紅魔館の傭兵の日常   作:とあるマスター

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作法の話あるけど、間違ってたら
感想で教えてください!(露骨な感想稼ぎ)

あと何の鼻歌かわかったら
感想で答えてください!(露骨な感想(ry)


楽園の素敵なトマト

 

 

 今日は非番なので、久々の趣味に少々時間をかけることにする。やる事ないから時間を潰すって目的もあるが。

 

 

「フ〜フ〜フ〜フ〜フ〜フフンフ、フフフフ〜フ〜フフンフ〜」

 

 

 この前会った外来人から教えてもらってから、やけに耳に残る歌を口ずさみながら目的の場所に向かう。とはいえ流石に幻想郷の最東端にあると時間もかかる、何回も続けて歌うことになるだろう。

 

 

「フ〜フフンフフンフンフンフンフンフンフンフフンフ〜」

 

 

 まぁ歌うこと自体は嫌いではないし、向かう過程で景色を眺めるのも乙なものだろう。

 

 

「フ〜フ〜フフンフン、フ〜フ〜フ〜フ〜、フ〜フンフ〜フンフ〜フ〜フ〜」

 

 

 テレテレテレテレッ、テー。(メロディ)

 

 聞いた話によれば、この歌を使っているアニメ?という物は長い間親しまれたものらしい。この幻想郷にも流れてくることはあるのだろうか?

 

 …無理か。それを好きな奴はさらに増え続ける一方らしいし、何よりどんどん続いてるらしいからな。それを作った奴らには感心するばかりだ。

 

 確か呼吸で闘うんだったか?…いや、精神の塊?だかなんだかで闘うとかも言ってたような…。まぁ呼吸だけなら美鈴と一緒に練習してみるか。もしかしたら出来るかもしれないしな。

 

 

 

 

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 鳥居の前で一礼をし進むと、箒を持って掃き掃除をしている赤巫女が見えた。向こうもこちらに気づいたようなので、ちゃんと挨拶をする。

 

 

「よ〜霊夢、こないだぶりだな〜」

 

「あんたもよく来るわよね、他にすることないの?」

 

「非番の日は大抵暇なんだよ。ここに賽銭入れるか妖精たちと遊ぶかパチュリーの手伝いとかその他などなどエトセトラくらいしかねぇ」

 

「割とあるんじゃないの?しかもエトセトラって…」

 

 

 という訳で目的地到着。最東端である程度察してた奴もいるだろうが、俺が来たのは《博麗神社》である。幻想郷の大結界とやらの境界であり、外の世界にも同じものが存在するとかなんとか。

 

 で、趣味というのはここの神社に賽銭を入れること。一応神社だし神様も祭ってるだろうから、ご利益目的でちょくちょく媚を売っているわけだ。

 

 

「んじゃあ賽銭入れとくな〜」

 

「はいはい、ちなみに幾ら?」

 

「五円玉」

 

「また古臭い語呂合わせを…」

 

「そんな古臭くはないだろ」

 

 

 「ご縁」がありますように、と「五円」玉をかけた言葉遊び、俺は結構好きなんだよな。簡単かつ分かり易い、日本語の面白いところだ。

 

 一礼してから賽銭を入れて、鈴を鳴らしたら二礼二拍手一礼をする。とりあえずこれくらいの作法はしっかりしないとな。

 

 

「あ、そいや野菜が思ったより多くできたから、差し入れしに来たんだった」

 

「なんでそんな大きい袋持ってて忘れてんのよ」

 

「歳取ると記憶が朧げなんだよ…。あ、そのまま食べた方がうまいぞ。瑞々しいし、水分にもなるから夏バテにも効くしな」

 

「レミリアより年上で現役のくせしてな〜にが朧げよ」

 

「おいおい褒めんな照れくさい」

 

「まぁ褒めてるわね、一生を謳歌してそうだもの。お茶でも入れるから上がりなさい」

 

 

 そんな軽口を叩きあいながら袋を手渡す。重かったのか少しよろめきながらも受け取った霊夢は、中を覗きながら神社の台所まで持っていった。

 せっかくの機会だし、博麗神社の内部にお邪魔しよう。

 

 

 

 

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「はい、とりあえず緑茶と、持ってきたトマト」

 

「お、お茶請けも付くのか。接待としては完璧だな」

 

「褒めても何も出さないわよ〜」

 

「団子とか饅頭くらいは期待したんだがなぁ…」

 

 

 綺麗にくし切りされ、こんもりと盛られたトマトと、湯呑みに入った緑茶がちゃぶ台に並ぶ。

 

 緑茶にトマトって合うのだろうか…?まぁ、うちのは美鈴自慢、甘さ強めの改良種だから、和菓子ほどではなくとも合わなくは無い…と思いたい。

 

 

「…なんか、赤いの見てるとあんたたちが異変起こしたの思い出したわ」

 

「また不便な体だな…、その服見るたびに俺らのこと思い出すのか」

 

「そんなわけないでしょ、あんたが持って来たってのもあるんでしょ」

 

「そんな…!俺たちのことをそんなに…!」

 

「なわけ」

 

「略し過ぎだろ、素敵な巫女のセリフじゃねぇぞ」

 

 

 てか「なわけ」って今日日聞かねぇな。なんか聞き覚えはあるんだけどなぁ、最近というかしばらく全く聞いてないような…?

 

 聞かなくなった言葉に哀愁を覚えながら、トマトをひょいとひとつまみ。うまい具合に酸味が甘味を強調して、果物の感覚で食べることができる。

 

 

「…これ美味しいわね」

 

「だろ?俺も初めて食ったときマジでびびった」

 

「アリスあたりに渡したら、美味しく洋菓子にしてくれそう」

 

「うちは咲夜が作ってくれるからノー問題だな」

 

「あ、ずるい」

 

 

 トマトのコンポートからレアチーズケーキの流れはマジで目を疑った。しかもめちゃくちゃ美味いんだよなぁ。もうトマトでできる範囲じゃねぇだろ、あそこまで行くと。

 

 

「んで、なんでまた俺らの異変思い出したんだよ」

 

「そんな気にするほどのことでもないでしょ?」

 

「自分たちの異変だからな、そりゃあ気になって夜しか寝れなくなる」

 

「…別に、あんたは珍しい対応だったな、って今でも思うだけよ」

 

「珍しい?なんでまた」

 

「え〜と、確かあんたと鉢合わせたのが…あぁ、メイド長ぶっ飛ばした後だったわね」

 

「ぶっ飛ばしたってお前…素敵な巫女ェ…」

 

 

 視線に呆れを乗せて送るが、霊夢は気にした様子もなく、どこ吹く風とお茶を飲む。そしてほぅ、と一息つくと、不思議なものを見る目を向ける。

 

 

「門番もメイド長も、完全に私を追い返す気満タンだったけど。あんたと弾幕ごっごした時、なんか接待みたいな感じだったのよね」

 

「あ〜…、まぁあの異変はあんまり納得して無かったしな〜。ちょっとやる気が出なかった」

 

「やる気出なくて主人を売る用心棒がいる?」

 

「ここに」

 

 

 あの異変起こした理由は好感度マックスだったんだよな、ただちょっとやり方に不満があっただけで。まぁ魔理沙をはじめ、いろんな奴らと交友を持てるようになったし、結果オーライではあるが。

 

 

「それに、本気ではあったぞ?スペカとかも使ってたし」

 

「本気でねぇ…。能力使って事実上耐久スペカばっかしてくるの本当にやめて欲しかったわ」

 

「んな毎回毎回はしてねぇだろ?しかもしっかり勝ちやがってこんにゃろ」

 

「まぁ?楽園の素敵な巫女ですし?」

 

「きゃーれいむさんすてきー。まぁなんだかんだで俺も勝ちそうだったけどな、俺も強いからな」

 

「きゃーやくろさんすてきー」

 

「美少女の声援は嬉しいねぇ」

 

「ふふっ、なにそれ。お褒めいただき光栄ですわ」

 

「くっふふ!似合わねぇ」

 

 

 境内の軽い笑い声が、けたたましく鳴く蝉の声に混ざって消えて行く。一度は紅に染まったとは思えないほど青い空は、やり返しと言わんばかりにちりちりと肌を焼く日光を届けてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

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「さて、そろそろお暇するかね」

 

「はいは〜い、差し入れありがとね」

 

「おう、んじゃあな」

 

 

 今日唯一の参拝者はもう帰るそうだ。外の世界の方からたまに送られるのもあるが、定期的に参拝してくるのはここ(幻想郷)ではこの男だけだ。

 

 仕方ないとはいえ、最東端にあるこの神社には人が来ることがあまり無い。ここに来るまでに獣道もあるし、最近では妖怪妖精が集まるというおまけ付きだ。来るわけがないと言われれば弱い。

 

 だからこの男が来ると結構暇つぶしになる。差し入れもなんだかんだでありがたい物ばかりだし。

 

 

「…あ、ねぇちょっと」

 

「お?」

 

 

 だから少し、聞きたくなった。

 

 

「あんたって妖怪なの?」

 

「…?いや、妖怪じゃねぇよ」

 

「そっか。じゃあね、また貢ぎにきなさい」

 

「言い方よ」

 

 

 そう苦笑すると、夜黒はそのまま階段を降りて行く。いつものように端を通っていくのを見て、作法を知ってるのかと常に不思議に思う。来る時も鳥居の前で一礼を忘れないし。

 

 

 

「それで、彼の事はどう思っているのかしら?」

 

「勝手に現れてなに言ってんの」

 

 

 急に出てきたすきま妖怪の発言につっこむが、特段気にした様子もなく話を続けてくる。

 

 

「なら質問を変えるけど、彼が妖怪でなにか不都合があるの?」

 

「別に無いわよ、ただちょっと気になっただけ」

 

「種族が何か、なら理解もできるけれど。妖怪でない事がそれほど大切?」

 

「………何が言いたい訳?」

 

 

 無理やり揚げ足をとってくる物言いに少しばかり虫の居所が悪くなる。こういう時は何かしら裏があるのは確定だ。本題を早く出すようにこの“八雲紫”を睨み付けると、向こうは口角を上げる。

 

 

「別に何も。ただ…」

 

「ただ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「霊夢にも春が来たのか〜って思っただけよ?」

 

「んなわけないでしょうが」

 

 

 こんの脳内お花畑が。

 

 

「人間は妖怪を退治するべきだけれど、妖怪でないならその必要はないもの。それはそれは大切な要素の一つでしょう?」

 

「あのねぇ、ほんとに単純な疑問ってだけよ。あいつ、自分の事とか昔の話とか、全くしないし」

 

「まぁ彼自身が過去の事を話すことは無いわね」

 

「そう言うあんたは知ってそうだけど。あいつ何者なの?」

 

「それは言えないわ、彼との約束だもの」

 

「…あっそ」

 

「嫉妬?」

 

「なわけ」

 

 

 …………巫女らしくないとか言うけど、巫女らしさとか求められても困るっての。

 

 まぁ、あいつが何を隠してても関係ない。これからもあいつが賽銭と差し入れを持ってきて、私がお茶を出したり出さなかったり、それが続くだけだ。

 

 

「残ったトマト、私も食べたいわね〜」

 

「もう無いわよ」

 

「え!?」

 




お互いについて
霊夢
「まぁ、あいつといると退屈はしないわね」
夜黒
「軽口の叩き合いならあいつが一番面白れぇかな」

「「仲はいい方のご近所って感じ?」」
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