夏と刀と無限の空   作:吉良/飛鳥

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コスプレか……やってやるぜ!By一夏     気合い入れるわよ!By刀奈     気合充実ですねByヴィシュヌ


Episode41『夏休み終~コスプレも日本の文化だ~』

夏休みも終盤に差し掛かったある日の夜、千冬の姿は本土の居酒屋にあった……ただ飲みに来たと言う訳ではない。今日、千冬は『ある人物』から此処に呼び出されていたのだ。

 

 

「お前が私を呼び出すとは……奴の機体の解析が終わったのか束?」

 

「其の通りだよちーちゃん。」

 

 

千冬を呼び出したのは束だった。――実は束は、千冬から陽彩の専用機である『ダークダブルオーライザー』の解析を頼まれていたのだ。

と言うのも、強制トレーニングを行っている最中に、千冬は陽彩の機体に違和感を覚え、『訓練時以外は専用機は没収する』と言う条件を使って陽彩のISを取り上げて束に解析を依頼していたのだ。

解析が終わるまでは、ISを使った訓練は一切しないで、生身での訓練を課す事で時間を稼いでいた……まぁ、その結果として陽彩達の基礎体力が底上げされたのは彼等からすれば喜ばしい事だろう。その代わりに地獄を見た訳だが。

居酒屋の個室に世界最強と、稀代の天才が一緒に居るってのはある意味でトンデモない状況と言えるだろう……と言うか、この光景を週刊誌がスクープしたら、略間違いなくその週刊誌の売り上げは爆上げだろう。

 

 

「其れで奴の機体は?」

 

「結論だけ言うのなら、アイツの機体は『同じ機体を作ろうとしたら、人が乗らない無人機だったら一応可能』と言った所だね。

 基本スペックは十四世代相当……まぁ、二次移行したいっ君達の機体も既に現行ISを遥かに凌駕してるから、二次移行したアイツの機体が現行ISを凌駕しているとしてもなにもオカシイ事は無いよ。

 二次移行した事で解放されたらしい『トランザム』ってのも、いっ君の『リミットオーバー』に似た強化状態だからね……だけど、最大の問題は『機体の粒子化』なんだよね。」

 

「機体の粒子化、だと?」

 

 

取り敢えず、束は解析結果を千冬に伝えて行くが、其の中で気になったのは『機体の粒子化』だろう。――いや、其れだけならば其れ程問題ではない。機体を粒子化するだけならば、粒子変換の技術を使えばそれ程難しい事ではないのだから。

 

 

「そう。そして最大の問題は機体だけじゃなく、搭乗者も粒子化してそして再構築するって事なんだよ――生身の人間を粒子化して再構築するなんてのは私でも不可能だよ。」

 

「お前でも無理なのか?」

 

「粒子変換の技術は無生物にしか使えないからね……と言うか、無生物だからこそ粒子変換が出来るんだよ。――生命活動を行ってる生物を粒子変換するってのは、物理法則を完全に無視してるから、流石の束さんでも無理なのさ。

 幾ら私でも、物理法則を無視する事は出来ないんだよ。」

 

 

最大の問題は、搭乗者もまた粒子化して再構成されると言う事だろう……其れは、明らかにこの世の物理法則を無視したモノなのだ。生きている人間を粒子化して再構築する事など絶対に不可能なのである。少なくとも今の人間の技術レベルでは。

――と言うか、搭乗者は粒子化される際、一切の痛みを伴わないのか謎である。

 

 

「お前でも作れないとは……ならば、奴の機体は一体誰が作ったと言うのだ?あの機体を作った企業は実在していないとの事だったが……」

 

「一つだけ、可能性があるよ。」

 

「それは?」

 

「全知全能にして、絶対なる存在――神だよ。神が作ったISだから、作った企業はそもそも存在していないのも一応説明が付くしね。」

 

「!!」

 

 

そして告げられた事に千冬は絶句した――『神』等と、普通は一笑して終わりだろうが、千冬には束が冗談を言っているようには見えなかった。……と、同時に束が言った事にも納得していた。

今の世で、束を超える頭脳の持ち主は存在していない――にも拘らず、束でも作る事が出来ないISが存在しているのならば、其れはもう『神』と呼べる存在が制作したと考えるしかないのだから。制作した企業がダミーで存在していないと言うのも、其れならば納得出来なくはないしな。

 

 

「神が制作したIS……もしそれが真実だとしたら、其れを持つ正義は一体何者なのだ?」

 

「其れは、まだ分からないけど……少なくともアイツはロクデモナイ奴この上ないって感じかな?って言うか、いっ君を殺し掛けたって事だけで、束さんは『激おこプンプン丸』だったからね。

 ぶっちゃけて言うと、臨海学校の時にあの馬鹿ぶち殺そうかと思ったもん。」

 

「其れについてはマッタク持って同意見だな。と言うか、教師と言う立場でなかったら完全には殺さずとも九割殺しにしてたかも知れん。」

 

「ま、アイツの正体に関しても其の内分かると思うよ。アイツの家族も含めてね。」

 

 

陽彩の正体には辿り着かなったが、束ならばそう遠くなく陽彩の正体に辿り着くかもだ――だが、其れは其れとして、千冬と束は、久々の親友との飲み会を楽しむ事にした。

そして、飲み会は止まる所を知らず、その後も居酒屋を梯子して、最後はカラオケボックスでオールナイト!……其れだけの事をしておいて、碌に仮眠もしないで千冬も束も本日のお仕事の為に夫々の仕事場に戻って行ったのだから恐ろしい事この上ない。

マジで、千冬と束は人間からメガ進化して超進化して究極進化した新たな人類なのかも知れんな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夏と刀と無限の空 Episode41

『夏休み終~コスプレも日本の文化だ~』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夏休み最後の日曜日であるこの日、一夏チーム一行の姿は夏の一大イベントとも言って過言ではない『コミックマーケット・夏』、通称『夏コミ』の会場となってる『東京ビッグサイト』に有った。

しかも集まっているのは、一夏チームのレギュラーメンバーだけでなく、準レギュラーの五反田兄妹もだ……五反田兄妹は虚が誘ったのは間違い無いだろう。

コミケと言えば同人誌の即売会のイメージがあるが、別に一夏達は自作の同人誌を売る為に此処に来た訳ではない――簪や夏姫は、趣味でアニメ・マンガ・ゲームの二次創作をしてたりするが、同人誌を作って売る程ではない。

ならば何故此処に来ているのかと言うと、その目的は、ズバリ『コスプレ』である!!

 

元々簪と夏姫はレイヤーとして参加する予定ではあったのだが、その話をクラリッサが偶然聞き、『私もコスプレと言うモノをやってみたいな?』と言った事から、あっと言う間にその話が一夏に伝わり、他の嫁ズに伝わり、残りの一夏チームの面々に伝わって、この大人数で夏コミでコスプレをする事になったのだ。

 

 

「いやはや、初めて来たけど人がハンパねぇな?コスプレ目的の人は、更衣室の方に行けばいいんだろうが、グッズや同人誌目当ての人は中々会場に入れないんじゃないか此れ?」

 

「開場前から並んでも中に入れるのは開場後二時間とかコミケでは普通。

 だから夏コミで並ぶ場合は熱中症対策を忘れないようにしないといけない……この人出を予想しないで甘く見てると痛い目を見る。」

 

 

コミケの人出はマジで『一体何処から此れだけの人が集まった?』と思う位のモノがある……会場内に入るまでに時間が掛かると言うのならば、この猛暑への対策はしておかねばならないだろう。――因みに本日の東京の予想最高気温は40℃……猛暑通り越した酷暑なのだからね。

 

さて、コスプレをするのならばコスプレ衣装が必要になるのは分かると思うが、余程の拘りがない限りは大抵は専門店で売っているコスプレ衣装を使うのだが、何と一夏チームのコスプレ衣装は全て手作りである!

参加メンバーに何のコスプレをするかを聞いた上で採寸して、一夏と簪と夏姫が全て一から手作りしたのだ……簪と夏姫は慣れてるし、一夏も主夫力が限界突破してるので、裁縫位は余裕であり、たった三人で十八人分の衣装を作り上げてしまったのだ。主夫とヲタが本気を出すと恐ろしいモノがあるわな。

 

 

「そんじゃ、また後でな?」

 

「えぇ、また後でね♪」

 

 

着替える為に一夏達は更衣室前で分かれて夫々の更衣室に。

衣装を作る都合でだれが何のコスプレをするのか知っている一夏だが、『サイズはピッタリだった』と言う事しか聞いていなかったので、実際にコスプレ姿を目にするのは今日が初めてなので、実はちょっとワクワクしてたりする。

 

 

「はぁ、まさか俺がコスプレする事になるとはな……でも、虚さんに『一緒にやりませんか?』って言われたら断れねぇよな。」

 

「其れは断らないのが正解だぜ弾。

 カヅさんが教えてくれたんだけどさ、良い男ってのは『余程の無茶や犯罪行為、公序良俗に反する事ではない限り恋人の頼みは叶えてやるモノ』らしいぜ?

 其れに、お前だって虚さんのコスプレ姿を楽しみにしてんだろ?」

 

「其れは当然だろ!」

 

「なら良いじゃねぇか。お前も楽しめよ?折角来たんだから楽しまないと損だぜ?」

 

「……其れもそうだな。」

 

 

野郎二人は更衣室でこんな事を話しながら着替えて行く。

……野郎のレイヤーも結構多いようで、様々なコスプレをしている人が居るのだが、FFⅦのクラウド、Ⅷのスコール、Ⅹのティーダやアーロン、KOFの草薙京や八神庵なんかは良いとして、ストリートファイターのザンギエフやエドモンド本田、サガットは気合い入れ過ぎではないだろうか?てか、コスプレじゃなかったら通報されてるわ此れ。コスプレの世界はディープだな。

 

 

「そう言えば、虚さんとは如何なんだ?」

 

「……この前、二人で温泉旅行行った時に一線超えました。なんて言うか、虚さんがめっちゃ可愛かった!」

 

「弾……今日の帰り、これで旨いモノでも食え。おめでとさん。」

 

 

……何を話してんだお前等は?まぁ、弾と虚の仲が進展したってのは一夏としても喜ばしい事なんだろうけどな。

そんな事を話しながら着替え終え、一夏と弾は更衣室を出て女性陣を待つ……その間にも、写真の撮影をお願いされたのは、コスプレ衣装の出来が良いだけではなく、一夏と弾がイケメンな事も関係しているだろう。

黒髪黒目の正統派イケメンの一夏と、赤毛長髪の不良系イケメンの弾のコンビってのは、揃うと可成り映えるからね。

 

 

「はぁい、待たせたわね。」

 

「着替えるのに少し手間取った。」

 

 

其処に女性陣が合流し、一夏チームは全員がコスプレ完了!

夫々がどんなコスプレをしているかと言うと、一夏がV(DMC5)、刀奈がレディ(DMC4SEアナザーカラーVer)、ロランがオリビエ(空の軌跡)、ヴィシュヌがブラック・マジシャン・ガール(遊戯王記憶編Ver)、グリフィンがレオナ(KOF)、クラリッサがヨシュア(空の軌跡)、簪が沈黙の魔導師-サイレント・マジシャン(遊戯王)、本音がホーリードラモン(デジモン)、虚が地霊使い-アウス(遊戯王)、コメット姉妹が白魔導師-ピケルと黒魔導師-クラン(遊戯王)、円夏がレン(空の軌跡)、乱がエステル(空の軌跡)、夏姫がシェルミー(KOF)、レインがフェイト(リリカルなのは)、フォルテがフォルテ(ロックマンシリーズ)、弾がフリーマン(餓狼MOW)、蘭が凛音(東亰ザナドゥ)と言った感じだ。

……フォルテのコスプレが自分の名前と掛けた洒落なのは良いとして、本音の其れはコスプレと言って良いのだろうか?本音はホーリードラモンの着ぐるみを着て、そんでもってホーリードラモンの口から本音の顔が見えてる感じだからな……コスプレか此れ?

 

 

「のほほんさん、暑くないか?」

 

「大丈夫だよイッチー。

 イッチーが内部に保冷剤を入れるポケット付けてくれたから、とっても快適なのだ~~♪」

 

 

一見すれば熱中症一直線な本音だが、其処は一夏がちゃんと熱中症対策をしていたらしい――着ぐるみは夏には拷問だが、その内部に保冷剤を搭載出来る様にすれば暑さはある程度解消出来るからね。顔がオープンだから水分補給は容易だろうしな。

 

 

「なら良かったぜ……それと、刀奈、ロラン、ヴィシュヌ、グリフィン、クラリッサ、よく似合ってるぜ。少しばかり惚れ直しちまったぜ。」

 

「「「「「~~~///」」」」」

 

 

でもって、ナチュラルに嫁を褒める一夏はマジイケメンである。――狙ってやってるんじゃなく、ごく自然にナチュラルにこう言う事が出来るんだから凄いわ……言われた方は真っ赤になってしまうのだが、一夏は思った事を口にしただけなので問題ない。ないったらない。

だが、だからこそ嫁ズには刺さるのだろう。一夏の嫁として、一夏の事を知っているからこそ、『一夏はお世辞やおべっかは使わず、そのものズバリの評価をする』と言う事を理解してるのだからね……故に、この評価はクリティカルヒットだった訳だ。――だが、スタンせずに持ち堪えた彼女達の精神力は見上げたモノが在ると言えるだろう。

此れが陽彩だったら……いや、予想する事すら止めておこう。折角の夏の最大のイベントに不愉快な奴の事を考える事もないからな。

 

そんな訳でコスプレした一夏達は会場入りしたのだが……

 

 

「すみません撮影良いですか?」

 

「全員で決めポーズお願いします!……そう、そんな感じで!!……レイヤーさんを追いかけ続けて早五年、やっと僕は求めていたモノを見付ける事が出来た!」

 

「遊戯王コスの人たちだけこっちにお願いします!いやぁ、クオリティが高いね此れ!」

 

 

早速レイヤー撮影が目的のカメラマン&カメラ女子から撮影依頼が殺到!!

圧倒的に女子の方が多い一夏チームなので、矢張り集まってくるのは男性が圧倒的に多いのだが、その美女・美少女集団の中にいるたった二名の男子も正統派イケメンと不良系イケメンなのでカメラ女子も其れなりに集まって来ている感じだ。一夏がチョイスしたVと弾がチョイスしたフリーマンと言うキャラのミステリアスさも再現されてるレベルの高いコスプレだと言うのも一つの理由と言えよう。

特に一夏はウィッグで長めの髪を再現するだけじゃなく、タトゥーシールでVの全身に施された入れ墨も再現していると言う拘りっぷり……他のVコスレイヤーが入れ墨模様の入った薄い肌色のタイツを着ているのとは訳が違うのである。

 

 

「いやはや、行き成り撮影の大ラッシュになるとは思わなかったわね?」

 

「こんなのは序の口だよ刀奈。

 撮影モデルまでやるようになってるレベルのレイヤーに殺到する人数はこの比じゃない……其れこそ、一息吐く暇すらないレベルだから。

 それから、似合ってるか如何かは兎も角として、気合が入りまくってるレイヤーさんはコアな人気がある。丁度あそこのキン肉マンとキン肉マンソルジャーのリアルマッスルブラザーズみたいに。」

 

 

そして、まさかのキン肉マンコスが居た。

キン肉マンの方は王位争奪編の衣装で、マスクもアレだから良いとして、ソルジャーのマスクは鼻も口も塞がってんだけど如何やって息してんのか……取り敢えず気合いが入ってるのは間違い無いだろう。……よく見りゃ『運命の五大王子』も揃ってるみたいだが、ビッグボディコスしてる奴は確実に身長2m超えてそうだわ。

 

 

「嗚呼、これ程までの人達を魅了してしまうとは、見給え此れが僕の魅力と言う奴さ。

 男女問わずに魅了してしまうとは、美しいと言うのも罪なモノだね……だが、其れもまた仕方のない事。何故ならば、僕の美貌に目を奪われない人など存在しないと言っても過言ではないからね。」

 

 

他のレイヤーは良いとして、撮影されている中でロランが女優としての本領を発揮し、オリビエのキャラを完璧に演じ切った事で、更に撮影者が増える事に!……ロランとオリビエは若干キャラが被ってる気がしなくないが。

そんな感じで、撮影者が殺到していた一夏達だが、何気に本音単品での撮影依頼も多かった……コスプレに分類して良いのか迷う本音だが、彼女の癒しオーラと着ぐるみにしか見えない姿に惹かれた者は意外と多いようだ。……或は、本音単品をお願いした人は癒しを求めていたのかも知れない。

円夏、クラリッサ、乱も三人での撮影依頼が多かった――ブライト兄妹が揃ってるのが理由だろうな此れは。夫々が良く似合ってるだけじゃなく、クラリッサは右目に金色のカラーコンタクトを入れている……此れによりヨシュアのアンバーの瞳よりもミステリアスな金色の瞳となり、其れが人を惹きつけるみたいだ。

……円夏が自作した大鎌がメッチャリアルだったのは触れないでおこう。

 

 

「さて、其れじゃ此処らでお色直しと行くか?」

 

「そうね、お色直しと行きましょう♪」

 

 

ある程度撮影が進んだ所で一夏と嫁ズは一度会場から出て更衣室に向かい、そして――

 

 

「待たせたな。」

 

「それじゃあ、第2ラウンドと行こうか?」

 

 

新たな衣装を纏って再登場!実は一夏と嫁ズは他のメンバーには内緒で途中で衣装チェンジをする事にしていたのだ。

再登場した一夏達の衣装はと言うと、一夏が草薙京(KOFMI2・2Pカラー)、刀奈が不知火舞(KOFMI2Pカラー)、ロランがヴァネッサ(KOFⅩⅣカラー3)、ヴィシュヌがキング(龍虎の拳&KOF)、グリフィン引き続きレオナだがさっきまでは96~2003までの衣装だったのに対して今度はⅩⅣからの衣装になってセクシーさが上り、クラリッサは今度は眼帯をしてハイデルン(KOF)と、全員がKOFキャラで纏めて来た。

しかし、其れがこの上なく似合っているのだ。

一夏も嫁ズも確りと鍛えているので格ゲーキャラのコスプレは実は嵌りに嵌るのである――特に細マッチョが多いKOFはな。

一夏は究極の細マッチョだが、嫁ズもアスリートとしての筋肉は付いているのに女性らしいプロポーションを維持しているので格ゲーキャラのコスプレをすると本物以上に本物らしいのだ。……クラリッサは男性キャラなのだが、その豊かな胸の膨らみを隠す事は出来ないので『おっぱいの付いたイケメン』状態だけどね。

だが、更にレベルの上ったコスプレに一気に撮影者が殺到して、再び大撮影会に!!

 

 

「勝利ポーズお願いして良いですか?」

 

「へへ、燃えたろ?」

 

「よ、日本一ぃ!」

 

「素面じゃ負けないって言ったでしょう?」

 

「楽しかったよ、またおいで。」

 

「力は制御できるけど、其れに頼る心算はない。」

 

「任務完了!」

 

 

其れでも撮影者の要望に応えて一夏達はポーズを決めて撮影を行って行く――休む間もない感じだが、其れでも疲れた様子が全く無いのは、日々のトレーニングで鍛えているからだろう。日常的に体を虐めまくっていた一夏達にはこの程度の事は如何と言う事は無いのである。

其れからも様々なシチュエーションで撮影は続いた……一夏とロランが新旧主人公の対決をやったり、グリフィンとクラリッサがレオナとハイデルンの試合前デモをしたり、刀奈とヴィシュヌが『女性格闘家チームの常連キャラコンビ』として撮影されたりした。

だが、一番人気だったのは六人全員での集合写真だった。KOFの人気キャラが一堂に介した集団ってのは中々ないからね――KOF屈指の大人気キャラである八神庵が居ないってのが逆に良かったのかも知れないな。

 

そんなこんなで午前中は撮影会に忙殺される事になった一行は、正午になった所で昼休みを取る旨を撮影者に告げて、会場内に設けられたフードコートにて休憩&ランチタイムに移行した。

フードコートに出店してる店から適当に総菜となるモノを購入したが、メインとなるのは一夏が作って来た弁当だろう。

六段の重箱に詰められた弁当は、一の重と二の重には前菜となる『よだれ鶏』、『エビのテリーヌ』、『イワシの油淋ソース』、『夏野菜のマリネサラダ』、『竹輪の詰め物(人参、インゲン、チーズ)となんかが詰められ、三の重と四の重には主菜となる『和風ローストビーフ』、『スペアリブのスパイシーソテー』、『鳥皮の包み揚げ』、『サケの香草パン粉焼き』等が詰められている。五の重と六の重には『プチシュークリーム』、『ドライフルーツ入りミニカップケーキ』、『カットフルーツの飴包み』と言ったデザート類が……相変わらず主夫力が天元突破しているな。

『重箱なんて荷物になるんじゃないか?』と思うだろうが、其処はISの拡張領域に収納すれば問題なしだ――序に、拡張領域内は外の影響を一切受けないので作りたての弁当を提供する事が出来るのだ。マジで便利だなISは。

 

 

「相変わらずスゲェなお前?こう言ったらなんだけど、弁当作家として普通に稼げるんじゃないかお前?レシピとかSNSに上げたら絶対に高評価沢山付くと思うぜ?

 冗談抜きで、俺は将来店継いだらお前を雇いたいぜ。」

 

「お前の店でか。其れも良いけど、自分の店出すのも良いよなぁ?」

 

「自分で店出すなら、絶対に別の所で出せよ?もっと言うなら二つくらい隣の県で店出せ。お前が近所で店出したら、客を持ってかれちまうっての!!」

 

「え、将来的にはお前ももっと腕上げてるだろうからそんな事にはならないと思うんだけどな?……特にあの野菜炒め、未だに俺はあの野菜炒めの味の決め手のタレの材料が分からないし。」

 

「アレは門外不出の、じっちゃんが試行錯誤の末に作った秘伝のタレだからな……タレの材料は店を継ぐ人間にしか教えねぇんだよ。と言うか、あのタレはお前でも再現は出来ないと思うぜ?

 アレの味のキモとも言える物は、スーパーとかには卸してない代物だからな。

 じゃなくて!お前の料理の腕は、食堂やってる身としては経営危機を覚える程のレベルだって言ってんだよ!」

 

 

其れは、将来実家の食堂を継ぐ事を決めている弾が危機を覚えるレベルである様だ……まぁ、五反田食堂は常連さんが多いし、付き合いの長い客も居るので早々新参店に客を奪われると言う事も無いだろうが。――因みに、五反田食堂の近所には此れまでに、ガ○ト、サイゼ○ア、ココ○なんかが出店したが、何れも五反田食堂の客を奪う事が出来ずに撤退していたりする。唯一生き残ってるのは、モ○バーガーだけ……まぁ、それも五反田食堂にパンを使ったメニューが一切無いので生き残れているのだが。

 

 

 

「そう言えば、皆さんは将来の事って決まってるんですか?」

 

 

一夏と弾の一幕がありながらも楽しいランチタイムを楽しんでいた中、蘭がこんな事を聞いて来た。

IS学園への進学を考えて居る蘭だが、実は自分がISでどの分野に進みたいのかまではまだ決まっていないのだ……なので、参考までに『先輩』の意見を聞いておきたかったのだろう。……年下のコメット姉妹が『先輩』と言うのもなんかオカシナ感じだが、社会に出れば年下の先輩なんぞ珍しくないので、其処まで気にするじゃないだろう。

 

その蘭の問いに対する答えの多くは『IS競技者を目指す』と言うモノだったが、本音は『宇宙開発に携わりたい』と答え、簪は『整備か開発をやりたい』と答えていた……簪は『特に競技用ISの武装開発は楽しそう。レギュレーションで許されてる範囲で作れる最強武装を開発してみたい』と若干マッドな事を言ってくれていたのだが、此れは間違いなく束の影響だろうな。

ちょっと斜め上だったのはコメット姉妹だ。

コメット姉妹は此のままアイドル活動を続けるらしい……と言うのも、ISを使ったライブと言うのは此れまでのライブとは違って、ガチで空を飛びながら歌う事が出来るので、『新たなエンターテイメント』として定着させたいらしい。本来の宇宙開発とは違った使い方だが、ISバトルとは違う平和的なエンターテイメントとして使われると言うのならば束も文句は言わないだろう。

束もISを開発した本来の目的は『宇宙開発』なのだが、其れ以外の分野でもISが人々の役に立つのならば使ってくれて構わないと思っているのだ――だからこそ、ISを兵器として利用しようとしたら、容赦なく天誅を喰らわせる訳だけどな。

虚は『宇宙開発に携わりたい』と応えるのみならず、『其れ以外だと、弾君と五反田食堂で働きたいですね』と言って弾をKOしていた……この二人は是非幸せになってください。

 

 

「一夏さんは?」

 

「俺もIS競技者を目指してるけど……俺の場合は其れ以外に副業も考えとないとな。なんたって、将来は五人以上を養わないとだからな。」

 

 

んで、一夏の答えはちょっと他の面子とは異なっていた。

一夏自身は『IS競技者』を目指しているみたいだが、其れ以外の職業も考えているみたいなのだ――此れが、普通の家庭ならIS競技者でも充分に食って行けるかもしれないが、一夏の場合は『男性操縦者重婚法』によって嫁が五人も居る上に、将来的には子供も出来るだろうから、家族全員を養う事を考えたらIS競技者だけではやって行けないのだ。

ISバトルの最大の大会と言えばモンド・グロッソであり、モンド・グロッソで優勝すれば相当な賞金が手に入るし、ISバトルの大会は大きな大会がシーズン毎に一回ずつ、大大会に賞金額が劣るが其れでも結構な賞金が入る小・中規模大会も行われている上、競技者として上位選手になれば雑誌のインタービューやテレビ番組、CMへの出演なんかで可成り稼げる――としても、最低でも自分を含めて十一人を養う事を考えると、IS競技者としての収入だけでは絶対的に足りないのだ。

 

 

「一夏さんは……確かにそうですね。でも、副業だと……」

 

「やっぱ食堂かな?

 料理の腕には自信があるし、極上美女の従業員がいれば客来るだろ?因みに従業員のユニフォームは矢絣袴で。」

 

「其れは、確かに人気出そうですね……でも、何で矢絣袴!?」

 

「矢絣袴が似合う女の子は最高だZE!!」

 

 

一夏もその辺はちゃんと考えているらしく、副業として食堂の経営を考えている様だ……先程弾に言った事は冗談ではなく、割とガチで考えている事らしかった。

……授業員のユニフォームに関しては若干思考がぶっ飛んでいるみたいだが、矢絣袴ならまぁ有りだろう。実際に矢絣袴をユニフォームにしてる食堂は存在してるからな。……取り敢えず、一夏の嫁ズの袴姿は破壊力抜群だと言えるわな。

その後、一夏が言った事に対して、刀奈とロランが従業員のコスチュームに関する案を出したり、簪とクラリッサと夏姫がとってもディープなヲタ知識を披露するなどしてランチタイムは過ぎて行った。

 

そして、ランチを終えた一行は午後の部の為に衣装チェンジ!……簪と夏姫とクラリッサの影響もあるだろうが、コスプレが冗談抜きでガチだ!本気と書いてガチである!本気の本気と書いてガチのマジだ。

午後の部の衣装は、一夏がベルゼブモン(デジモン)、刀奈がジョゼット・カプア(空の軌跡)、ロランがハンター・女・キリン装備(モンスターハンター)、ヴィシュヌがブラック・ローズ(.hack)、グリフィンがルールー(FFⅩ)、クラリッサが天龍(艦これ)、円夏がユフィ・キサラギ(FFⅦ)、簪が憑依装着-エリア(遊戯王)、本音がメタルグレイモン(デジモン)、虚がマリエル・アテンザ(リリカルなのは)、乱が高町ヴィヴィオ(リリカルなのは)、コメット姉妹は揃ってエフェクト・ヴェーラー(遊戯王)、夏姫はユウナ(FFⅩー2Ver)、レインが雪(月華の剣士)、フォルテが龍可(遊戯王)、弾が火引弾(ストリートファイター)、蘭は委員長(私立ジャスティス学園)である。

一夏は敢えてベルゼブモンのマスクは着用せず、髪をオールバックにしているのだが、其れが逆に『ベルゼブモンの擬人化』と言った感じになっていて一夏の『ダークヒーロー』な魅力を引き出して居ると言えるだろう。

 

本音のメタルグレイモンは、午前中のホーリードラモンと大差ない状態なのが、本音が其れを楽しんでいるみたいなので良いとしよう。本人が楽しんでるのに他人が何か言うってのは無粋極まりないからね。

でもって、弾はこれまた名前繋がりによるコスプレだな……よりにもよって『格ゲー史上最弱キャラ』のコスプレをする事になるとは。ピンクの空手胴着ってのは其れだけで見た目のインパクトがハンパないが、弾はもう悲しくなる位の弱キャラだからね……微塵も飛ばない飛び道具、無敵が一切ない対空技、発生の早さに実はランダム要素があって連続技になったりならなかったりする断空脚――だが、其れでも初登場だったZEROでは決して弱くなかったんや!

 

と、少し暴走したが、衣装チェンジした一夏達は午後もカメラマン&カメラ女子から引っ張りだこになって多数の写真を撮られる事になった……でもって、午後の部で一番人気だったのは、夏姫と簪だった。

他の面子のコスプレも出来が良かったのだが、簪と夏姫のコスプレは群を抜いて凄かったのだ――特に夏姫の場合、褐色肌のユウナと言うのが撮影者からのポイントが高かったようで、単体での撮影依頼も多かったのだ。

簪のエリアコスも、ISのアンロックユニットに外装を被せて使い魔にしていた点が『再現度が高い』と評価されて撮影者が後を絶たなかった――簪と夏姫が特に多かっただけで、一夏チーム全体で見れば他のレイヤーを凌駕するレベルで撮影者が群がっていた訳だけどね。

特に髪をオールバックにした一夏のベルゼブモンコスは女子が鼻から愛が吹き出し、ヴィシュヌのブラック・ローズには野郎の股間が零落白夜したみたいだからな。

まぁ、不埒な輩が嫁ズに手を出したその時は、一夏が野郎としての選手生命を刈り取るから問題ないけどな♪

 

撮影会が一段落したその後は、会場を見て回り参加サークルを冷かしたりしていたのだが、レベルの高い同人アイテムなんかを購入してコミケを楽しんだ。R-18ではない薄い本を購入したのも有りだろう。健全物なら同人誌もまた原作に対する作者の考えなんかが表現されていて面白いからね。

そんな訳で一行は夏の最大のイベントを心行くまで楽しみ、そして閉場する前に会場を出て着替え、其のまま現地解散となった――虚が弾と一緒に帰って行ったと言う事に関しては突っ込み不要だろう。

簪は夏姫の家に泊まる予定があるらしく、円夏は乱&コメット姉妹と此れからカラオケオールの予定があり、他のメンバーも夫々予定があったため、一夏と嫁ズだけがその場に取り残されてしまった。

或は、円夏と簪は狙ってやったのかも知れないが、だからと言ってこの状況で何を如何しろと言うのか……ノープランでのぶん投げと言うのは可成り酷いわ。

 

 

「お前達、どうしたんだこんな所で?」

 

「千冬姉?いや、千冬姉こそこんな所で何してんだよ?」

 

「仕事の帰りでな。」

 

 

だが此処で、一夏チームは世界最強の千冬とエンカウント!

全く持って偶然ではあるが、此処で千冬と出会ったのは一夏達にとっても幸運だったと言えるかもしれない――或は円夏は今日この時間に千冬が此処に来る事を知っていたのかもしれない。だとしたら恐ろしすぎるので偶然って事にしておきたいけどな。

 

 

「そうだ一夏、お前達飯は食ったか?」

 

「いや、未だだけど?」

 

「そうか……ならば奢ってやるから付いてこい。私の一押しの店を紹介してやる。」

 

 

其れは其れとして、千冬が一夏達を夕食に誘い、そんでもって一夏達は千冬の好意を有り難く受ける事にした――此の面子で食事をする機会なんてのは中々あるモノじゃないからね。

でもって、千冬が連れて来てくれたのは『焼き肉食べ放題』の店だ。

九十分の時間制限はあるが、其れで一人頭二千九百八十円と言うのは破格だろう……少なくとも現役男子高校生である一夏が居れば充分に元を取る事は難しくはないだろうからね。

そんな夕食の最中に、千冬は刀奈達に『一夏の何処に惚れたのか?』と聞いたが、その答えは存分に満足できるものだったので、千冬は『愚弟の事を如何か頼むぞ』とだけ言って、其れ以上は何も言わなかった。

取り敢えず一夏の嫁ズは千冬さんに認められたって事で間違い無いだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、陽彩達はISを使って、スコールによる精神的拷問となる訓練を行わされていた……スコールが現役引退後に『他に操れる選手が居ないから』と言う理由で凍結されていた自身の専用機『ゴールデン・ドーン』をアメリカから『臨海学校での貸し』を使って凍結を解除させて自身の元に送らせ、その専用機の『炎を操る能力』を持って、陽彩達を追い詰めているのだ。

如何に絶対防御があるとは言え、だからと言って痛みを感じない訳じゃなく、当然炎に焼かれる痛みも感じるのだ……生身で喰らったら間違いなく手術レベルの火傷を負う炎を喰らうってのは、相当にキツイだろう。

だが、ISの絶対防御と生体保護機能がある為に気絶する事すら出来ないのだ……此れは肉体以上に精神に来るものだわ。

 

 

「情けないわね……一夏君達なら、この程度の火球なら全て斬り裂いて見せる筈よ?マダマダ貴方では彼等の足元にも及ばないみたいね。」

 

「一夏の野郎が!?……上等だ、アイツに出来たんなら、俺に出来ない道理はねぇ……上等だよ、やってやる!

 来やがれ!俺の方が一夏よりも上だって言う事を証明してやるぜ!!このダブルオーライザーなら其れも簡単な事だしな!!」

 

 

其れでも折れない陽彩の根性は凄いが、思考形態がクズ極まりないので、所詮コイツが一夏を倒すとか絶対無理言わざるを得ないだろう……何度も言うが、真の主人公と、主人公(笑)では、絶対的な力の差がある訳だからね。まぁ、コイツにはそんな事は一生分からないだろうがな。

尚、思い切りイキッタにも拘らず、結局陽彩は少し本気を出したスコールの超高速火炎弾を全て切り裂く事は出来ずに略喰らい、シールドエネルギーが尽きてKO!

トランザムを使えばその運動性で回避出来たかも知れないが、スコールが『一夏達なら切り裂いて見せる』と言った事で、回避と言う選択肢が消え去っていたのだろう……普通にアフォですな。

 

とりあえずまぁ、一夏達は最高の夏休みを過ごしたと言えるだろう。思い出も沢山出来たからね。

そんな訳で、夏休みの残りの日数はマッハで消化され、新たな季節が――二学期が始まるのだった。……二学期は何も起こらずに終わって欲しいと思うんだが、其れは多分無理だろうな。

尚、夏休み最終日の午前中に、五反田食堂の二階から物凄い悲鳴が聞こえたのだが、どうやら弾は此の土壇場で『夏休みの宿題が未だ全部終わっていない』事に気付いたようだ……そして、其れから約一時間後、虚が五反田食堂に入って行く姿が目撃されたと言うのは、ある意味お約束だろう。

弾は如何やら虚のおかげで二学期早々担任に説教される未来は回避出来た様である。

 

楽しい夏休みは此れにて閉幕!!――さぁ、二学期の開幕だぜ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued 

 

 

 

 

 

 

 

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