青空めざせ!   作:みのるん

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第1話 目標設定

"夢はありますか?"

 

と、聞かれると

だいたいみんなこう返す。

 

"◯◯になりたい!"

 

ちなみに、◯◯には"サッカー選手"とか"ケーキ屋さん"などが入る。

 

###の場合、

 

"お空を飛びたい"

 

となる。

 

 

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

 

白い建物でできた街は、太陽の光で眩しくなって輝く。白い街は大きく、その特徴によって観光客がたくさん来る。山と海に囲まれた自然豊かなこの街の外れでカイリは生まれた。

カイリの家族は母親だけで、病弱な母親のためにカイリは山の端っこにある鉱山でクズ拾いをしてお金を稼いでいる。といっても、生活補助金がしっかり払われている良い街なので、平日は学校に行き、クズ拾いは週末しかやらなかった。

 

そんなカイリには前世の記憶があった。

このことを自覚したのは物心ついた頃、3歳の時である。カイリの前世はこれといって特色はない。親がいて、兄妹がいて、友達もいて、勉強もできた。カイリは前世では日本人で、生活に苦労することがなかったことを覚えていた。思い出した時には寂しい気持ちが込み上げて号泣したが、年をとるにつれて割りきった。

 

ちなみに、自分が転生した世界がHUNTER×HUNTERの世界であるということも理解した。ハンターなる職業の試験を周知させるチラシを見たのと、ラジオでハンターについての言及があったからだ。

 

 

そんなカイリ、女子児童9歳は今日も元気に街を走り回り、野山を駆け抜け、海へと漁の手伝いに行っていた。

 

 

###

 

 

───最も効果的な訓練は実地の訓練である。

 

カイリは前世で愛読した児童小説でそう学んだ。

 

これはつまり、実地訓練をする(遊び回る)ことは良いってことだ。山海街が揃った環境で初心に還ってはしゃぎ回る口実にしたわけではない。

 

HUNTER×HUNTERの世界について、カイリはこう考える。

 

念能力にはロマンがある。前世で憧れた中二病的なあれやこれが現実になることは大変嬉しいことだ。

しかし(But)、カイリは己が飽き性であることを十全に理解していた。前世で尊敬していた兄貴───6つ年上だ───は一点集中型だが、己は広く浅くやるのが得意だった。どちらにしろ要領が悪かったが。

何が言いたいか。つまり、ガキの頃から念能力に専念するのが嫌だったのである。絶対に長く続かない。カイリは確信していた。百歩譲って瞑想は良くても、水見式なんてやりたくない、というのが本音だった。

 

なぜなら。絶対にイタいやつになる。コップに水を注いで葉っぱを乗せて、それに手を置いて全身に力を入れて力む。

例え自分の家に鍵を掛けて窓を閉めきったところでカイリはやるつもりはなかった。

そもそも、ハンター試験を無事に突破できれば安価でプロのハンターから念能力の教えを受けられることが確定しているのに、わざわざ我流で念を学ぶつもりは毛頭なかったのだ。

そのため、念能力については寺か教会に通って瞑想するに留めることにした。

 

そして、カイリは念能力だけに人生を注ぐつもりは全くない。せっかく生まれ直した人生をカイリは全力で楽しみたかった。

───勉強の他にも何かしたい!!

というのがカイリの本音である。前世は本当に勉強しかしてこなかったと自負していた。それについて後悔なんてないし、十分に親孝行できたと考えているため未練はないが、やっぱり友達とはしゃぎ回りたいのも事実だったのだ。

 

そのため、カイリは今世、実地訓練と称して友達と遊び回ることにした。

 

実際、これは効果的だったんだろう、とカイリは考える。鬼ごっこで街を駆けずり回り、時にはパルクールなる技術でもって逃げおおせたこともある。

山で遊ぶ時は大体皆木に登り、飛び移ったり飛び降りたりとアクロバティックな運動が多い。雨が降った翌日の地面がぬかるんだ山なんかは走るのが本当にキツかった。

海では早朝、漁の手伝いに行くことでお小遣いを貰える。友達はほとんど来ないが、網をかけて魚を引っ張るのも、荒れ狂う海でギャーギャー言いながら船に乗っているのも全て楽しかったから気にならなかった。

 

つまり、遊び回るのは大変訓練になるということをカイリは理解した。子どもの体力は無限大だった。遊ぶたびに体力が増える気がする。

子ども時代がとても充実した時間になったことをカイリは確信していた。

 

 

また、前述の通り、カイリは念能力を学ぶためにハンター試験を受けることを決めていた。ちなみに、受ける年は主人公が受けるはずの年である。

クルタ族虐殺がニュースに流れていたことから、恐らく主人公一行に年が近い。だから、主人公が受ける予定のハンター試験に挑むのは安全面において最も有効だろう。内容を理解している分、動きやすいからだ。

主人公さんが一体第何期に試験を受けるのかは覚えていないが、クルタ族虐殺から4年後にクラピカさんが試験を受けることは覚えていた。

カイリは全力で受かるつもりだった。なんなら、最終試験のバトルではキルアさんの失格を狙って戦わずして合格することだって可能である。カイリは避けられる戦いは避ける主義だった。

 

それに。と

カイリは考える。

 

ハンターというのは儲かる。それはもう、とてつもなく儲かるらしい。どんなハンターになるにせよ、金を稼げる職業に変わりないのでカイリはハンターを目指すことを即決した。大往生するつもりだから、晩年にハンターライセンスを売ってもいいとも思っていた。人生を7回も遊ぶつもりはないため、どこかしらに募金することは考えていたが。

 

 

そんなわけで、カイリは楽しい人生のため、ひいては前世で絶対に叶えられなかった夢の実現に向けてハンター試験に挑むことにした。

念ならできる。絶対にできる。

ある種、全幅の信頼をカイリは念に向けていた。

なぜなら、カイリは本当に憧れていたのである。

 

───絶対、空を飛ぶぞ!!

 

空を飛ぶことに。

自由にフワフワ、ドラ◯もんやドラゴ◯ボールなどのアニメのように、カイリは空を飛びたくて仕方がなかったのだ。

 

 

 

 

 




あとがき
第1話 完

はじめて投稿するのでつまらなかったらごめんなさい。
投稿は不定期になるかもしれません。

そもそもハーメルンの小説機能が不馴れなので間違いや違和感あったらごめんなさい。見つけ次第修正します。

主人公:カイリ 女 9歳
性格:楽観的
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