ショタ転生!小人族に転生しちゃった日本人の話   作:アカヤシ

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第2話

エルネスティ・エチェバルリア、冒険者歴9年、Lv.6。

Lv.2到達日数『6か月』、世界最速記録を持つ小人族。

単独迷宮探索を行い、中層の代表格『ミノタウロス』を中心にひたすらモンスターを狩り続け、17階層の階層主『ゴライアス』を単独撃破を成す。

 

闇派閥(イヴィルス)により召喚された全世界の悲願、三大冒険者依頼の一つ『陸の王者(ベヒーモス)』に酷似したモンスター『陸皇亀(ベヘモス)』の撃破。その三大冒険者討伐依頼モンスターに次ぐと謂われ、古代に封印されていたモンスター『女皇殻獣(クイーンシェルケース』『飛竜戦艦(ビィーヴィル)』を撃破。

 

エルネスティ・エチェバルリア自身の魔法やスキルを模倣して作り上げた『魔導演算機(マギウスエンジン)』『魔力転換炉(エーテルリアクタ)』『結晶筋肉(クリスタルティシュー)』『火器管制システム(ファイヤーコントロールシステム)』『幻晶甲冑(シルエットギア)』『紋章式認証機構(パターンアイデンティフィケータ)』『魔力剣(マジックソード)』『魔力銃(マジックライフル』とした数々の魔導具を開発。

 

冒険者としてだけでなく魔導具技師としても超一流と謡われる【銀鳳】エルネスティ・エチェバルリア。

 

迷宮都市オラリオ内外で【勇者】フィン・ディムナと同等の超有名な小人族が僕、ベル・クラネルの前に現れ、そして僕の運命を大きく変えることになる。

 

「畜生、畜生、畜生っ!」

 

ベル・クラネルは涙を流しながら走る。酒場での出来事が何度も頭を過ぎる。笑い種に使われ侮蔑され失笑された自分を、初めて消し去ってしまいたいと思った。

 

「悔しい、悔しい、悔しいっ!」

 

「もしも~し、兎君?あれ?聞こえてないのかな?もしも~し?」

 

青年の言を肯定してしまう自分が悔しい。何も言い返すことができず逃げるように店を出た無力な自分が悔しい。彼女にとって路傍の石に過ぎない滑稽な自分が悔しい。

 

「前っ!前見て!モンスターが来てますよ!」

 

彼女の隣に立つ資格を、欠片も所持してない自分が、堪らなく悔しい。

 

「だから前見てっ!兎君!」

 

可愛らしい声が耳に入ってきてようやく気付いた。全力で走る僕の真横を息を切らせず汗も流さず余裕で追走していた僕より年下に見える『少女』と僕の前方には6階層出現モンスター『ウォーシャドウ』3体に後方には『フロッグ・シューター』が10体以上がこちらに向かってきていた。

 

「僕が引き付けるから君は逃げて!」

 

「・・・?それって僕に言っているんですか?」

 

僕っ子!じゃなかった!

 

首をかしげるだけの仕草もいちいち可愛らしい女の子。いつから追走していたかはわからないけど、僕が泣き喚きながら走って騒いだせいでモンスターが群がってしまった。巻き込んでしまった彼女だけでも逃がさないと。

後方の巨大な単眼を持った蛙型のモンスター、フロッグ・シューターだけならなんとかできたかもしれない。しかし前方にいる全身が黒いペンキで塗り固めたかのような、一言で言い表すなら影が浮かび上がったような異形のモンスター『ウォーシャドウ』は純粋な戦闘能力は6階層でも随一と言ってもいい。

 

『馬鹿か僕は!5階層で死にかけたくせに未到達である6階層まで来るなんて!」

 

自分の担当アドバイザーのハーフエルフから教わっていた筈だ。警告されてた筈だ。

 

『駆け出し程度の【ステイタス】では、この階層のモンスターには通用しないって!』

 

ベル・クラネルの装備は防具の一つも纏っていないただの私服姿。腰にある護身用の短刀一本。隣にいる少女は

白色のノースリーブパーカーに黒色短パン、指の部分が露出した黒色の革製のガントレット・グローブ、黒色の革製のオーバーニーブーツ姿。防具らしい防具は纏っておらず武器すら持っていないようだ。

彼女が何の目的でそのような格好でダンジョンに潜っているのか?何故僕を追ってきたかはわからないけど!

 

「早く逃げろ!ここは僕に任せて!」

 

奮い立てベル・クラネル!奇しくも憧れていたシュチュエーションだろ!モンスターに襲われる美少女をクールに助ける格好の良い自分。違うのはベル自身の実力が伴っておらず格好悪く内心怯えて震えている事。

 

「あ~、そういうことですか。冒険者になりたての頃に僕を女の子と間違って庇う人や良い所を見せようとはりきる人いましたね。まあ、僕が男だと知っても告白してくる人や神はいまだにいますけどね」

 

「え?今何て言ったの?」

 

「え?僕、男ですけど」

 

ベル・クラネルの時が一瞬止まった。

 

お、おじいちゃん、僕、心折れそうです・・・

 

「今は目の前に集中しなさい!兎君、来ますよ!」

 

ウォーシャドウからの一言も発さずに放たれる致命傷級の難撃を無様に地面に転がりながら辛うじて回避するベル。鉤爪状に折り曲げられた三枚の黒刃の爪がベル・クラネルに前から横から殺到する。ベル体勢起き上がり様に独楽のように体を回転しながら短刀を振るい黒刃の爪を短刀の損傷と身体に傷を負いながらもなんとか凌ぐ。

ベル・クラネルは直ぐ様少女、改め少年の無事を確かめる。

 

「あ、後ろのフロッグ・シューターは片付けておきましたよ」

 

え?僕がウォーシャドウに襲われていたほんの数瞬の内に10体以上いたフロッグ・シューターを全滅させた。その証拠に少年の前には単眼の蛙は1体もおらず灰の山と小さな魔石が転がっているだけ。

 

おじいちゃん、僕、心が砕けそうです・・・

 

少年を少女と間違えるし、自分より年下に見える少年は実は自分など及ばない実力者であり、見た目で侮り自分が無様を晒している間に少年は自分自身で片付けてしまった。

 

『このままこの人に助けられたら、僕は、僕は!』

 

「じゃあ、ウォーシャドウは任せましたよ」

 

「え?」

 

まさかの丸投げ!いや、確かに僕はこのままじゃ、助けられたら二度と立ち上がれないと諦めかけましたけど!

 

「心配いりませんよ、回復薬は沢山持ってますから安心してください!あ、勿論回復薬の代金はいりませんから遠慮なく言ってくださいね」

 

Σ(Д゚;/)/!!もう完全に観戦モードに入ってる!

 

少年は膝を抱いて地面に座り込んでしまった。

 

『いちいち可愛いなあ畜生!!!本当に男なんですか貴方は!!!じゃなかった今は目の前の敵に集中しなきゃ!』

 

「大丈夫ですよ」

 

「え?」

 

「貴方ならウォーシャドウの3体くらいなら倒せます」

 

何で、僕の事を何も知らないくせに、この人は、僕がウォーシャドウに勝てるのが当たり前だと言わんばかりに自信に満ちた眼差しを向けてくるでしか?武器の短刀はさきほどの黒刃の爪の数撃受けただけで折れてしまいそうになってるのに。迫ってくる死の恐怖に押し潰されそうになり身体が震える僕なんかを。

 

「信じていますよ、頑張れ兎君。男なら格好つけなきゃ格好悪いですもんね。【剣姫】と添い遂げたいなら、大切な誰かの笑顔を曇らせたくないのなら」

 

僕はウォーシャドウにギリギリで勝利した。僕は気付くと最初に見たのは見慣れた天井、【ヘスティア・ファミリア】本拠地である教会の地下にある部屋、ベッドの上だった。枕元には『ウォーシャドウの指刃』と複数の魔石。ベルに被さるように彼の主神が寝ていた。泣きすぎたのか目の周りが赤くなって腫れていた。

 

「心配かけちゃったな・・・そういえばあの人は、」

 

間違いなく自分を本拠地まで運んでくれたのはあの可愛いらしい外見の少年のはず。せめてお礼だけは言っておきたかったな。

 

「あ、ベル君起きましたか?パンとご飯、両方用意しましたけどどちらを食べます?」

 

そこには可愛い柄のエプロンを纏った少年がフライパンとフライ返しを持って部屋に入ってきた。

 

畜生おおおおおおおお!!!いちいち可愛い人だな!!!狙ってんの!それ狙ってんの!男に狼狽える僕の姿を笑い者にしたいの!

 

「ん、ベル君!目が覚めたんだね!」

 

神様!胸っ!神様の大きな膨らみが!何この人達!狙ってんの!そんなに動揺する僕を見て楽しみたいの!

 

「ヘスティア様も朝食できましたよ」

 

「ありがとうエル君!泣き疲れてお腹ペコペコだよ!」

 

「あははは、沢山用意しましたから」

 

なんか既に仲が良い気がするんですけど!

 

「ベル君、運ばれて3日間も目が覚めなくて心配したんだからね!」

 

え?神様?今さらっと言ったけど3日間も寝込んでたんですか!

 

「ああ、そっかベル君は知らないんだっけ?彼はエルネスティ・エチェバルリア君だ。元【ロキ・ファミリア】の団員で、今は、なんと!僕達のファミリアの一員になったんだ!」

 

ん?今、神様とんでもない爆弾発言しませんでした?

 

「やったねベル君、2人目の団員だよ!」

 

いや、そこじゃねえですよ神様!エルネスティ・エチェバルリアって、あの【銀鳳】?Lv.6の?【天空を統べる者】【竜狩人】など様々な名で呼ばれる雑じり気がない正真正銘の本物の英雄。

 

「しかもランクアップしてLv.7だ!ロキの悔しがる顔は爽快だったよ!あ、エル君は副団長に任命したからベル君もファミリア団長として一緒に頑張ってね!」

 

・・・おじいちゃん、僕、冒険者やっていけるかな?

 

「エル君、ベル君、頑張っていくぞ!」

 

「おー!」

 

「ほら、ベル君も一緒に!おー!」

 

「「おーー!」」

 

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