Re:ゼロから始めるエミリア生活   作:YAYOI@小説書き始めました

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第3話 無力な自分

ラムが報告してくれたように、スバルはレムが一人で戦っているのを知って、一人森へと入ってしまったようだった。

スバルの体には複数の呪いがかかっており、ベアトリスでも解呪ができないようで、解呪以外の選択肢は、呪いをかけた術者を直接倒すしかない、とのことだ。

最も、この情報はリゼロのアニメで知ったこと。

この現代ではそのような話は聞いていないのだ。

 

 

▼▼▼▼▼

 

 

長い長い廊下を抜け、屋敷の扉を抜け、そこでこう告げた。

 

「頼むがラム、ここで待っててくれ。ラムまで来てしまうと万が一屋敷が魔物に襲われたときに対処できなくなる。ってあ、喋り方戻すの忘れてた殺されるぅーーー!」

 

「大丈夫、大精霊様から話は聞いてるわ。

貴方、異世界から来たんですってね。

にわかには信じられないけど、大精霊様が言うなら信用するわ。

でも下手な真似をしたら、許さないから」

 

「ははは、わかってるさ。でもなんでラムがその事を知ってるんだ?」

 

「ああ、それなら僕がラムに伝えたよ。だって、伝えなかったら君がラムから追及されるでしょ?そんな面倒な事にならないように僕が事前にラムに伝えておいたのさ。」

 

やっぱり先ほど後ろで聞こえた会話はパックが俺のことをラムに伝えていたってことか。

 

「ありがとうパック、これで俺がラムに教える必要性がなくなって安心したよ。」

 

「いいんだよー、僕と君との仲じゃないか」

 

「いつそんな仲になったのかな?なーんて!ははは!」

 

ここまでパックと仲良くなったっけ?俺。

 

「とにかく、ラムは屋敷で待っててくれるか??」

 

「だめよ。私も行くわ。だってレムはラムの妹だもの」

 

「いいや、ラム、ダメだ。万一魔物が屋敷に来たら、いろんなものが危ないからね。大丈夫!!!この子には僕がついてるから、負けることはないよ!」

 

 

「ですが、しかし......」

 

ラムが悩んだ表情を浮かべる。

 

「大丈夫だよ!僕の強さを君は知ってるはずだ!任せたまえ!」

 

「大精霊様が言うなら仕方ないわね...」

 

ラムは渋々、屋敷に残る事を承諾してくれた。

 

「ありがとうラム!!!じゃあここで待っててくれ!パック行くぞ!!!!」

 

「はいよー!ラム、ちゃんと屋敷で待っとくんだよ?こっちに来たらダメだからね!」

 

ラムに屋敷に待ってくれるように伝えて、俺とパックはその場を後にした。

 

 

 

▼▼▼▼

 

 

 

 

パックと俺は山に続く森へと入ったが、その森には形容し難いような不穏な空気が漂っていた。

 

「なぁ、パック、この森ってこんな空気感か?」

 

この森は、常にこんな淀みきった不穏な空気感が漂う場所なのだろうか...。

 

「いや、ここまでの空気感は初めてだよ。いつもは空気感が悪くても、ここまで空気感が悪いことはないんだ。

多分、魔物の種類が変わっているか、呪いのせいで空気感が更に悪化してるんじゃないかな」

 

パックが言うには、呪いが多くなっているか、魔物の種類が変わっているかで、空気感が悪化していると推測しているようだ。

普段からこの空気感じゃないってことか...

 

「てことは、尚更スバル達の元へ行かないと危なそうだな。」

 

スバルは多分あの犬どもと戦っているだろうし、レムを追いかけてもいるだろうからどっちにしても危ない。

原作だとラムとスバルが一緒に行動しているはずだから、原作とは全く違うストーリーになっているはず。

 

「だね、急ごう!」

 

そして、俺とパックはペースを上げ、森の奥へと走り始めた。

その時だった。

 

「待って、アオイ!何かいるよ!」

 

そのパックのかけ声とともに、周りからは何かがいるような異様な空気感に襲われて、足取りを止めた。

 

「パック、どの辺にいるかわかるか!」

 

「わからない!!!でも、近くにいるのは間違いないよ!多分魔物だ!それも結構な数だよ!」

 

異様な空気感は森全体に広がっているが、俺たちがいる周りだけ、さらに濃い不穏な空気が漂っていた。

俺とパックはその場に立ち止まり、警戒をしていた。

パックが言うように1匹ではない事は理解していたが、姿を現した魔物は想像を絶する数だった。

 

グルルルルルル......

 

「なんだこいつら!?!?しかも、なんだよこの量!予想してた数よりずっと多いじゃねぇかよ!」

 

姿を現した魔物は、大きな犬のような見た目をしており、体格は大きく黒い体毛で覆われており、目は真っ赤に染まっていた。

 

「(こいつってスバルに呪いをかけたあの犬か!!!!)」

 

どうやらその犬は、アニメでスバルに大量の呪いをかけたあの犬だった。

 

「とにかく!大量にいるこいつらをなんとかしないと先に進めないよ!どうする!?」

 

パックが俺の顔を見てそう告げる。

相手は1匹じゃなくて多数に渡っている。大体数で言うと15匹ぐらいはいるだろうか。

多分普通に戦っても数で圧倒されしまうだろう。

 

「わかってるよ!でもどうすれば...あっ!俺にいい考えがある!俺が囮になって一箇所に固まったあいつらをパックが一網打尽にすることってできるか!?」

 

「一網打尽にする事は可能だけど、囮は厳しいんじゃないの!?」

 

「大丈夫だ!俺に考えがある!信用してほしい!」

 

俺が考えた作戦はこうだ。

死に戻りのことを公表する事によって、魔女の匂いを強くして魔物を一箇所に引き寄せる!

これはスバルがアニメでもやっていた、自分の身を犠牲にして行う賭けのようなもの。

 

「わかったよ!でも、絶対に無茶はしないでね!!」

 

「わかってる!エミリアの体はちゃんと大事にするさ!」

 

パックに作戦を告げた俺は、沢山いる犬のど真ん中を突っ切るように全力疾走し始めた。

 

「おい!犬野郎!!!こっちに来やがれってんだ!!!!」

 

犬野郎どもの気を引くためにとった行為だが、案の定といってもなんだが犬どもはこちらへと走ってくる。

犬は基本的に動く物に反応するようだが、全ての犬がこちらへ向かってくるわけではなかった。

 

「おい!!!そっちの方向はーー!!!!!」

 

犬どもの数匹はこちらへ向かって来ず、別の方角へと走り始めたのだ。その犬が向かう方向は、村の方角であった。

自分の予想とは違う動きをしたため、想定より早い段階で死に戻りのことを公表せざるを得なくなってしまったのだ。

 

「くそー!!!なんで村のほう行くんだよ!村に人間がいるって知ってんのか!!!!」

 

アニメでも村のみんなを襲いに行くと言うのは知っている。

ミルド、リュカ、メイーナ、カイン、ダイン、そしてペトラ。

原作通りに行くとなると村の子供達があの子犬に噛まれ、呪いをかけらたあとか。

と言うことは、村の子供以外にも呪いをかけて全滅させようってのか!

こんな話、原作になかったはずだぞ!

だけど今はそんなこと言ってる暇なんてねぇんだ!

 

「おい犬野郎どもよく聞け!!!!俺は、死に戻り------くっ!!!!」

 

俺は犬どもに向かって死に戻りの事を公表しようとした。

すると、また心臓を握られているような感覚が、俺を襲う。

だが、2度目の体験なので、1回目よりは辛くはなかった。

 

「はぁ、はぁ、はぁ...よう犬野郎どもよ...お前らが大好きな魔女の匂いだよ!!!!!!」

 

グルゥァァァァァァァ!!!!!

 

死に戻りのを公表したと共に俺の体からは魔女の匂いが発されたのであろう。村の方へと向かおうとしていた犬どもも全てがこちらへ向き、吠えながらへ襲いかかってくる。

 

「未だパック!!!!やっちまえ!!!!」

 

俺はそれと同時にパックにぶっ飛ばしてほしい言う思いを込めて声をかける。

 

「オッケー!!行くよーーー!!!!」

 

その言葉に応じるようにパックが返事をした。

 

アル・ヒューマ!!!!

 

その言葉と同時に、パックの周りからは犬どもと同じぐらいの大きな氷の結晶が無数に発生し、その結晶が犬どもへ突撃していく。

 

「キャイン!!!!」

 

その氷の結晶が犬どもの体を貫いた。

貫かれた犬どもは力なく倒れ込む。

 

「アオイ、大丈夫?怪我とかしてないかい?」

 

パックが俺を気にかけてくれている。

 

「ああ、なんとか大丈夫だ...治癒魔法をかけるから...って、あぁ、今は魂が違うから魔法も使えないんだったな...」

 

エミリアは治癒魔法が使えたはずだ。だから、自分にも使えるのではないかと思ったが、今の俺はエミリアの魂ではないのでエミリアと同じ魔法は使えないのだ。

それを知って俺は酷く落胆していた。

 

「そのために僕がいるんだ。今の君に力はない。だけど、僕が起きている限り必ず守ってあげるよ。」

 

「ありがとうパック...すごく頼りになる...。」

 

パックが俺を庇うようにしてフォローをしてくれた。

本来ならばパックが偉そうにするな!と言うところだったが、今の自分には力がない。襲われてしまったらなす術なくやられてしまう。

だがパックは大精霊。大体の魔物には負けることはないだろう。

それがいまの俺にはすごく頼りになる存在だったのだ。

だが弱点と言えば、疲れて寝てしまうことだろうか。

 

「とにかくだ!この犬達は僕が一掃したから大丈夫だけど、これから奥に進むわけだから、また同じ奴らが出るかもしれない!その時も僕に任せてね!魔法でどんどん倒しちゃうから!」

 

「わかった!頼りになるぜパック!」

 

これは本当に本心だ。今に自分に力がないから今はパックに頼りきりになってしまう。

 

「当たり前だよ!僕を誰だと思っているんだ!大精霊様パック様だからね!!」

 

パックが偉そうな態度をとる。でもそんな所も可愛いところではあるんだが。

 

「こっからは魔物の数も増えるだろうし、さらに空気感も悪化してくると思う!心して行こう!」

 

「わかった!待ってろスバル......レム!!!!!!!」

 

そして俺達はスバルの居場所を探すべく、さらに森の奥へと進むのであった...。

 

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