイツの眼帯女性!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

支度を済ませた一夏は、モノレールで本土に渡り、其処からクラリッサが宿泊しているホテルへと向かっていた。と言うのも、本日の待ち合わせ場所がクラリッサが宿泊しているホテルのロビーだったからだ。

『待ち合わせ場所として其れって如何なのよ?』と思う人もいるだろうが、此れは一夏とクラリッサの見合いの日取りを決める際に千冬が申し出た事であり、千冬は『ハルフォーフは日本に来るのは初めてなのだから、宿泊しているホテルのロビーを待ち合わせ場所にした方が面倒くさくない』と考えて、ホテルのロビーで落ち合う様にセッティングしたのだ。

まぁ、確かに初めて日本に来るってんなら待ち合わせ場所まで向かわせるよりも、宿泊先のホテルのロビーで待って貰ってた方が行き違いになる事もないから確実に会えるからね。千冬さんのナイス判断だわ。

そしてそのホテルも、空港に併設されているモノなので、クラリッサも迷う事はないのだ……因みにこのホテルの予約も千冬さんがやっていたりする。一夏とクラリッサの見合いが巧く行く事を本気で願ってるってのが良く分かるね。

尚、本日も一夏の護衛を務めるオータムは一夏に気付かれない様にある程度の距離を保ちつつ、何かあったら直ぐに対処出来る様に護衛をしている。マジでプロですなこの人は。

 

 

「此処、だよな。」

 

 

んで、一夏は千冬に教えて貰ったホテルに到着し早速ロビーに。

結構大きなホテルなのでロビーも広いのだが、一夏はその広いロビーの一角のソファーで本を読んでいる眼帯の女性を見つけると、スマホに保存したクラリッサの写真を見て確認する。(見合い写真持ち歩く訳にも行かないので、写真をスキャナーでパソコンに取り込み、其れをスマホに転送したのよ。)

 

 

「あの人がクラリッサさんか。」

 

 

クラリッサの姿を確認した一夏は、特に緊張した様子はなくクラリッサの元へと歩みを進め……

 

 

「えっと、貴女がクラリッサ・ハルフォーフさんですか?」

 

 

めっちゃナチュラルに声を掛けていた。

普通なら初対面の女性に声を掛けるってのは可成り緊張するモノだろうが、一夏はIS学園に入学してから『クラスメイトは俺以外全員女子!』と言う、全然マッタク無関係の第三者の野郎から見たら羨ましい事この上ないが、当事者からしたら割と精神的HPがガリガリ削られる環境で過ごして来た事で、女性耐性がガンガン上昇してしまい、初対面の女性であっても緊張しなくなってしまったらしい。……刀奈と一線越えた事も影響してるとは思うけどね。

 

 

 

「あぁ、私がクラリッサ・ハルフォーフだ。初めましてだね、織斑一夏。」

 

 

声を掛けられたクラリッサは、本を閉じて立ち上がり、一夏に右手を差し出し、一夏もその手を取って握手を交わす。

日本人は挨拶と言えば『おじぎ』なのだが、諸外国――特に欧米やヨーロッパ諸国での挨拶と言えば『握手』が主流になっているので、ドイツ人であるクラリッサが右手を出したのは自然な事なのだ。

因みに、立ち上がるとクラリッサの方が少しだけ一夏よりも大きいのだが、此れは一夏もクラリッサも身長が172cmなのだが、クラリッサは女性物の『少しかかとが高い靴』を履いているからだ。身長が同じなら、少しだけかかとが高くなってるクラリッサの方が大きくなる訳さ。

 

 

「此方こそ初めまして。お会い出来て光栄です。」

 

「光栄と言うのは私の方だ。なんせ、世界初の男性IS操縦者である君に選ばれたのだからな。――出来れば、何故私を選んだのか教えてくれないか?」

 

「何故と言われても……其れはもう直感としか言い様がないですね。

 俺の第六感が、『この人だ!』って告げたんですよ……俺の直感って割と高確率で当たりますから、クッリッサさんを選んだのは絶対に間違いじゃなかったと思ってるんです。」

 

「ふむ……其れでは今日は君に失望されない様に頑張らねばだ。」

 

 

ファーストコンタクトは中々良い感じの様だ。

一夏は千冬からクラリッサの事を聞いていたし、クラリッサも相手が嘗ての教官の弟と言う事もあって互いに気持ちに余裕があったからだろうが、互いに第一印象は悪くなかったみたいだ。

 

取り敢えず立ち話もなんだからと言う事で、ホテルのラウンジに移動し、其処で改めて自己紹介をしてからお見合いデートスタート!

 

 

「そう言えば、なんか本を読んでたみたいでしたけど、何を読んでたんですか?」

 

「日本のライトノベルと言うモノだ。人気のシリーズだと言う事だったのでネットで買ってみたのだが、此れは確かに面白いな。」

 

 

先ずは一夏がクラリッサが読んでいた本について聞いたのだが、クラリッサが読んでいたのは日本のライトノベルであり、其れは嘗て一世を風靡したと言える、ラノベ界の金字塔である『涼宮ハルヒ』シリーズの中でも、屈指の人気作と言われている『涼宮ハルヒの消失』だった……まぁ、此れは映画化される位の人気作だから押さえておかねばだな。

 

 

「千冬姉から日本のアニメや漫画が好きだって聞いてたけど、ラノベも行けるとか、実は日本のサブカルチャー全般イケるクチだったりします?」

 

「そうだね、日本のサブカルチャーは大体網羅してると思うな。

 アニメや漫画だけでなく、ゲームにライトノベル……日本のサブカルチャーのレベルはとても高い。エンターテイメントとしても、世界トップレベルだと思う。少なくとも、ドイツ産のアニメや漫画で日本製に勝るモノは無いと断言出来るからね。」

 

 

うん、クラリッサはガチですね。ガチの日本のサブカルチャーオタで間違いない。――でもまぁ、確かにアニメや漫画、ゲームなんかの分野で日本の右に出るモノは無いだろうね。

例えば格闘ゲーム一つ取っても、日本製の格ゲーはキャラが素晴らしい位にヌルヌル動くからな。鉄拳とかストⅤとかマジでスゲェですわ。

 

 

「確かに、日本のアニメや漫画って海外では高評価ですからね……でも、そう言う事なら――海馬、持てる力の全てを持って掛かって来な。」

 

「遊戯……今日こそ貴様を、俺の前に這いつくばらせてくれる!!」

 

「「デュエル!!」」

 

 

……うん、何かが通じてネタに走ったみたいだね。って言うか、唐突な一夏のネタ振りに即座に反応出来る辺り、クラリッサのオタレベルは簪に勝るとも劣らないだけでなく、デュエリストでもあったみたいだ。デュエリストでなければ一夏が振ったネタに即座に反応する事は出来ないからな。

だが、この遣り取りは一夏的に良いモノだったらしく、やり取りを終えた後で、改めてクラリッサとガッチリと握手を交わしていた……デュエルネタが通じた事がきっと嬉しかったんだろうね。

この二人の使用デッキが何であるのか少し知りたい気もするが、今は其れはあまり関係ない事なので考える事自体を辞めておく事にしよう。

 

その後は、一夏もクラリッサもお互いの事を聞いていた――趣味や、好みの食べ物なんかをね。

 

 

「え、クラリッサさんってすき焼きが好きなんですか?」

 

「あぁ、大好きだ。

 織斑教官が作ってくれたのだが、甘辛い味付けがとても美味しかった。ドイツでは馴染みのない料理だったから余計にな。」

 

「千冬姉、俺が教える前でもすき焼きは作れたんだな。」

 

 

其れは言ってやるな一夏。ぶっちゃけて言うと、すき焼きってのは可成りの料理下手でも失敗が少ない料理なんだわ――割り下を用意するとなったら難易度が跳ね上がるけど、そうじゃなければ焼いた具材に醤油と砂糖を直接ぶっ掛けるって言う豪快な料理だから極度の料理下手でもソコソコの味にはなるから、極度の料理下手には良いメニューなんだわ。――其れを言わなかった一夏は姉の事を思ってるわな。

だが、此れが皮切りになって一夏とクラリッサはとてもいい時間を過ごす事が出来た――互いの趣味について語り合い、千冬についての意見交換をしたりと、なんだか良い感じになってるみたいだ。

特にクラリッサは、黒兎隊の誰も見た事のない笑顔を浮かべている辺り、一夏との『お見合いデート』は良いモノだったのだろう。

 

 

「そう言えば、クラリッサは何で眼帯をしてるんだ?」

 

 

そんな中、一夏はクラリッサの眼帯の事を聞いていた。

敬語と敬称がなくなってるのは、クラリッサが『敬語と敬称はなしで行こう』と言ったからだ――一夏としては『年上相手に其れは如何なんだ?』とも思ったんだけど、よくよく考えると既にグリフィンの事を敬称なしで呼び、敬語も使ってない事を思い出し、敬語と敬称なしになったのだ。

其れは其れとして、確かにその眼帯は気になるわな?目を怪我した時に使う医療用の眼帯じゃなくて、所謂『隻眼キャラ』が付けてるタイプの眼帯だからね。

 

「其れはな……此れが答えだよ。」

 

「え?……金色の瞳?いや、でも其れは……」

 

 

聞かれたクラリッサが眼帯を外すと、その下から現れたのは金色の瞳だった。

其れだけならばオッドアイで済む話なのだが、一夏が少し驚いているのは、金色の瞳には本来あるべき『瞳孔』が存在していないからだ。瞳孔は、目から入る光の量を調整する為のモノだから、其れが片目にだけ備わってないと言うのは通常考えられない事なのだ。生まれつき目の見えない『盲』の人の目にも瞳孔は備わっている訳だしね。

 

 

「此れは『ヴォーダン・オージュ』と言って、後天的に移植されたモノなんだ。」

 

「後天的に移植された?」

 

「私は遺伝子操作で生まれた『アドヴァンスド』と呼ばれるデザイナーズベイビーでな、ドイツ軍には私と同じ存在が相当数存在しているんだ。」

 

「デザイナーズベイビーって、確か受精卵の段階で遺伝子操作を行って、容姿や身体能力や知能なんかを調整されて生まれた子供だよな?……技術的には可能だって聞いた事はあるけど、もう実現してたとは驚いたぜ。」

 

「遺伝子操作による強化人間の研究は、ドイツではナチス時代から行われていた事だけれどな。

 其れでだ、そのアドヴァンスドの中でもIS適性のある者で構成されているのが、私が副隊長を務めている黒兎隊なのだが……黒兎隊の隊員は全員が、ヴォーダン・オージュを移植されているんだ。」

 

「何の為に?」

 

「ISバトルで有利に戦えるようにだ。

 ヴォーダン・オージュは謂わば『肉体に埋め込まれたハイパーセンサー』のようなモノで、IS起動時にはISのハイパーセンサーとリンクして、相手の動きをより正確かつ詳細に捉える事が出来るようになる上に、肉眼では見えない速度のモノまで把握出来るようになるからな。」

 

 

クラリッサの金の瞳は、後天的に移植されたモノであり、ISバトルで有利に戦えるようにと移植されたモノだったようだ……人工物だったから瞳孔がなかったと言う事なのだろう。

まぁ、其れ以上にクラリッサが人工的に作られた、『デザイナーズベイビー』だったって事の方が衝撃が大きい気がするが、技術的にはやろうと思えばクローン人間だって可能なのだから、デザイナーズベイビーが実在していてもオカシクはあるまい。

 

 

「って事は、ISを起動してないとその目は見えないのか?」

 

「いや、見えている。視神経は繋がっているからね。

 瞳孔こそないが、入ってくる光の量を調節する機能も備わっているから、普段は普通の目と同じ働きをしているんだが、瞳孔のない金色の瞳と言うのは不気味だと思って、眼帯で隠しているんだ。」

 

「そうだったのか……でもさ、俺はその瞳、綺麗だと思うぜ?」

 

 

っと、此処で一夏の必殺技である『天然の殺し文句』が発動した!

『不気味だと思って眼帯で隠している』って言った後で、『俺は綺麗だと思う』と言っちゃうとか、マジで一夏は女性キラーだと言えるだろう。……しかも、此れは狙って言ってるんじゃなくて、本心其のままのナチュラルなセリフだってのが恐ろしい事この上ない。

 

 

「綺麗だと、この瞳が?」

 

「瞳孔が無いのには驚いたけどさ、金色の瞳なんて滅多に見れるモノじゃないし、黒と金のオッドアイなんてなんか神秘的でカッコいいじゃん?移植されたモノだとしても、俺は良いと思うぜ、其れ。」

 

「そうか……ふふ、そんな事を言われたのは初めてだ。

 ヴォーダン・オージュは全てが金色と言う訳ではなく、私の場合は相性が良過ぎたが故に性能が大きく向上し、結果として金色に変異してしまったのだが、まさか其れを綺麗だと言われるとは思わなかった……うん、此れは素直に嬉しいな。」

 

 

言われたクラリッサの方も満更ではないらしく、少し照れ臭そうだ……普段はクールなクラリッサが、こんな表情を浮かべると知ったら、黒兎隊の面々は色々と暴走してしまうかも知れないな。そうじゃなくても、クールな女性の笑顔ってのは其れだけで破壊力がエクゾディア級、つまり無限大だからな。

 

 

「でも、オッドアイの眼帯だと、ISバトルではアレが出来るな?

 普段は眼帯をしたまま戦ってるんだけど、予想以上に強い相手が現れた時に、『遂にこの眼帯を外す時が来たか……!』ってのが。やっぱ、眼帯してるなら此れは外せんだろ!」

 

「中々やるな……如何やら貴様を倒すには、此の左目の封印を解かねばならないらしい。

 誇るが良い、私に左目を解放させたのは貴様で二人目だ……と言う感じかな?――いや、だがこの場合右手にも包帯を巻いて何かを封じておくべきか?」

 

「とりま、炎殺黒龍波を封印しとこうか。」

 

「炎殺黒龍波……アレは見た目と言い、技名と言いとてもカッコいいから好きだな。」

 

 

うーん、其処からオタな話題に持ってく事が出来るってのも一夏の才能かも知れんな。

一夏自身はオタクじゃないんだが、簪のおかげでオタ趣味には完全対応する事が出来るようになってるから、オタ相手でも確りとトークを展開する事が出来る訳だ……まぁ、一夏の非凡の才があってこそ出来る事なのかも知れんけどね。

だが、そのお陰で一夏とクラリッサはすっかり意気投合したみたいだ。――で、良い時間になって来たので、ラウンジでランチタイムになったのだが、その時も一夏はクラリッサに、クラリッサは一夏にお互いの国のお勧めメニューを聞いて、其れを注文してたからね。食文化から相手の国の事を知るのは大事です。

んで、一夏が注文したのはドイツ風の仔牛のカツレツ、『シュニッツェル』で、クラリッサが注文したのは日本人なら皆大好きと言っても過言ではないキングオブキングのランチメニューである『唐揚げ定食』だった。

そして、そのランチタイム中も話題が尽きる事はなく、とても楽しいランチタイムになったのは間違い無いだろう……唐揚げ定食は兎も角、シュニッツェルが有った事に驚きだけどな。

 

因みにこのランチの代金は一夏が支払った――『こう言う場面では男が払うもんだろ?』とか言っちゃう辺り、マジでイケメン過ぎるわ。デートでも割り勘とかやってる世の野郎共に爪の垢を煎じて飲ませたいレベルだね。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

ホテルのラウンジで中々良い感じになった一夏とクラリッサは、ホテルを出て東京の秋葉原にやって来ていた――此れは一夏がチョイスしたデートコースだ。

普通なら、『何で秋葉原?』と思うだろうが、千冬から事前に、『クラリッサはオタク』との情報を得ていた一夏は、お見合いデートの後半戦の舞台を秋葉原に決めたのだ。――オタクの聖地にオタを連れて行かないとか選択肢として有り得んて。

 

 

「……何故か視線を感じるのだけれど、私の気のせいだろうか?」

 

「いや、俺も感じてるから気のせいじゃないと思うぜ?」

 

 

其れは其れとして、一夏とクラリッサは絶賛周囲から注目されていた。

確かに極上イケメンである一夏が、クールビューティーな眼帯女性のクラリッサと一緒に居れば注目されても仕方あるまい……特に一夏の場合は、『世界初となる男性IS操縦者』として顔も知られてる訳だからね。

だが、秋葉原以外の場所であったのならば此処まで注目される事は無かっただろうが、今やオタクの聖地と化した秋葉原では注目――より正確に言うのならば

嫉妬と羨望が混ざった視線を向けられてしまうのだ。

全員が全員ではないが、オタクってのは大抵の場合『陰キャ』、『ボッチ』、『非リア充』、『KIRIN(Kanojo(Karesi) Inai RekiIko-ru Nenrei)』な事が多いので、このオタクの聖地でデートしくさってるイケメンと美女には色んな物が混ざり合った視線を向けてしまうのだ。……尤も簪に言わせると、『リア充に嫉妬してる程度ではオタクとしてまだ二流』との事らしいが。

 

 

「まぁ、害はないみたいだし無視して行くのが無難だろ?

 ヤーさんとか不良みたいな奴等に見られてるって感じでもないし、少なくとも殺気は感じないから危険性は無いだろうからな……もし襲い掛かってくる奴が居たとしても、相手が千冬姉レベルじゃない限りは返り討ちに出来るだろうからな。」

 

「ふむ、其れは頼もしいな?剣道をやっているとは聞いたが、他にも何か武術をやっているのか?」

 

「剣道以外に、より実践的な剣術、マーシャルアーツ、柔道、極限流空手、ハイデルン流暗殺術とか色々な。」

 

「と言う事は巨大な気の塊を飛ばしたり、相手の体力を吸い取ったり出来る訳か。」

 

「覇王翔哮拳とストームブリンガーは練習中でな……今出来る技は飛燕疾風脚と斬裂拳、ムーンスラッシャーとグランドセイバーだな。」

 

 

一夏よ、其れは冗談だよな?ネタだよな?ムーンスラッシャーは大振りなチョップ、グランドセイバーは低い姿勢の突進からのチョップ、斬裂拳は片手での超高速パンチだからギリ出来るとしても、飛燕疾風脚は絶対無理だから。助走なしのジャンプから飛び膝蹴り→そのまま足を伸ばして飛び蹴り→半回転して飛び後回し蹴り何て絶対不可能だから!

とまぁ、こんなネタ会話をしながら、一夏とクラリッサがやって来たのはゲームセンターだ。

ネットの普及によるオンライン対戦が当たり前になってしまった事で、ゲームセンターでの対戦プレイと言うのは絶滅寸前になってしまっているのだが、秋葉原には、筐体での対戦や協力プレイが出来るゲームだけを集めたゲームセンターもあり、一夏とクラリッサが来たゲームセンターもそう言った店で、今流行りのアミューズメントゲームは一切なく、対戦型の格ゲーや協力プレイが出来るアクションゲームばかりが並んでいる。

ストⅡや、KOF94~98と言ったレトロなタイトルが多いのも特徴だろう。

 

 

「其れじゃあ、やるかクラリッサ!」

 

「あぁ、行くぞ一夏!」

 

 

そんなレトロゲームが並ぶゲーセンで、一夏とクラリッサが選んだのは、ベルトスクロールアクションの最高傑作と名高い『ファイナル・ファイト』だった。

アーケード版では二人協力プレイが出来るのチョイスしたのだが……一夏とクラリッサの協力プレイは直ぐに注目をされる事になった。

一夏が使っているのは人気の『ガイ』なのだが、クラリッサが使っているのは上級者向けの『ハガー』なのだ……ハガーを選択した辺り、クラリッサはゲーマーとしてもレベルが高いのかも知れない。

一夏がガイで三角飛び蹴りやジャンプ攻撃からの華麗な連続技で敵を蹴散らしたかと思えば、クラリッサはハガーでまさかのパンチハメをした後に、ヘッドバットからのパイルドライバーで雑魚を塵殺!

ボス戦に至っては、挟み撃ちにしてからのパンチハメでガリガリと体力を削って行き、トドメはハガーのパイルドライバーだったからな……ボス戦での挟み撃ちパンチハメは只の苛めだろマジで。

そんで、結局ノーミスでクリアしただけでなく、キッチリと『錬金』を行って得点も稼いでいたのでランキングの一位には『ICK』、二位には『CLR』の名が表示されたのだった。三位との得点差が百万以上ってドンだけだマジで。

そして、此れを皮切りに一夏とクラリッサのゲーセン無双が開始され、対戦格闘ゲームでは共に乱入者五十人抜きを達成し、ガンコンシューティングゲームではクラリッサが過去最高得点を叩き出し、パンチングゲーム『ハイパーソニックブラストマン』では、一夏が最高レベルを余裕でクリアしてギャラリーを驚かせていた。

 

その後も秋葉原デートは続き、アニメイトでアニメグッズを買ったり、メイド喫茶でお茶をしたりと秋葉原を満喫した。

 

 

「今日の記念に、撮ってかないかクラリッサ?」

 

「プリクラと言うモノか……そうだな、記念に撮っておくとしようか。」

 

 

そして秋葉原デートの〆はプリクラだ。

秋葉原限定のフレームもあるので其れを選択して撮る事にしたのだが、シャッターが切られる瞬間に、クラリッサが一夏の頬にキスをして、結果として一夏の驚く表情と、乙女な表情のクラリッサがフレームに収まると言うレアなプリクラが出来上がったのだった。

……でもまぁ、頬とは言えキスしちゃう辺り、クラリッサは一夏の魅力に惹かれたっぽいな。

 

 

「クラリッサ?えっと、今のは……」

 

「私の気持ちだよ一夏。」

 

 

っぽいじゃなくて、此れは完全に落ちたな。

チョロいとか言うなかれ……一夏は顔がイケメンなだけじゃなく、内面も極上のイケメンであるから、たった一日付き合っただけでも、その人柄に触れたら速攻陥落間違いなしだからね。

クラリッサも御多分に漏れなかったと言う事だろうさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな訳で、秋葉原での後半戦は見事に大成功したんだが、日が暮れて夕食時になった時間、一夏とクラリッサの姿は屋台のラーメン屋にあった。

日も暮れて、良い時間になったので一夏が『晩飯、何か食べたい物ある?』とクラリッサに聞いた所、『屋台のラーメンと言うモノを食べてみたい』との答えがあったので、一夏行きつけの屋台のラーメン屋にやって来たのだ。

因みにこの屋台は頑固一徹な職人気質の親父さんがやってるモノであり、多種多様なラーメンがある現代において、基本の『醤油ラーメン』一本で勝負してると言う気合の入ったラーメン屋台であり、知る人ぞ知る名店だったりするのだ。

余計なモノは一切加えず、鶏がらのみでダシを取ったスープに国産丸大豆の醤油のタレを合わせ、中太の縮れ麺を使用し、具は自家製のチャーシューと海苔とメンマとナルトとシンプルながら、仕上げに垂らされたラー油が食欲をそそる一品だ。

 

 

「此れは、思っていた以上に美味しいな。

 此れが日本が世界に誇るラーメンか……この美味しさは確かにワールドクラスだ。」

 

「気に入って貰えたなら良かったぜ。」

 

 

スープの最後の一滴まで飲み干し、クラリッサはラーメンを完食!ラーメンってのはスープまで飲み干してナンボだ!スープを飲み干す事が出来ないなら、ラーメン喰うんじゃねぇとすら思うわマジで!

スープの塩分と油分は気になるかも知れないが、其れを含めてのラーメンだ!塩分と油分を気にしてたら、真にラーメンを堪能する事なんか出来ねーんだよマジでな!!

 

 

「残ったスープに、ライスと生卵を加えて食べると言うのも、中々斬新で美味しかったよ。」

 

「ラーメン雑炊は、ラーメン後の通の楽しみ方だぜ。」

 

 

ラーメン雑炊は確かに美味いから、此れは外せんわ。

残ったインスタントラーメンの汁に飯をぶち込んで一煮立ちさせて、其処にネギと玉子をぶち込んだ雑炊はガチで美味だからな!一人暮らしの野郎にとっては最高の一品なんですわマジで。

 

其れは兎も角として、本日のお見合いデートで、一夏とクラリッサは中々良い感じになったと言えるだろう。

 

 

「一夏、今日は楽しかった……だが、私は君の眼鏡に適っただろうか?」

 

「適ったぜクラリッサ……やっぱり俺の勘は間違ってなかったよ。」

 

 

そして、ディナーが終われば、クラリッサが帰国する時だ……空港のロビーまで一夏はクラリッサを来ると同時に、クラリッサに対し、『己の眼鏡に適ったって事』を伝えた。

でもって……

 

 

「だから、俺のパートナーになってくれないかクラリッサ?」

 

「私で良いのか?」

 

「クラリッサが良いんだ。」

 

「そうか……ならば、その提案は受けさせて貰うよ。――私自身、今日一日君と過ごした事で、君の魅力を思う存分堪能したからな……私の方こそ宜しくお願いするよ一夏。」

 

 

はい、見事にカップル成立!

クラリッサは、一夏ハーレムの最後の椅子をゲットしたのだ……此れにて一夏ハーレムは完成したのだが、戦力が割と洒落になってねぇな此れ?一夏と刀奈だけでも、充分に強いってのに、其処にロランとヴィシュヌとグリフィンとクラリッサが加わったと、如何考えても最強過ぎんだろ此れは。勝てる気がしないわマジで!

一夏ハーレムは最強だな。

 

其れとは別に、別れ際に『黒兎隊の隊長が、近くIS学園に編入する事になったから気を付けろ』と言われた事が一夏の印象に残っていた。……面倒事はゴメン極まりないが避けられない事であるのならば、真正面から叩き潰すだけだけどね。

 

其れは兎も角、見合いデートを終えた一夏は学園島に戻り、寮の自室の扉を開けだのだが……

 

 

「「お帰りなさいアナタ。ゴハンにします?お風呂にします?其れとも、私?」」

 

 

其処にはISスーツ姿の刀奈とロランが居た。……ISスーツはセクシーだぜ。ではなく、一夏は無言で扉を閉め、再度扉を開けて――

 

 

「「お帰りなさいアナタ。ゴハンにします?お風呂にします?其れとも、私?」」

 

 

今度はビキニ姿の刀奈とロランが居た。

 

 

「…………」

 

 

其れでも一夏は理性を保って扉を閉め、深呼吸した後に三度ドアを開け……

 

 

「「お帰りなさいアナタ。私にします?私にします?それとも、ワ・タ・シ?」」

 

 

トドメとばかりに今度は裸エプロンでキタコレ!しかも、選択肢が一択だし!此れはもう選択肢など有って無い様なものである……そして、同時に一夏の理性がプッツンオラした。

何か、刀奈との初めての時も同じような状況だったような気がするが、『裸エプロン』が一夏の理性を機能停止させるスイッチだったりするのだろうか?いやまぁ、自分に好意を寄せてくれてる女性にこんな事されて理性を保てってのがそもそも無理ゲーかも知れんけどね。

 

 

「そうだな……刀奈とロランにしようかな。

 覚悟しろよ?挑発しまくったお前等が悪いんだからな……俺はもう止まらねぇ!刀奈、ロラン……覚悟しろやコラァ!!」

 

「「キャー♪」」

 

 

でもって、この後散々『禁則事項』した。

だがまぁ、刀奈もロランも幸せそうだったので良いとしよう……惚れた男に抱かれるってのは、ある意味で女性にとっては最上級の幸せと言っても過言じゃないからな。

刀奈は既に経験済みだからアレだが、ロランはこの日初めて『男』を知る事になったのだった。

 

 

「此れが男との……良かったよ一夏。」

 

「そうか?……なら良かったぜ。」

 

 

事後のピロートークもそこそこに、ロランは一夏の腕枕を堪能しているみたいだ――左手は刀奈が腕枕してるので、一夏は両腕を腕枕として進呈する事になったのだけれど、一夏は一切苦しさは感じていなかった。

 

 

「此れも、愛の証かな?」

 

 

なんて事を呟きながら、しかし一夏は刀奈とロランの二人を抱き寄せて、お休みのキスを敢行――其れを喰らった刀奈とロランは完全KOされたみたいだが、此れは一夏だからこそだろう。

って言うか、一夏じゃなければハーレムなんぞ構築できないだろうからね。

取り敢えず、刀奈に続き、ロランともやっちまった一夏は色々と大変だろうけど、頑張ってくれ。って言うか、それ以外に言える事は無いからな。……だから、此れからも頑張れよ一夏。

取り敢えず、刀奈とロランは一夏の嫁の中で更にステップアップしたのは間違いなかろう……だろうな。

 

因みに、ドイツに帰ったクラリッサが本日の成果を報告した事で、その成果を評価され、後日大尉に昇進する事になった……マッタク持って一夏の希少性ってのは本気でハンパないわな。

何にしても此れで一夏ハーレムは完成したと言える……一夏ハーレムは最強だからな!!――へへ、燃えたろってなもんだぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued 

 

 

 

 

 

 

 

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