一話
憑依した。
言葉にするととても簡単な話だ。
オレは沙条愛歌に憑依した。
どうしてそうなったのかはわからない。そして理解する気もない。
重要なことは過去ではなく現在で、さらにいえば未来である。
さて、沙条愛歌。彼女についてだ。今はオレだが本来は違う。
TYPE-MOONの作品群の一つ。Fate世界を舞台とした作品に登場したキャラクター。
その中でも彼女は最強のキャラクターとして登場した。
まず彼女を表現するならばそれは『全知全能』
あらゆる全てが可能で、あらゆる全ての事象を知り、あらゆる全てを認識する機能を持つ、
文字通りの『全知全能』。
これは根源と呼ばれるあらゆる全てと、接続している「根源接続者」であることから来ている。
誕生した時から「根源」に接続しており、
あらゆる物事に非常に高い適性を持つ文字通りの「天才」だが、
そういった「全能」であるが故に生まれながらにして退屈、
人間性や人としての感情が希薄であり、生きた亡霊のように「死にながら生きて」過ごしていた。
魔術回路の数は少ないが誕生した時から「根源」に接続している為に圧倒的な魔力を有し、
8歳の時点で2つの系統の魔術を完璧に修得している。
魔術師としても天性の才能を発揮し、系統を問わずあらゆる魔術を極めており、
その能力は魔法使いと同等、もしくはそれ以上で既に神代の魔術師すら超える力を有しており、
空間転移を始めとする現代の魔術師では不可能な魔術を何の準備も行わずに平然と使用し、
眼光だけで他の魔術師は次元の違いを思い知らされる。
戦闘においてはサーヴァントを容易く殺害できるほどの殺傷能力を持った触手を発生させ、
その気になれば平行世界への干渉どころか、
世界の裏側や世界の表裏を繋ぎとめる楔が置かれた場所にでも行くことが出来る。
不可能に等しい奇蹟をも可能にできるが、
魔術回路の数が少なく規模と回数にある程度の制限がある。
根源接続者はその気になれば未来も予知でき、事象を編纂して未来と可能性を改変できるが、
その多くはヒトのままでいる意味も感じられず、生命活動すら止めようとしていた。
そこで、彼女が自分に課した唯一の枷として未来視を縛り、
「自分の行き着く先」だけは絶対に視る事も知る事もしようとしなかった。
この世界には魔術を使う魔術使い。根源を目指す魔術師。そして根源に到達した魔法使い。
これら神秘に寄り添う存在がいる。彼らは非常識な「過程」や「結果」を起こすことができる。
個としてならば一般人のスペックを超えているとも言えるかもしれない。
とにかく普通ではない存在だ。その力の源泉はいわゆる「神秘」と呼ばれるものにある。
これは歴史があればあるほど、古ければ古いほど強力な力だ。
そして根源とはその「神秘」すら内包している。
総括すれば―この地上に彼女を見て頭を垂れぬ者なし。
そんな言葉が似合う超越者。それが彼女であり、そして今のオレだ。