沙条愛歌に憑依物語   作:TYPE-HAMELN

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十一話

魔眼の人形。

 

手に入れた魔眼を用いて人形を制作する。だがその前に、

 

薔薇の預言者。リタ・ロズィーアン。彼女――リタから入手した魔眼にはある細工を施す。

 

手に入れた魔眼―――魅了の魔眼。

 

意思を込めて目を合わせた相手を魅了し、短時間ながら意のままに操ることが出来るというもの。

「魅了」という名称だが、必ずしも異性に対する性的な魅惑を意味しない。暗示の一種。

 

人工的な魔眼では「魅惑」や「暗示」までが限度だとされている。

 

これはそれを超えた、他者の運命への介入を可能とする強力な魔眼であるノウブルカラーだ。

 

それに細工を施す。人形師の魔術師。蒼崎橙子の業を利用する。

魔眼の中に魔眼を作り、合わせ鏡のように魔眼の効果を無限に増殖させる。

「積重魔眼」「合わせ鏡の底なしの穴(クラインキューブ)」などと表現されるものだ。

魔眼の効果や強さ自体は変わらないが、普通の魔眼が単発銃であるなら、

これは無限の弾数を有したマシンガン。単発をレジストできても、

怒涛のように押しよせる全ての視線を防ぐことは不可能。

 

例の魔術師は、無限に等しい魔眼の力を制御しなければならないため、

「行動」を禁じることに特化していたようだ。

積重の効果を使わなければ、普通の暗示も可能だという。

 

もちろん、オレはその無限に等しい魔眼の力の制御すら可能である。

 

それは魔術師である彼女と、根源接続者であるオレとの違いである。

 

そしてそれは魅了の魔眼の効果をより多岐に渡り発揮できるということである。

 

細工は終わった。人形の制作に取り掛かる。

 

とはいえ、人形の制作はこれで二度目である。

 

気分が完全にルンルンしている。アヴァロンでクルクルしながら制作した。

 

大丈夫だとは思うが、念の為にマーリンには見ないように命令している。

 

契約も結び念入りに支配をしている。

 

彼女の頭を撫でて言葉をかける。

 

 

「よしよし♪」

 

 

マーリンの様子からもその成果は発揮しているようだ。

 

その様は例えるなら陶酔と恭順。

 

それでも警戒をするのは、その驕りが命を奪いかねない世界だからだ。

 

とはいえこの場所はこの世界において重要な場所だ。それはオレにとっても変わらない。

 

この場所はオレの本拠地だ。本体はここにある。人理焼却をも回避可能な場所だ。それも当然だ。

 

マーリンからすれば、いきなり襲われたかと思えば、勝手に本拠地にされて、

 

瞬間移動したと思ったら、しばらくして魔眼を持って戻ってくる。この数時間で随分なことだ。

 

そう思うが、時間は有限だ。オレの安全の確保は何よりも優先するべきだろう。

 

そうしている内に魔眼の人形は完成した。

 

魔眼は完全な制御下にあり、任意に魔眼の効果を発揮させることができる。何も問題はない。

 

何よりも魔術回路の上乗せができた。この魔眼の人形をもって更に先へと手を伸ばせる。

 

オレは次のステージへと足を進めることにした。

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