沙条愛歌に憑依物語   作:TYPE-HAMELN

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七話

魔眼。

 

オレの次のターゲットだ。

 

魔眼は独立した「魔術回路」であるため単体で魔力を生成可能な代物だ。

外界からの情報を得る為の物である眼球を、外界に働きかける事が出来るように作り変えた物。

魔術師に付属した器官でありながら、それ自体が半ば独立した魔術回路。

 

血筋に関係なく適応できる特殊な魔術刻印に近いもの。しかしリスクもある。

 

魔眼は脳と強く結びつくものであるため、

魔眼と魔術回路の接続解除には繊細な処置をしなければならない。

無理矢理に外すこともできるが、その場合は魔眼から溢れた魔力が脳を破壊する危険性がある。

 

魔眼が生み出す魔力と術式が必ずしも釣り合うとは限らず、最悪の場合は術式を勝手に発動し、

宿主の魔術回路からも強制的にオドを絞り出すため制御しきれない場合は非常に危険だ。

 

逆に魔力の扱いに長けていれば、魔眼の「魔術回路」を宿主のそれに上乗せできる。

 

それがオレの目的だ。―――オレには不可能に等しい奇蹟をも可能にできるが、

「魔術回路」の数が少なく規模と回数にある程度の制限がある。

 

ならばその「魔術回路」の数を増やせばいい。

 

そもそも魔力回路、マジックサーキットとも呼ばれるそれは魔術師が持つ擬似神経であり、

生命力から魔力への変換、大魔術式への接続などを担っている。

魔術回路の増減は臓器の増減同様、可能だが負担が大きい。また減った回路が戻ることはない。

 

求めるのは魔術回路。そのためにオレは魔眼を手に入れる必要がある。

リスクを最小限にリターンは最大限を求める。オレならばそれは容易い。

 

とはいえ、それが欲しいといっても容易に手に入る代物ではないとされている魔眼だ。

魔眼を持つ者は希少である。そこら中にあるような代物ではない。それだけではない。

 

そもそも魔眼とは摘出するだけでも至難の業だ。現代における魔術師たち、

バルトメロイやトランベリオといった三大貴族に名を連ねる有力な家系でも二の足を踏む程だ。

 

そして、それは移植も同様だ。その行為はロード・エルメロイⅡ世曰く、

「ある意味で嵐やマグマを切り離し、他人の身体に封じ込めるようなもの」であるという。

だがそれは現代魔術師における常識だ。オレからすれば、摘出も移植も何ら障害とはなりえない。

 

オレはヒトを殺さない。不殺を掲げている。もちろん強制力のあるものではない。

努力目標といった所だ。この世界では命は吹けば飛ぶようなものである。

それが避けることができないものであるのならば、諦めざる負えない。

 

しかし避けられるものであるのならば避けるべきだろう。

無闇に敵を作るようなやり方はナンセンスだ。それにアラヤの抑止力のこともある。

その上で魔眼を入手しようというのならば、方法は絞られる。

 

それにこれは必要なことでもある。魔眼のことを抜きにしても会わなければならない相手である。

事象は編纂した。オレの望む未来と可能性を改変する。時間は有限だ。何、直ぐに済む。

 

――死徒二十七祖第十五位。

 

自称、芸術家のお嬢様の元へとオレは空間転移した。

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