投稿頻度は遅いです
「エリナ様。朝ですよー?起きてくださーい」
「あとすこし…」
だってまだ眠たい。昨日は勉強頑張ったんだし、少しくらい…
「朝ごはん、できてますよー?冷めちゃいますよー?」
「ねむたいぃ…」
毛布を顔まで引き上げる。こうなれば徹底抗戦だ。
「はぁ…。起きなさーい!!!」
「はい!起きます!」
気がつけばベッドから飛び起きて気をつけの姿勢をしていた。これが条件反射ってやつかな。そんなことより不味い。まだピントが合わないから顔はよく見えないけど絶対怒ってる。このままだと朝から説教コースだ。えっと、何か言わないと…。
「お、おはよう、リーン。今日はいい天」
「そこに直りなさい」
ダメでした。
それから1時間ほどみっちりとリーンから説教をされた。
王家の一員としての〜とか賢者の娘の自覚〜とか。そんな内容。
途中でご飯が冷めちゃうから本末転倒だとか言うんじゃなかった。
半分くらいはあれが原因で説教が伸びた気がする。
ちなみに説教の途中何人かのメイドが様子を見に来たんだけど、誰も助けてくれなかった。約1時間もの間、王女がメイドの前に正座して説教を受けているという謎の光景が広がっていたんだけど、様子を見に来た人が皆納得したような目をして無言で退室していった。なんで。」
「いつもの事だからですよ。エリナ様。あと、途中から全部声に出てます。」
「うそぉ!?どこから!?」
「1時間もの〜の辺りからでしょうか。説教が嫌なら初めに起こした時にちゃんと起きてください」
そう言ってリーンは少し困ったように笑う。私も釣られる。そんないつも通りの平和な朝。今日の朝ご飯はなんだろう。
―Aa―aaA――
…今のはなんだろう。森の方から聞こえたような?
「エリナ様?どうかしましたか?」
「何か聞こえない?音というか声というか…そんなの」
「いえ、特に何も…。どのようなものですか?」
「…ううん!なんでもない!それより、早く行こ?お腹すいちゃった!」
リーンには聞こえてないみたいだし、きっと空耳か何かだよね。
―aaAA―A―
…今日何回目だろう。この音を聞くの。周りの人に聞いても変な顔をされるばかりだし、よくわかんない。わかんないけど…、なんだか悲しい。何度もこの音…いや声?を聞いているうちにそう思った。まるで産まれたばかりの赤ちゃんが、何もわからずに泣いているような…そんな感じの声なんだ。森に行こう。確かめに。誰かを行かせるのでは無く私が。私にしか聞こえていないのなら、きっと私が呼ばれてる。そうと決まれば城から抜け出さないと。確か梯子は倉庫の
「また外に行かれるのですかエリナ様?」
「リ、リーン?」
後ろを振り向くと、そこにはリーンがいた。しまった。お母さんとお父さんを除けばリーンは1番付き合いが長い。なんせリーンは私のお世話係。私が物心着く前から私のことを知ってる。だからきっと私の考えていることはある程度分かるんだ。それに過去に外に行こうとしたら何故か現われて、何度も部屋に連れ戻された。上手く誤魔化さないと今回も…
「いいや、外になんて行かないよ?ちょっと大工さんに梯子を持ってきてって頼まれて…」
「今日は工事の予定は入っていません」
「…外に出ようとしました」
ダメでした。でも今回は大人しく帰る訳にはいかない。魔法を使ってでも…
「いえ、今回は止めるつもりはありませんよ?」
…今なんて言った?
「ですから、止めるつもりはありません。そもそもエリナ様この国でも相当な実力者じゃないですか。1人で森に行っても怪我なんてしないでしょうし」
じゃあ、なんで今までは―
「そもそも王家の者が1人で森を出歩くなど言語道断です。ですが、今日のエリナ様はいつもと違うように感じました。ただの興味ではなく、誰かの為に動いている。そう見えます。ならば、私は止めません。」
びっくりした。そんなに私のことを見てくれていたんだ。不意に、目尻に涙が滲んだ。
「日が暮れるまでには帰ってくること。怪我をしないこと。危ないと思ったら直ぐに帰ってくること。あなたが傷ついたら悲しむ人がどれだけいるか、それを決して忘れないようにしなさい。これが守れるなら、行ってきなさい」
リーンは真剣な顔をしていた。真剣に、私を送り出してくれた。なら私もそれに答えなきゃ。涙を拭い、気合いを入れ直す。
「はい、行ってきます、リーン」
リーンに背を向けて、走り出す。足に魔法を纏わせて、城壁を飛び越える。目指すは森。私たちの国を取り囲む、
―aa―aA―
謎の声が響く。だんだん大きくなってるから近づいてると思うけど…。もうすぐ森を抜けちゃう。森の外にいたら、私は手出しできない。お願い。どうか森の中に居て…!
「aA―a…?」
見つけた!あれは…
…いや、あの子は多分
「あ、あのー…君?僕?どうしたのかな、こんなとこで」
きょとんとした目で見つめ返してきた。うん、これただの子供だ。警戒する必要なし。近づいてみよう。
「どこから来たか分かる?お家は?お父さんやお母さんは…ッ!?」
酷い怪我、それも転んだり獣に襲われたりしたような傷じゃない。もっと明確な悪意のこもった、子供の身には重すぎる傷。なんでそんな傷を抱えて平然と過ごせるのか分からない。治療するにも、私はその手の魔法は苦手だ。気休めにもならない。何も…出来ないっ。
そんな私の頬を、柔らかく暖かな何かが撫ぜた。
「え…?」
びっくりした。知らないうちにまた涙を流してしまったことと、頬を撫ぜたものがあの子の手だったことに。顔を上げると、そこには混乱しているのか、視線をあちこち動かしながら。そして痛みからか、少し引きつった笑顔を浮かべているあの子がいた。…私は何を迷っていたんだろう。この子を国に入れていいのかなんて。大丈夫に決まってる。こんなに優しい子が、悪い子な訳が無い。こんなに優しい子が、こんな目にあっていいはずがない。この子はもっと幸せになるべきだ。掟なんて知るか。そんなもの私がぶっ壊してやる。
「決めた。君を私の国へ連れていく。私の国で、あなたの傷を治す。…大丈夫、安心して。君は私が守るから」
続くかも