沙条愛歌に憑依物語   作:TYPE-HAMELN

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三話

人形を作ろう。

 

憑依したばかりだが、人形を作ろうと思う。

 

この世界ではヒトの命はたやすく失われる。

 

全能がヒトの形をとったかのようなオレであってもそのリスクは何時だって存在している。

 

オレを殺す方法は多くある。例えば、セイバーのような強力な英雄たち。

 

人類悪であるキアラの知性体特攻。

 

カルデアのクラインコフィン(霊子筐体)のような、

コフィン内に居る状態だと生存と死亡が不明な状態。

 

直死の魔眼による攻撃などなど全知全能とはいえ対策しなければ殺せる方法は多く存在する。

 

当然ながらオレは死ぬつもりはないし対策はする。どこぞの慢心王とは違うのだよ。

 

それで最初の人形を作ろうという話だ。これは人形師の魔術師である蒼崎橙子が参考だ。

 

「自分と何一つ変わらない人形」を制作したことで、

最高位の人形師として封印指定を受けた魔術師で魔法使いの姉でもある。

以外にも魔術回路は並の魔術師の平均の少なめから同程度だ。

 

材料は投影魔術を使い用意する。本来は世界の修正力で時間を経れば魔力に戻ってしまうが、

オレならば壊れるまでは半永久的に残り続ける代物を投影できる。

 

人形を作る経験はオレにはないが、だったらその経験を自分に憑依させればいい。

 

憑依経験という投影した武器の使用者の技術を模倣する技がある。

長年使用された刀剣には意思が宿り、その意思と共に刀剣に宿る

「使い手の経験・記憶」ごと解析・複製している。このため、

仮に初見の武器の複製であっても完全ではないがある程度扱いこなすことが可能。

 

例えば投影の使い手である衛宮士郎は投影する際に以下のことを解析する。

 

「創造理念」、「基本骨子」、「構成材質」、「製作技術」、「憑依経験」、「蓄積年月」

具体的に言えば、創造の理念を鑑定、基本となる骨子を想定、構成された材質を複製、

製作に及ぶ技術を模倣、成長に至る経験に共感、

蓄積された年月を再現することで真に迫った物を投影している。

この「成長に至る経験」を解析した結果、扱い方の知識を得る。

 

もちろん、戦闘とは違う人形作りでは一つの道具だけで作るわけではないだろう。

オレが利用しようとしているのはこの、「成長に至る経験」の解析だ。

 

根源にはあらゆる蒼崎橙子の人生が存在している。何故ならば、

TYPE-MOON世界におけるすべての現象、因果はこの根源の渦から始まっているからだ。

物質、概念、法則、空間、時間、位相、並行世界、

星、宇宙、宇宙の外の世界、無、生命、死などのあらゆるものがここより生まれ、

存在しているとされてからだ。それだけではない。

過去現在未来、果ては並行世界にまでわたる情報と知識もこの中に存在している。

 

「根源接続者」であるオレはそこから知りたいことを知ることができる。

故に全知であり、全能なのである。

 

例えば衛宮士郎が投影する際は投影対象を視認する必要がある。

逆にいえば、視認することができなければ投影することはできないということだが、

オレならば、そのような制限はとても希薄なものである。

 

そうしてオレは人形を作った。

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