Re:ゼロから始めるエミリア生活 作:YAYOI@小説書き始めました
「初めまして。私の可愛い天使...」
オギャァァァァァ‼︎‼︎オギャァァァァァ‼︎‼︎
2002年、10月25日。
俺は、田舎の小さな産婦人科で産声を上げた。
親曰く、俺は小さい時は何でもかんでも自分でしようとして失敗したりするドジな面もあれば、悪いことがあったり、間違ったことを言っている奴に対して正当な答えを突きつけるような、正義のヒーローとも見て取れるような行動をとっていた。
親には自分がどう映っていたかは俺にはわからない。
でも、少なくとも悪ガキなどとは思われていなかったはずだ。
そんな俺だったが、小学生に上がる時には、そのヒーロー行動に対する情熱は更に勢いを増していた。
自分の意識がはっきり言えるようになっていたのが1番の理由だろう。
その為、小学校の時は悪いことをしようとしている同級生や、悪口を言っている同級生を見つけたら、注意をすることを躊躇わなかった。
クラスの先生やいろんな先生から、「すごくいい子だねー!」と言われ続けていた。
俺は、この状況が特別嫌いというわけではない。
曲がった思想を持っている人が大嫌いだったからだ。
曲がった思想や悪口だったりを持ったり言っている人を見たりすると、許さないという意識が強く働くのだ。
いわば“正義感”が人一倍強かった。
そんな正義感の強い冬木葵が12歳になった頃、クラスに転校生がやってきた。
「今日からこのクラスの仲間になることになりました、白鳥飛鳥です!よろしくお願いします!」ペコリ
名前は白鳥飛鳥。
名前がすごい名前だなと思った人も多いだろう。だが、その名前にも恥じぬ綺麗な容姿をしていた。
すらっとした長い手足、透き通るような白い肌、綺麗に輝く白い髪の毛、天使なような声。
全てにおいて綺麗。
その一言しか思いつかない程に、その子は綺麗だった。
「じゃあ席は...おっ、ちょうど冬木の隣が空いてるな。冬木、隣に座ってもらっても大丈夫か?」
「大丈夫っす!!むしろお願いします!!」
「そ、そうか...」
あ、やべっ、心の言葉、思いっきり漏れてた。
この時から俺の性癖は変だったんだな。
ただやはり天使のような綺麗な子が同級生になったら、誰だってこんな反応になってしまうと思う。そうだろう?
そして彼女「白鳥飛鳥」がこちらに歩いてくる。
「隣の席、いい?」
「うん、大丈夫だよ!」
「ありがとっ!君って冬木くんっていうんだよね?私は白鳥飛鳥だよ!よろしくねっ!」
「うん、冬木葵だよ、よろしくね白鳥さん!」
隣の席に座る彼女を見て癒されていた。後にあんな悲劇が起きるなんて思いも知らず...。
「よーし、出席とるぞー!」
▼▼▼▼
休憩時間になると、白鳥さんは周りから好奇の目で見られていた。
女子からは、肌の綺麗さや見た目が綺麗という点で、質問攻め受けており、男子からは、その綺麗な髪の毛や、その美しさに魅かれたらしく、同じく質問攻めを受けていた。
当然、良い目線を送っていている奴らだけじゃなく、悪口を言ってい物たちも少なからずいた。
あ
「新しい転校生の髪の毛、みんな綺麗綺麗って言ってるけどさー、ただ単に白いだけじゃん?あんなのただのババアと一緒じゃん?なんであんなに綺麗だー綺麗だーとかいうんだろうな?ははははwwww」
「(おいおい、今彼女の髪の毛を白髪とかババアとか言ったな?お前らは彼女の価値を理解してない...)」
心の中で悪口を言った奴らに怒りを隠せなかったが、ここでキレても何も変わらないだろう。
煮え繰り返った腸を押さえ込むように、怒りを静めた。
彼女にだけはこの事実を伝えたほうがいいだろうな。
面と向かって言われてショックを受ける前に伝えておかないと。
「白鳥さん、ちょっとこっちにきてくれて良い?」
質問攻めを受けている所に割り込み、白鳥さんに呼びかける。
だが、白鳥さんの表情は強張っていた。
先ほどの悪口が全て聞こえていたんだろう...
否、聞こえるようにあいつらが話をしていたというのだろうか。
俺が話しかけると、強張っていた表情が少し和らいだような気がする。
「どうしたの?冬木くん。」
白鳥さんが返事をしてくれたが、少し違和感のある表情をしていた。
さっきのを引きずっているのか。
「白鳥さん、ちょっと大事な話があるんだけど、ちょっとこっちきてくれる?」
「大事な話ー?わかった!」
白鳥さんは無邪気な笑顔をする。
その無邪気な笑顔が、無理をしているという事を強調しているように思えたのだ。
▼▼▼▼
俺は、白鳥さんを誰もいない学校の裏庭に連れて行った。
「白鳥さん、こんな場所に連れてきてごめんね。」
「いいよ、別に!だって大事な話なんでしょ?」
純真無垢な反応に思わずクラリと来てしまったが、そんな暇はない。
「実は、言わなきゃいけないことがあるんだけど...」
意を決して、彼女に伝えることにした。
だが、次の言葉で、俺の考えは真っ新になった。
「いいよ、知ってる。悪口の事でしょ?」
「な、なんでその事を知ってるの...?」
「そりゃあんな大きい声で言われたら、嫌でも聞こえるよ。」
「そ、それなら尚更!!!!」
「いいよ、転校する前の学校でも同じように言われてきたから、もう慣れてる。」
返す言葉がなかった。
俺は、転校してきた理由がそんな事とは知らなかったし、俺の正義感が働いて当然助けたいと思う。
でも、助けるだけが正義じゃない、見守ってあげるのも正義だと気付いたんだ。
「わかった、白鳥さんがそこまで言うなら深くは聞かないし、話したい時に話してくれればいいよ。
でも、何かあったら頼って。
力になれるかはわからないけど...。」
「うん、葵くん、ありがとう...。頼りにしてるねっ!」
その時の笑顔は、さっきの笑顔とは違ったものだった。
さっきの笑顔は、無理をしていて気を遣っている笑顔っていうというイメージだったが、今の笑顔は心の底から嬉しいと思っている笑顔、そんな風に見えたのだ。
だが、これだけで終わりではなかったのだった...。