インフィニット・ストラトス2~人と機械の紡ぐ心~   作:サウス零

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学園祭に突入~どうなるどうなる?


EP03 和音・俺達の灰被り姫

時はIS学園・学園祭の当日の朝がやって来る。

 

士音は学園の人工島の片隅ある小さな建物のドアを開けて中の階段を下り、もう一つのドアを開ける。

 

ここはFR社・IS学園支社であり、士音はここを拠点としている。

 

本日行動するロボポン達が大広間に集まり、士音の登場を待っていた。

 

「みんなおはよう、今日は学園祭の当日だ。我々は予定通り各施設の外部を警備、来客の関係者をデータベースに照らし不審人物を見つ出す」

 

「不審人物って、まるで敵は必ず来る前提になっていないか?」

 

乾電池型ロボポン『タンサン』が士音の説明に疑問を持ち、手を上げて発言をした。

 

「ああ、お前達が復活する前にIS学園での年間行事で大会が開催する時、全て横槍が入り中止へと追い込まれた。」

 

「確かに……」

 

「『未確認の無人機』『違反しているISパーツの隠ぺい工作で搭載』『軍用機の大暴走』犯人は見つかっていない事件ばかりだ」

 

ロボポンで事件に関わっていたロボまるとコジロウはその事を思い出す。

 

「しかも、学園祭は外部からの出入りがある……潜入には打ってつけの催し物だが、入場者の受付は全て学園教師陣だけでやると言っている。」

 

「おいおい、それじゃあ変装して潜入されたらバカ丸出しじゃないか、しかもこんなチケットじゃあ容易く偽造されそうじゃない?」

 

女性格闘家型ロボポン『マーシャル』が招待チケットのサンプルをヒラヒラと振って呆れ顔になっている。

 

「だから、スポロ博士が作り上げてくれたこの『トレーサー』のソフトを全員に装備してもらう。これで皆の目に映った人相データをここの大型コンピューターに送られ、検証する」

 

と、指差した方向に置かれている長机の上にはロボポンが使うソフトの入ったダンボールの箱が5つ置かれていた。

 

 

「なるほど、監視カメラだど死角やハッキングで誤魔化す事が出来る。それに対して私達がカメラを持っている事を気付かれずに監視が出来るのね?」

 

 

ナースが士音の狙う警備方法を指摘する。

 

 

「そうだ。例えハッキングされたとしても、これだけのロボポンを同時に仕掛けることは困難なはずだ。例えあのウサギであってもな」

 

 

そう、今この場にいるのはロボまる達を含むロボポンは総数40体、別の場所で待機している大型ロボポンを合わせれば60体を動かすことが出来る。

 

 

「では、先週のミーティング通り、各チームに分かれて学園周辺チームはソフトを装備の上、警備の準備を始めてくれ。では各員行動を開始せよ!!」

 

 

 

『了解!!!』

 

 

 

ソフトの配布を終え、社員ロボポンがそれぞれ行動を起こし外へと出ていく。

 

そこに一人の女性が士音達の元に歩み寄る。女性の隣にはオレンジカラーのロボポンが一緒だ。

 

 

「久しぶりね、将にい♪」

 

「ああ、よく来てくれた百合」

 

 

女性の名は『月彩百合』、本来の名は『綾月百合』といい、士音の妹である。

 

彼女はファルシオン・エデンシスとしての士音のパートナーでもあるが、FR社設立の際、専務の役職についてもらった。

 

それから別の場所にあるFR社の支店を指揮していたが、今回の学園祭である事の協力してもらう為に戻ってきてもらったのだ。

 

 

「マルスも元気そうだね」

 

「ああ、あの惑星でタンマリ修業したんだぜ。今回の仕事が終わったら手合わせしてくれよ、ロボまる」

 

「うん、ぼくだっていろんな世界を回って腕を磨いてきたつもりだよ」

 

「へっ、そいつは楽しみだぜ」

 

 

ロボまるに酷似したボディを持つが二つのアンテナが省略されたデザインをしたこのロボポンは『マルス』

 

ロボまるの量産型タイプのロボポンであるがこのマルスは頭に鉢巻を巻いており頭部も通常のマルスと全く異なる形状をもつカスタムロボポンである。

 

士音達があらゆる世界を巡る中、新たに参戦した社員ロポポンの一体だ。

 

「よし、俺達も学園祭の配置につく、全員、怪我することなく業務をこなそう……では、業務開始!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

学園祭が始まって校内を見回る士音。今回はロボまるとマルスで行動を共にしている。

 

 

「相変わらず、人間たちは騒ぎ事が好きだよな~」

 

「まあまあ、それに今日は関係者だけじゃなく、生徒から招待チケットを貰った一般の人も大勢いるからね。何かあった時はぼく達が守らないとね」

 

「ふーん、でもよ、その学園の連中と俺達がバラバラに守ってて大丈夫なのかよ?」

 

「それを言われるとちょっと痛いな。だが、その場合でも対策は立ててある。後は奴が余計な事をしなければだけどな……」

 

「なんか苦労しているな大将も」

 

「そうなんだよね……あ、あそこに居るのイチカだよ」

 

ロボまるが指さす方向には階段の踊り場に一夏とスーツ姿の女性が話をしていた。

 

女性は一夏の腕をつかみ、何かのパンフレットを見せていたのである。

 

「こちらの装甲や追加スラスターなどいかがでしょう?今ならもう一つ脚部用ブレードも付いてきます!」

 

どうやら、ISの装備開発企業の装備提供の売り込みをしているようだ。

 

世界唯一の男性パイロットである一夏が自機の白式に装備を使わせると莫大な広告効果をもたらすと聞いている。

 

しかも、開発元である倉持技研から後付けの追加装備が全く連絡が無いので、その情報を掴んだ各国企業が装備提供を一斉に始めたらしい

 

だが、白式には装備できる容量がなく、拡張領域を使うことが出来ないので断るしかないのだが企業はそんな都合なんてお構いなしである。

 

「ちょっと、そこ行く企業お姉さん。今日はIS学園の学園祭の日だ。『当日の個人的交渉は禁止』だと招待状に書かれたことをお忘れですか?」

 

「あ、月彩さん……」

 

「ここは俺に任せて、君は学園祭を楽しんでくれ」

 

「あ、ありがとうございます、お願いします」

 

そう言い、一夏は掴まれた女性の腕から逃れ、この場から離脱するのであった。

 

一夏に逃げられた女性は士音に対して睨み付ける。

 

「あなた。一体何なの?」

 

「ただの学園に住み込む用務員さ」

 

「もう一人用務員がいるなんて初耳ね」

 

「最近、赴任したんでね。それに男のパイロットとして来たら、とっくに大騒ぎなってる」

 

「それもそうね、では私はこれで失礼しますね」

 

「あっ、ちょっと待ってください。良ければ、そのパンフレットくれませんか?」

 

「はい?なぜあなたのような用務員が欲するのですか?」

 

「なぜって、単純にISのパーツに興味があるだけですよ。あとお姉さんの名刺ももらえません?」

 

「男のあなたが持ってても無意味でしょうに……」

 

「記念ってやつですね。天下のIS学園で働かせて貰っているんですし有名企業さんの資料が手に入るにはこの上ないチャンスですから」

 

「は、はあ…まあいいですけど」

 

士音の頼みごとに不信感を持った女性だが、まあいいかといった感じでパンフレットと自分の名刺を添えて士音に渡すのであった。

 

「これでよろしいですね」

 

「ええ、ありがとうございます」

 

「では、私はこれで……」

 

そそくさと女性は立ち去っていくと、様子を窺っていたロボまるとマルスが合流する。

 

「なんか、胡散臭そうな人間だったな、そんな紙切れなんか貰ってどうするんだよ?」

 

「うん、ぼく達に隠れさせてたけど…士音、あの人に何かあるの?」

 

そう問いかける二人をよそに貰ったパンフレットを流し読みをして名刺を眺めると士音はロボまるにそのパンフレットを渡す

 

「IS装備開発企業『みつるぎ』……郊外担当『巻紙礼子』?」

 

「一旦、社に戻るぞ……調べたい事が出来た」

 

先ほどの女性が立ち去った廊下の方を睨むように見る士音にロボまるは何か掴んだと確信し頷く。

 

対して、マルスは「えっ、何?何かあるのか!?」と混乱している。

 

それから半時間後、ある事実を掴んで、士音達は一年一組へと急ぐのであった……。

 

 

 

一年一組に到着するが、一夏の姿が見当たらない、即席の小部屋から出てきた生徒に声をかけてみる。

 

「すまない、織斑一夏君はここにいないのか?」

 

「は、はい。ついさっき生徒会長がやってきて連れていかれました。あと篠ノ之さん達も一緒です」

 

「何の為に…?」

 

「さあ…ただ生徒会が観客参加型演劇をするって、話してました」

 

「観客参加型だと…!」

 

教室の窓を開けて、辺りを見渡すが賑やかに歩く人たちがいるだけだ。

 

「どこでそんな事をする気だ」

 

「場所は第四アリーナね」

 

後ろから、百合がやってきて士音に一枚の紙を渡す。

 

内容は……

 

生徒会主催、『シンデレラ』一般参加申請書。

 

第四アリーナにて観客参加型演劇を行います。

 

王子様の王冠を取得した姫には『織斑一夏との同室同居の権利』を進呈。

 

ただし、このイベント参加条件出来るのはIS学園在学の生徒である事。

 

そして最後の行の文字が小さく、参加の際に学園祭人気投票を生徒会に投票したと同意したと見させていただきます。

 

「んなろぉ…」

 

楯無の行動に憤慨する士音、侵入者は巻紙礼子に変装して一夏と再度二人きりなる事を狙っているはずだ。

 

それが分かったのは、先ほど社に戻り開発企業の「みつるぎ」に連絡を入れてみた時である。

 

会社の同僚から、今日の学園祭の取材に出かけたのだが、到着後から連絡が取れなくなっていたのだ。

 

疑問に思った士音はロボポン達に学園周辺の施設を捜索を命令した。

 

それから数十分後、学園のISメンテルームにグルグル巻きにされた巻紙礼子本人を保護。

 

当人からは、学園に入って化粧直しにトイレに寄ると、不意に眠気に襲われて気付いたら今の状態だったとの事。

 

士音はすぐさまに千冬に連絡を入れたが、思わぬ答えが返ってきたのだ。

 

「何ですって、今回の作戦は『更識』が指揮を執っているんですか!?」

 

「そうだ……侵入者の身柄を把握するためにも我々は援護に徹しろと言われている。学園長も承認しているようだ」

 

「学園長までが……」

 

FR社の警備業務が学園祭の日に限って、学園祭に使用されない施設周辺といった触り辺りのない場所に配置されていたので、

 

疑問に思っていたがこれでハッキリとした。

 

「開始時間はもうじきか、どうにして一夏と保護しないと余計な被害が起きかねない、どうするか……」

 

「なら、コレを使ってこんな方法で行ってみない?」

 

「コレ?」

 

百合が言うコレとは一組の生徒が着ているメイド服である。

 

「待て、俺にメイド服を着させる気か!?」

 

「そんなわけないでしょ。ねえ、燕尾服の予備とかない?」

 

「ええっと、大きいサイズが一着ありますけど、確かここに……ありました!」

 

百合に聞かれた生徒が箱の中から真新しい燕尾服を百合に手渡し、そのまま士音へと渡す。

 

「どうする気だ?」

 

「それに着替えてアリーナに向かい、一夏君と合流して、後は私が繋げるわ、後ロボまるとマルスはこのソフトを装備したら私と一緒に来て」

 

ロボまるとマルスは百合からソフトを貰う、ソフトには「スタン」の文字が刻まれていた。

 

「お前はどうする気だ?」

 

「私は、ちょっと拝借したこの帽子を使って………オシオキタイムって所かしら♪」

 

「わかった。任せる」

 

互い不敵な笑みを見せた月彩兄妹に、周りにいた一組の生徒達は怯えてしまうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「今宵もまた、血に飢えたシンデレラたちの夜がはじまる。王子の冠に隠された隣国の軍事機密を狙い、舞踏会という名の死地に少女たちが舞い踊る!」

 

 

 

マイクと通して叫ぶ楯無の声を合図に白地に銀のあしらいが施されたシンデレラ・ドレスを着た鈴が一夏に襲い掛かる。

 

素早い格闘戦と危なげに避けていくが、赤いレーザーマーカーに泳ぐように一夏に向かっていくとダンっと衝撃が起きた。

 

セットに作られた高台にセシリアがスナイパーライフルで狙っていたのだ。

 

広いアリーナをフルに使用したセットの為、あちこちと走り回り、舞台に出ては観客から拍手と声援が上がる。

 

狙撃の音にビビり、走っていくと行き止まりに追い込まれてしまう

 

だが、そこにシャルロットが対弾シールドを掲げて現れるが彼女の服装もシンデレラ・ドレスである。

 

会話をしていく中、シャルロットから王冠が欲しいと要求されて王冠を取り外した瞬間。

 

バリバリバリ!!と一夏の全身に電撃が流れる。

 

「ああ!なんということでしょう。王子様の国を思う心はそうまでして重いのか。しかし、私たちには見守るしかできません。何ということでしょう~!」

 

楯無が楽しそうにナレーションを進めようとした時だった。

 

 

 

「いや、王子様に救いの手を差し伸べる存在がここにいたのです!!」

 

 

 

ここで百合のナレーションが割り込んだ。そのタイミングで士音がロープを使って一夏の隣に着地する。

 

「ええっ!?月彩さん!?」

 

「悪いが弾かせてもらう!!」

 

手に構えたハリセンでシャルロットに接近、そのまま叩き飛ばす。

 

飛ばされたシャルロットだが、とっさに防いだシールドのおかげで痛みはない、しかし一夏から離れてしまった。

 

「彼の名は近衛騎士団長『ツッキー』!!王子様とは兄弟同然に育った幼馴染であり、今は王子に忠誠を誓った最高の友なのです!今回は執事モード登場だぁ!!」

 

(あ、あいつはぁ!もっと気の利いた名前は無かったのか!?)

 

「え、ええっと……」

 

「今は合わせろ………『王子、ご無事ですか!?』」

 

「『あ、ああ、よくぞ駆け付けてくれた騎士団長…つ、ツッキーよ』?」

 

名前が妙にインパクトがあるせいで、一夏のセリフがぎこちなくなってしまったが、物語は続行する。

 

「このまま逃げるぞ!」

 

一夏の頭に手を添えて行動を促す士音。その際、王冠に小さな発信機が添えられた。

 

「はい!」

 

しかし、二人の前に現れた黒髪と銀髪のシンデレラが立ちはだかった。

 

「一夏、そこに直れ!」

 

「王冠は私が頂く」

 

箒は日本刀、ラウラはタクティカル・ナイフの二刀流。

 

「させるかっ!!」

 

「うわっ!!」

 

間一髪、士音が両サイドの斬撃を受け止める。その拍子に一夏は転げ落ちてしまう

 

「そのまま、先に行け!!」

 

「は、はい!」

 

一夏を逃がした士音を睨みつける二人に、士音はハリセンを構え直し笑みをこぼす

 

「貴様、邪魔をするな!!」

 

「なぜ生徒以外の人間がここにいる!」

 

「今の俺は王子を守る近衛騎士だ。全力で邪魔させてもらうぜ、二人同時にかかって来な」

 

「ふんっ、嫁との恋路を邪魔をするのであれば、遠慮はしない……行くぞ!!」

 

「待て、私の事も忘れるな!!」

 

逃げる一夏を追わせないように、士音は箒とラウラとバトルと開始した。

 

 

 

 

箒とラウラを士音に任せて、逃げてきた一夏はこれからどうするかを考えていた時である。

 

ゴゴゴ…と地響きが聞こえてくるとセットの一部が動き出した。その奥には大勢のシンデレラが現れた。

 

「ちょっとアドリブが入りましたが…さあ!ここでフリーエントリー組の参加です! 皆さん、王子様に王冠目指して頑張ってください!!」

 

「はぁっ!?」

 

地響きの正体は大まかに見ても数十人のシンデレラが走っている。それだけじゃない、現在進行形でどんどんと増えている。

 

まるでホラー映画の一部に見えた。

 

「織斑くん!おとなしくしなさい!!」

 

「私と幸せになりましょう、王子様!」

 

「そいつを……よこせぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

一群は一夏にいや王冠にまっしぐらに突き進んでいくがそこに…

 

 

「とう!」

 

 

今度は百合にロボまるとマルスが降りてきた。

 

「わったし、参上!!」

「あ、あなたは?」

 

「通りすがりの野良メイドよ、さあお逃げなさい」

 

「あ、ありがとうございます」

 

一夏を見送り、百合は息を吸って大声を上げる

 

「みんなっ!とまりなさぁぁぁい!!!」

 

だが、百合の声では誰一人止まらない。

 

「やっぱり、駄目ね…ロボまる、マルス、よろしく!!」

 

「はい!」

 

「おうよ! バトルモード!!」

 

ロボまるは右手を…マルスは戦闘形態に可変して右足を…とそれぞれ構えた。

 

二人の構えた所に静電気が帯電して青白い光が浮かんでくる。

 

「スタン・ナックル!!!」

 

「スタン・シュート!!!」

 

解き放たれた電撃が一つとなり、シンデレラたちに炸裂。

 

一夏の受けた王冠の電撃よりまぶしい光と放つが、光は消えて目を回すシンデレラたちの山が出来上がった。

 

「スタンソフト、対人間用に作ったロボポン用の武器よ、ロボポンにはロボット三原則がちゃんとあるけど感電ぐらいの攻撃が出来るのよね」

 

「な、なんということでしょう……フリーエントリーのシンデレラが全滅なんて……えっ、本当にどういう事なのってかあの子は誰なのよ!?」

 

「みんなっ!!大魔女『タテナッシー・ボヨヨン・デ・ボヨヨーン』の幻惑に騙されないで!!」

 

「えっ!?」

 

「全てはあの大魔女『タテナッシー・ボヨヨン・デ・ボヨヨーン』の綿密なる計画だった。

 

 彼女は王子様の王冠に偽りの機密情報を施し、シンデレラたちに情報をまいた……

 

 そして、大魔女は死の商人となりシンデレラの武器を提供した。ただし、それは投票権と言う己の自由を控えに…」

 

百合の発言にシンデレラに扮した生徒達が困惑の声を上げていく。

 

「私の言葉が真実かどうかはこれを見よ!!!」

 

パッと黒い画面が現れると、3、2、1とカウントダウンが流れて映像が再生される。

 

その画面に映っていたのは楯無と虚がいて机には本音が座っていた。

 

そう…これが、エントリーする=生徒会に投票という不正行動の決定的な証拠が映されたのである……

 

 

「敵はあの大魔女『タテナッシー・ボヨヨン・デ・ボヨヨーン』のみ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「くっ、一夏の発信機に異常が発生した……少し遊びすぎたか!」

 

発信機に組まれていた反応が消え、トラブルが起きたことに気付いた士音は箒とラウラの猛攻を煙幕弾で退き、消えた場所へと向かっていた。

 

場所は第四アリーナの更衣室である。

 

「ここか…だが、ロックされているのか…それなら」

 

士音は左腕に『サモン・ガントレット』を装備すると、右手にはカードチップを装填した。

 

「サモンコード、フェイタル!!!」

 

正面に突き出し左腕から淡い水色の壁が出来上がり、腕を引くと将を包み込み、閃光と共に消え去る。

 

これにより士音は、『ファルシオン・エデンシス』へと変身するのであった。

 

「ジャマー・ステージ…展開!」

 

更に取り出したキューブ状の道具を目の前にある天井に突き上げる。

 

 

 

 

 

「く、くそっ」

 

逃げていたはずの一夏は、不意に誰かに手を掴まれてこの更衣室に来ていた。

 

掴んだ手の正体は先ほど、一夏に勧誘をしていた巻紙礼子である。

 

しかし、ニコニコ笑顔から蛇を思わせる切れ長な目へと変貌したのだ。

 

さらには背中から八本の装甲脚が生えたように出てきた。

 

先端は二つに割れて銃口が顔を見せ実弾射撃を行ってくる。

 

一夏も白式を展開、応戦するが八本の装甲脚に阻まれ雪片弐型を手放し、攻撃をかわしてゆく一夏。

 

楯無との訓練が結果として表れており、瞬間加速で反撃のチャンスを窺っていた。

 

だが、巻紙礼子の招待……『亡国機業』のオータムはかつて自分を誘拐してた犯人は自分だと自慢げに言い出した。

 

それが、勝敗の決定打となってしまった。

 

一夏は怒りに燃え、正面から突撃を行ってしまう…

 

それを待っていたかのようにオータムはエネルギーワイヤーで作った塊を飛ばし、一夏を捕らえた。

 

内蔵装備の『雪羅』で切り裂こうとしたが、エネルギーはクモの糸のように伸びていき、数秒で白式全体を包み込んでしまった。

 

近付いたオータムは白式に剥離剤と呼ばれる特殊な装置によって機体を強制解除されてしまう、

 

解除された一夏にはISスーツのみとなり、オータムに蹴り飛ばされ、ロッカーに叩き込まれてしまった。

 

「じゃあなぁガキ。お前にはもう用はないから、ついでだし殺してやるよ」

 

「ぐ…クゥゥゥ!!」

 

「これで終わりだぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

 

オータムはマシンガンを構築させ、引き金を引く……

 

 

 

 

 

 

(ちっくしょー!!)

 

 

 

 

 

 

 

その時だった…

 

 

 

 

 

 

 

ドカッシャァァァァァ!!!

 

 

 

 

 

 

更衣室のドアが吹っ飛んでくる…

 

ドアはオータムの横を通り過ぎてそのまま奥に着地した。

 

思わず、ドアのある場所を見てしまった瞬間………

 

 

 

「フッ!」

 

 

 

 

「んな!?」

 

 

 

 

デュクジ!!!

 

 

 

デュクジ!!!

 

 

 

デュクジ!!!

 

 

 

 

 

見事な飛び蹴りがオータムを顔にクリティカルヒット、反動で一夏のそばに着地するのはシオン。

 

 

 

「て、てめぇ、何処から入ってきやがった?今ここは全システムをロックしているはずなんだぞ、まあいい見られたからにはお前から……」

 

「てぇぇりゃ!!!」

 

「ぐわぁぁ!!!!」

 

 

さらにもう一撃…と腹部に正拳突き受けて膝をついてしまうオータム、シオンは敢えて無言を貫いていた。

 

「……」

 

「てめぇ、何モンだっ!?」

 

「俺か?俺はな…」

 

突き出した拳を解いて、構えを一度解く…そして、顔を起こしオータムに対して構え

 

 

 

 

 

「……俺は、最近巷で有名なレスキュー隊さ!!」

 

 

 

 

眼のメインカメラに光が宿る。その様子をみて一夏は…

 

 

(なんだろう、俺は一度こんな光景を見たことがある……どうして?)

 

 

シオンの登場に一夏には何処かで見た既視感を感じていたのだった。

 

 

NEXT…




NEXT…

亡国機業が一人のオータムとの戦闘、だが、IS以上の力をファルシオンにとっては苦戦することはなかった。

だが、援護に現れたがまさかの存在により、シオンは更なる戦いの幕開けとなるのであった。


次回 「EP04 確信・俺達の前奏曲(プレリュード)

「やっと…やっと…やっと会えたぜぇぇぇ!!!」

「そんなっ、君はまさか!!?」
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