インフィニット・ストラトス2~人と機械の紡ぐ心~ 作:サウス零
ここは日本のとある都市の一角……
夏休み期間で賑わう商業施設にて大きなイベントなどが開催の真っ只中。
しかし、この平和なひと時が一瞬で脅かされる瞬間が起こった…
謎の爆発音と共に設営されていたモニュメントに炎に焼かれ、人々はたちまち大パニック。
やがて、消防隊が現場に到着して、消火及び避難誘導を行うが……
炎は一向に治まる気配がない、さらにと爆発が連続して起こってしまい避難してきた人々の悲鳴が響く、そんな中……
「早く助けてよ!!!早くしないと娘が!!」
「おねえちゃん!!」
「落ち着いてください、今レスキュー隊が行動中です!」
一人の母親らしき女性と幼い女の子が涙を浮かばせながら叫んでいた。
彼女からの言葉によると娘と遊びに来ていた時にこの騒動で離れ離れとなった。
人波に飲まれるように先に避難できていた母親が娘を探しているが一向に見つからない為、
まだ商業施設の中にいるのではないかと不安が彼女の心を揺すぶる。
火災現場に入り込もうした母親に近くで警戒していた消防隊員が止めに入るのであった。
慌てて止める隊員を押しのけようする中、もう一人の消防隊員が無線で司令部に救助者の追加連絡を伝達した。
「要救助者に女の子がいるのか……」
そんな中、消防隊とは別に単独で様子を窺っている一つの存在がいた。
存在はトリコロールをアクセントに付けた白い鎧をまとい、空中に滞空している。
「FRリーダーより、FR5、生命反応はどうだ?」
「こちらFR5、今日も絶好調。バッチリ発見しましたよ~! ビル8階のホビーコーナーにて小さい反応が新たに一つ。」
「我々の中で一番近いのは?」
「………。最短ルートならば、上からFR2、FR3、そして…下からはFRリーダーが近いです」
「了解だ……FR2、FR3、ビル8階の非常口の退路を確保、救助は……」
ビルの一角の窓を蹴り破り、吹き荒れる炎をものとせずに突入する。
その存在の名は……
「ファルシオン・エデンシス」
「月光の調律騎士」という二つ名を持った戦士であった。
「俺が行くっ!!!」
その頃、ビル8階のホビーコーナーにて…
「おかあさん……それにあの子も…どこ……?」
溢れる煙の中、追加された要救助者の少女がうずくまっていた。
少女のいる場所は幸い、煙が届いていない場所である。
しかし、その煙も多くなり部屋を覆いつくすのも時間の問題であった。
だが、少女の目は決して諦めてはいない、少しでも外へと向かい探しているであろう母親に助けを求めようとした。
「…前が……見えない」
手持ちのハンカチを口元に覆って手探りに進んで行く少女の前に爆裂音が響く。
その瞬間、少女の前に燃え盛った木のオブジェが落下してきたのだ。
「!?」
反応するのも、今の少女に逃げる術はない……
母親と妹に対して叫びを出す瞬間だった……
「おぉぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」
落ちてくるオブジェを弾き飛ばし、少女は何かに包み込まれ抱き上げられた。
少女を抱き上げるのはシオンことファルシオン。
「FRリーダーより、FR2、FR3。要救助者を保護完了、退路の状況は!?」
「こちら、FR3、FR2と共に確保完了しているルートデータを転送する」
シオンのメット内にあるモニターウインドウがビルの案内図が現れ、誘導する赤い矢印が点滅する。
矢印に従い、進んで行くとビルの非常口の前では二つの影がシオンを出迎えた。
「シオン、こっち!」
「既に外にはチェイサーが待機している」
一人は真紅のボディに包まれたうさ耳をつけたロボット、もう一人は侍を模した人型ロボット。
彼らは一つの名称が名付けられた……
未来科学の最新技術を使い、限りなく人に近い心を持つロボット
通称「ロボポン」
二人はシオンと共に活動するロボポン「ロボまる」と「コジロウ」である。
「よし、脱出する!」
「「了解!!」」
三人は非常口を抜け、華麗に脱出を果たすのであった……
それから……
ここはとある小さなオフィスビル。その一室でシオンはそこにある椅子に座っている。
目の前には女性看護師型のロボポン「ナース」と小型のヘリコプター型ロボポン「トリペル」が先の火災事件について話をしていた。
「先日救助した女の子は救急隊に預けて無事病院へ運ばれたわ」
「軽傷でしたが、今日の昼に退院、家族と再会が出来たとの事です…シオン社長」
「そうか……なら俺達は手を引いて原因の調査は警察の皆さんに任せよう」
「承知しました~」
トリペルが先に部屋を出ていくとナースはジト目でシオンを見て今回の活動を振り返る。
「そういえば、救助した子にあなたの事バレなかった?」
「救出にバリアマントで包んだから顔はあの子には分からないし、俺自身の事は秘密の存在だから、心配ないよ」
「全く、この世界に帰ってきたのはいいけど会社を立ち上げるなんて驚いたわ……さらに秘密のレスキュー隊なんて始めちゃって…」
「でも、嫌じゃないだろ。各々が持つ能力を使って人々の助けになり社会に貢献するのがロボポンの主な役目だろ?」
「それはそうだけど、私達の目的を忘れてないわよね?」
「判っている。だから、今はサレナやイオン、さらにラシェーラのメンツにも協力してもらい各地の調査に動いてもらっている」
「やっぱり、彼女が本格的に動いたのかしら……?」
二人の思い浮かべる存在は一人の女性がいた。
『篠ノ之束』
宇宙活動用マルチスーツ「インフィニット・ストラトス」
通称「IS」と呼ばれる特殊装備を発明した女性。
当時中学生と若い時期に作られたとされているが
どのようにして学会に発表されたが不明だが、当時の学者たちにはその存在は認められず追い返されたようだ。
数か月後、世界に備えられてる基地に保管されていたミサイルが全て日本に飛来するという事件が勃発。
それを解決したのが「白騎士」と呼称されたISであった。
事件は「白騎士事件」と呼ばれた後、ISは世界に大いに注目されたが、『兵器』として存在を強くした。
既存の兵装を越える存在となったISは兵装使用を取り締まる『アラスカ条約』を作り、管理する『IS委員会』
そして、ISの専門学校「IS学園」の設立した。
だがそこに『女性』しか搭乗出来ないという欠点が発覚。
その問題点を改善・改良の話が全く知らせる事がなく、世界の政府達は何故か「女性優勢」な政治を行ってしまうのだ。
世界は「女尊男卑」となり、男性にとって明らかに重々しい事態へと発展したのであった。
しかし、まだ希望が残っていた。
『織斑一夏』
初のIS男性パイロットとしてIS学園に入学した少年。
それにより、男性にも搭乗できる可能性を誰もが彼の存在に世間に注目の嵐を起こさせた。
そんな世界の流れにシオンは『綾月将』としてこの世界に誘われ、ロボポン「ロボまる」と出会い、この世界の異変に立ち向かった。
だが、『篠ノ之束』の逃走を許してしまい、世界を渡り歩くが彼女が再び戻ってきた情報が入り、シオンはこの世界に舞い戻ったのだ。
戻ってきたシオンは嘗ての状況とは違い、IS学園とは無関係の存在。
関わるには何らかの方法が必須であった。その方法が先の話に出た『会社を立ち上げる』なのだ……
本来、会社の企業には多くの書類作成を準備するだが、そこには偶然にも出会ったある人物の助けがあったのである。
「シオン!」
やや慌てた様子でロボまるが入ってきた。
「どうしたそんなに慌てて?」
「それがね、あれが…それで…これが…どれで!!」
「そこの急須にお茶があるから、飲んで落ち着きなさい…」
「詳細はワシが説明しよう」
ゆっくりとお茶をすすりながら落ち着こうとするロボまるだが、一人の小柄な老人が後から入ってきた。
「スポロ博士…?」
彼がその協力者「スポロ・ブラウン博士」である。
「IS学園の園長から直々の依頼が届いたのじゃ」
「IS学園から!?」
「園長の轡木とはワシと古い友人での、今年度はあの少年パイロットが来て異変が多く起きておると聞く」
まさかの仕事依頼、しかもスポロ博士はIS学園の園長と旧友と聞いてシオンとナースは驚いた。
「ワシは警備プログラムの新規作成を依頼されておったのだが、お前達がここにやってきたおかげで計画が進められるのじゃ」
「それじゃ……つまり?」
「うむ!ワシが『密かに作り育てた』ファルシオン・ロボテック社の人間としてお前達をIS学園に派遣できるぞい!」
「よっしゃ!ナース、至急社員を集めてくれ」
「わかったわ!」
「ぼくも行きます!」
そして、シオン達はIS学園に向かう準備を始めるのだった。
数日後、場所はIS学園
朝の一時限を使って全校集会が行われていた。
内容はその月にある学園祭とついてともう一つ…
「と、本日から新学期にてIS学園の警備にはこちら『ファルシオン・ロボテック社』の方々と連携業務を行います」
話の進行を進める学園長の轡木がシオンを紹介している。
では社長ご挨拶をと促されシオンは生徒達に自己紹介を進めるシオン、
今の彼は髪色をこげ茶色に染めており『月彩士音(つきあや・しおん)』としての容姿に変えていた。
最もこの世界では彼『綾月将』を知る者は存在しないが…
士音の後ろには代表にロボまる、コジロウ、ナース、トリペルをはじめとした社内の主力ロボポンが並びそろえていた。
生徒達の反応は歓迎と困惑の賛否両論な様子、テレビで話題となっていた
『風のように現れ逃げ遅れていた人々を颯爽と救出し何も答えずに立ち去っていく謎のロボット集団』
が目の前にいるのだから…
また教師陣も同じ反応であり、前もって対面を済ませていたが…
現状でも彼らの存在は認める者と代表が『男』であることに拒絶反応を起こす者とがいた。
士音達は壇上から去り、舞台裏に向かうと一人の生徒が待ち構えていた。
片手には扇子を口元に持っていき、人を値踏みように見つめる彼女の姿に士音は…
『かつていた幼馴染の友人』に対して感じた不信感を思い出した。
だが、二人の間に会話は発生しない、士音はそのまま彼女の横を通り過る。
彼女もそのまま壇上へと向かい自分の仕事を始めるのであった。
彼女の名は「更識楯無」IS学園生徒会長。
楯無の発言する内容は先に出た学園祭の追加発表である。
その追加とは『各部対抗織斑一夏争奪戦』
空間投影のディスプレイが表示され映されたのは織斑一夏当人の顔写真である。
全校生徒が割れんばかりの声が響きホールを揺らすほどだ。
詳細は学園祭で各部活動の催し物を出し、投票結果で一位となった部に織斑一夏を強制入部させるというのだ。
その情報に全員が大盛り上がり、一方の当人は全く知られていないのか呆然と辺りを見渡していており、
壇上にいる楯無を見上げるが…
「あはっ♪」
とウインクを返す。
一度仕掛けた炎の勢いは止まらない、士音は思った。
(この女、ぜったい相性悪いな……俺と)
それから、放課後となり士音はロボまると学園の施設を見回り、警備の方針について進めようとしたが
警備部隊の他に「生徒会」の連携資料が届いていないことに気付き、生徒会室を訪れていた。
だが、出迎えたのは役員メンバーの布仏虚と本音の姉妹である。
「あっ、噂のレスキュー隊の人だ~♪」
「これは月彩社長、生徒会に何か御用が?」
「ああっ、先月頭にうちが頼んだそちらの資料が受け取っていなのだが会長はどこにいる?」
「資料ですか……少々お待ちください。」
虚が手に持っているファイルのページを開けて言われた内容を調べる。
「わー本物のロボポンだ~一緒にいたロボポン達はどうしたの?」
「本格的な業務は明日だから、今日は会社に待機している」
「そうなんだぁ~あのロボポンが学園に来るなんて驚きだよ~。わたし布仏本音~君は?」
「ロボまるって言います、よろしくお願いいたします。」
「よろしく~♪」
「ロボまるだけでなく他のロボポンぜひとも仲良くしてもらえるとありがたい、ロボポンは人と交流を深め成長するロボットだからね」
「うん、楽しみだよ~」
「お待たせしました。ご要望の資料はこちらになります、申し訳ございません他の資料と同様にお嬢様の承認の判だけとなっており提出が遅れてしまいました」
虚からファイルを受け取り、内容を流し読みをする士音。確かに最後のページには生徒会長・更識楯無のハンコが必要な空白があった。
「当の本人は?」
「今、道場に……」
「そうか……。ちょっとこのおもちゃ借りるよ」
「は、はい、どうぞ……」
そういい士音は巨大ハリセンと重しが付いた長いロープを手に持って道場へと向かった。
その時、虚は戦慄する。士音が僅かに見せた怒りの目に…
場所は道場に到着。その中に入ると、楯無と一夏が両者いて白胴着に紺袴と古武術者のスタイルで戦っていた。
士音が入った瞬間には一夏は完膚なきまでに打ち込まれて倒れている。
「これで二回。まだやる?」
涼しい顔で織斑一夏を見下ろし笑みを浮かべる楯無。
「まだまだ、やれますよ……」
そう言いながらふらついた体に気合をいれて立ち上がる一夏はもうまともには戦えない。
士音はすぐに実行へと移した……今場所は道場の片隅にいるから対角線上に織斑一夏、間に更識楯無。
二人の距離が縮んだ瞬間……
「へ?」
唐突に二人に間に現れた三匹のゆるキャラが楯無を囲むとくるくると回りだし取り出したロープで楯無をミノムシ状態にした。
「えぇぇ!?何!?ナンナノ!?」
この事態に一夏は驚きを隠せない、楯無本人もビックリである。
さらに楯無を持ち上げるとあさっての方向にぶん投げられた。
その先には士音がハリセンを持ち、振り込んでいる。
「オウ~ジョウ~セイヤァァァァァァァァ!!!!」
スパァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!
その日、生徒会長・更識楯無に『最強』の二文字が消えたという噂が出回る事となった……
「いいのかな……」
撃退法を知るロボまるは複雑な気持ちでその光景を見ているのであった…
NEXT…
NEXT…
ごあいさつ代わりの最強の生徒会長を撃墜した士音。
最も目撃者は織斑一夏のみであり、あまり信憑性はなくほどなく落ち着いた。
さらに織斑千冬から引き受けた仕事は「専用機持ち保護者代理人兼護衛」という内容。
あまり気が進まない士音であったが、楯無に翻弄される一夏を気の毒に思い引き受ける。
これが楯無との根競べ合戦開始の合図となってしまうのだった……
次回「EP02 合戦・俺達の苦労」
「出たな、タテナッシー・ヤッホー!!」
「『ヤッホー』って何なのよ!?」