ロクアカ集団コラボ企画!『( ˘ω˘)スヤァ』   作:エクソダス

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2話

「シュウ君、どう?」

 

「うー……。ダメっぽい?」

 

 

 この食堂にも場所にセリカの被害者が二人。一人はシュウと呼ばれた赤髪の10代くらいの女顔の男の子だ。

 なにかしているようだが……。

 

 

「次元がゆがみ過ぎてて操作しずらすぎ。エルザ、何か手掛かりあった?」

 

「んー、特には…話にあった()()も見つかってないし」

 

 

 シュウにエルザと呼ばれた女性は20代くらいで、緩く波打つ亜麻色の髪に眼鏡をかけていて、どこか落ち着きのある女性だ。

 

 

「全くもう、何が『孫に会いたいんじゃ~』だよ……」

 

「あ、あははは………シュウくん珍しく怒ってるね」

 

「当たり前」

 

 

 シュウはその場に胡坐をかいて座る。

 少しいらだっているシュウに、エルザは苦笑いを浮かべた。

 

 

「私と二人っきりはいや?」

 

「え?……あ…」

 

 

 男女が二人きりという事にようやく気付いたのか、シュウの顔が少し赤くなる。

 

 

「…ぅ……」

 

「あぁもう!私の嫁が可愛すぎてつらい」

 

 

 そう言いながら、エルザはシュウを抱きしめた。

 

 

「こ、こら!抱き着かない──ん?」

 

 

 刹那──。

 シュウは突如、紫色の剣を手に取り、遠くへ投げる。

 

 

 

 がっ!!

 

 直撃したのは、そこにいた未知の生物。見た目は蛇のようだが、明らかに蛇とは違うオーラだ。

 

 

「……休ませてくれないか。エルザ。いくよ!」

 

「うん!」

 

 

 ふたりは、未知の敵に駆け出して行った。

 

 

 

 

────

──

 

「ちゃんと向き合う事が出来たからね。天井代でタルトは差し引きだよ。グレン先生」

 

 

 壊したのは我が愛しのフィールなのだが…、まぁ先生が肩代わりするのは当然か、エルレイも苦笑いするだけで助けようとしてないし。

 あ、申し遅れた。天の声(セリカ)です♡

 

「って、ウマっ……」

 

  

 エルレイのその言葉を聞き、エルソーは えへんっとどや顔している。

 エルレイは、イチゴタルトの感想を言ってから、コホンと咳払いをした。

 

 

「一旦話を整理し──」

「いや待て!たかがタルト1個で天井代賄えるか!くそぅ…また減給じゃねえか……不幸だ」

「…………」

 

 

 エルレイ の いかり が 1 ふえた 。

 

 エルレイの言葉を遮り、タルトを受け取りつつ、グレンは膝をついて血の涙を流した。

 我が愛弟子よ、嘆いても幻想殺し(イマジンブレイカー)は手に入らんぞ?

 む、作品が違うか。

 

 

「冗談ですよ。はい」

 

 

 フィールはイチゴタルトを切り分け、グレンに渡した。

 さすが!!

 

 

「いや、もうタルトはいいよ。それより、お前、ナニモン?」

 

 

 学院の服を着ているフィールが気になったのか、グレンは名前を聞いた。

 あ、そういえばフィールは名乗ってなかったな。

 

 

「えっと……その、私はフィール。フィール=ウォルフォレンです。帝国宮廷魔導士団執行官No.0 《愚者》として存在してます。グレン先生の跡継ぎみたいなものです」

 

「帝国宮廷魔導士団特務分室の《愚者》……?!イヴ姉からは後釜は入ってないって聞いたけど」

 

「…………」

 

 そのフィールの言葉に、ユウキは驚愕する。それも無理はない。

 そしてエルレイは事情を知っているのか、どこか俯いた表情で黙り込む。

 

 

「…俺の跡継ぎ?……こんなガキを雇うとか、軍の人手不足も深刻だなオイ」

 

「……グレンの跡継ぎ?そんな人いなかったよ?最近入ったの?」

 

 

 グレンはあきれながら呟き、エルソーはどこか考えこむ。

 

 

「言っておくけど、この子、とっても優秀」

 

 

 エルレイはまるで自分の事かのように、ない胸を張った。

 

 

「まあ、ですよね……なんか雰囲気と言うか持ってるものが違うなって感じはしますよ」

 

 

 ユウキはなんとなくそんな雰囲気を受信していたのか、そんなことを言った。

 イグナイト家の君も相当だと思うがな!

 

「…………」

「………?」

 

 

 グレンはエルレイの体をじっと見ながら一言。

 

 

 

 

「……絶壁だなエルレイ」

 

 

 

 

 エルレイの いかりが 2 ふえた 。

 

 

 女性にそれはないだろグレンよ……。

 

 

「はっ、これだから胸にしか目がいかないものは困る実際問題胸が小さい人のほうが良いことばかりだよ胸が小さいほうが戦うとき邪魔にならないしうつ伏せで寝るのも苦じゃないし何より肩がこる事もないそう胸の小さい事は誇るべき事なのだ決して───」

 

 

 エルレイが、怒り始めてしまったな。草

 

 

「ガキって言わないほうがいいですよ。それにエルレイ先生はまだ()()があるんですよグレン先生」

 

「………」

 

 

 フィールの何気ない言葉が、エルレイの心を傷つけた!

 26歳に希望とか言っちゃあかん。

 

 

 エルレイの いかりが 3 ふえた。

 

 

「それに……」

 

 

 

 刹那─────

 

 

「っ!?」

 

 

 フィールが早撃ち(クイック・ドロウ)の体制になった瞬間、グレンの顔が強張った。

 

 

「ガキで女の子だからって甘く見ない方が身のためですよ」

 

 

 早すぎる。目で追えるものはごく少数だろう。そして、この中でもこの速さに勝てる者がいるかどうか……。

 

 

「多分だけど…エルレイ先生もユウキくんもエルソーくんもグレン先生も私もみんな違う世界……、平行世界といえばいいのかな?そこから呼び寄せられた。私とエルレイ先生はこの現象を知っている」

 

 

 

 さすがフィールちゃんだ!状況整理がはやいぜ!

 それと同時に、エルレイはどや顔で、またない胸をはる。

 

 

「……俺、大きいほうが好きだわ」

 

「………」

 

 

 グレンお前ブレないなぁ!

 エルレイねえねお怒りだぞ?!

 

 

「《《万象に希う・我が腕手に・剛毅なる刃を》」

 

 

 ドンっ───

 

 エルレイが詠唱した後、あたり一帯に紫電が走る。

 そして次の瞬間。エルレイの手にかなり大きな大剣が生成されていた。

 これこそ、エルレイ…リィエルの真骨頂。十字架型の大剣(クロス・クレイモア)である。

 

 

「 ぶ っ 殺 ろ す 」

 

「\(^o^)/」

 

 

 その瞬間、グレンは脇目もふらず逃走。

 

鬼ごっこの始まりである。

 年頃の少年少女たちは、その光景を呆然と見ているしかなかった。

 

 

 

 

─────

──

 

 

そして数十分後。全身傷だらけで、ぼろぼろのグレンと、どこかやり切った表情のエルレイが戻ってきた。

 

 

「不幸だ……」

 

 

 だからそんなこと言ってもレベル0にはならないぞ?愛弟子よ。

 

 

「男はこんなのしかいないの…うんざりだよ…ったく」

 

 

 エルレイは大きくため息をついた。

 

 

「流石にこのグレン先生がヤバ過ぎるだけだとは思いますけどね……。女性の魅力は胸だけじゃないですし…」

 

「ほんと……、いつの世界も…、イヴの弟だけだよ……、私の安らぎ」

 

 

 そう言って、エルレイはユウキに苦笑いを見せる。

 

 

「さて、ギャグの時空で復活してと……」

 

 

 そんな機能ないぞ愛弟子よ?

 そしてそこまでして何が言いたい?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………いい加減現状の把握がしたいのだが?」

 

 

(((((アンタがいうな…)))))

 私を含める、その場にいる全員がそう思った。

 

 

「このやろう…、もう一回ボコってやろうか」

 

「え、エルレイさん落ち着いて……!」

 

 

 エルレイの いかりが 6 ふえた。

 ユウキのヒール発動 3 へった。

 

 

「そういえば、フィール……だっけ?平行世界がどうたらって言ってたけどどういうことなのか教えてもらってもいいか?」

 

 

 ユウキはエルレイを落ち着けながら、フィールに問いかける。

 

……………だが。

 

 

「お、おい。待てユウキ。それ以上言うな」

 

「ちょ、な、なんですか、いきなり……」

 

 

 またグレンという男だ。

 ユウキの肩を組みながら、小声で話し始める。

 

 

「いいか?あのフィールとか言うやつはな、中二病という病を患っているんだ」

 

「はぁ……中二病、ですか」

 

「いきなり平行世界だと言われて、そんな簡単に信じられるか?無理だろ?つまり──」

 

「………」

 

 

 エルレイの ()()が 10 ふえた。

 

 

「………エッちゃん、助けて、憤りで死にそう、イチゴタルトあげるから」

 

 

 エルレイはなんとなくエルソーを膝に乗せ、ため息をついた。

 

 

「…えっ…ありがとう」

 

 

 今までのエルレイの豹変ぶりにずっと固まってたようだ。エルレイの声で我に返った。

 そしていちごタルトを受け取り、さながら小動物のようにハムハムと食べ始めた。

 

 

「Q.E.D証明完了だ」

 

「……はぁ」

 

 ユウキは何言ってるんだこいつ。という顔でグレンを見ていた。

 ちなみにこのセリフ、実際はもっと長いのだが……

小説にまっっっっっっったく関係がないのでほぼカットだ。

 

 

「この人のことは置いておいて……、フィールとエルレイさんが俺たちの置かれているこの状況に心当たりがあるってことで良いかな?」

 

 

 ユウキ君、恐ろしいほどのスルースキルを発揮しております。

 

 

「全く、中二病すら救おうとするとは、お前はなんてやさしいやつなんだ……!どこかの

ヒステリック女とは大違いだな!俺は感動した!」

 

 

 ヒステリックはお前だ愛弟子。

 

 

「グレン先生は薄っすら心が読めるから後でお話しするとして、私とエルレイ先生はこの現象を知ってる」

 

 

 そう、フィールとエルレイはこのようなことに巻き込まれたことがある。

だが前回は手紙で呼び寄せられた。

 その主犯は私と少し関係があるのだが…その話はまた今度にしよう。

 

 

「この場所を調べてみたけど、変な術式があちこちに組み込まれて結界と言うか学院時代が異界化してる。変化無いみたいだけど、グレン先生試しに窓を開けてみて」

 

 

 

 フィールがグレンに指示を出す。しかし学院のドアは開ける事は出来ても『外』に通じる窓は……

 

 

「……ん?窓?……あれ、開かねぇぞ?……なんかの結界で覆われてるのか?ったく、誰だよこんな悪戯した奴」 

 

 

 そう、開かないんだなぁ!!これが!

 

 

「閉じ込められた……か」

 

 

 そうつぶやいたエルレイは、トントンと床をたたき始めた。

 この行動は、エルレイだけがわかる音波を出し、その音波で地形、生物の場所などを特定できる。とても使いやすいものだ。

 

 

「………」

 

 

 もちろん対策済みだがな!!!

 

 

「グレン先生、下がって」

 

 

 フィールに言われて、グレンは窓から離れる。

 右手を窓に向けて、詠唱を始める。窓は手動では開かない。なら、魔術は?

 

 

「《吠えよ炎獅子》!」

 

 

 灼熱の衝撃が窓に激突する。

 しかし、窓は傷一つ付かない。もちろん、この程度で壊れるほど軟ではない。

 壊す方法があるとするならば、0.005秒以内に、全ての魔方陣を解除するくらいかな?

 

 

「あの威力の『ブレイズ・バースト』で傷一つつかない……か。こりゃ、まためんどくさいことになったな」

 

 

 フィールの『ブレイズ・バースト』を見てユウキは呟いた。

 

 

「セリカでも居たら楽勝だったかもな」

 

 

 愚痴るようにグレンが呟く。

 

 こ こ に い る ぞ  !!

 

 まさか主犯だとは思うまい。

 

 

「……とりあえず、こいつを試してみるか」

 

 

 む、グレンが『イクスティンクション・レイ』の触媒を取り出したな。撃つつもりか?

 

 

「待って」

 

 

 それをエルレイが即座に止める。

 

 

「………なんだよエルレイ」

 

「状況が把握できない、何が起こるかわからない。今後のため、消費の多い術は止めたほうが良い」

 

「……へいへい。そうでしたね。ったく、めんどくせぇ」

 

 

 エルレイの言葉に一理あると思ったのか、グレンはおとなしく触媒をしまった。

 エルレイは膝にエルソーを乗せた。 な ん で ?

 

「……ん」

 

 膝に乗せられたエルソーは自然に受け入れて、またイチゴタルトをエルレイに渡した。……な ん で ? ?

 

 

「ありがと、おたべ?」

 

 

 それを受け取り、エルレイは一口食べてからエルソーに返そうと──。

 

ひょい

 

が、直前で上にあげた。

 

 

「ろりかわいい」

 

 

 何を見せられてるんだ私たちは………。

 

 

「とりあえず、フィールが中二病じゃないってわかったという事で……、どうしますか?学院内を探索しますか?」

 

 

 ユウキ君!君すっごいな!まとめようとするとか紳士かよっ!

 

 

「ん、そうだね、そうしよう」

 

 

 エルレイがユウキに賛同する。

 

 

「フィールの中二病の可能性がなくなったわけじゃないが、それが一番だな。さっきはエルレイをまくのに必死でロクに内部の確認してなかったしな」

 

 

 お、わがグレンのエンジンもかかってきたな、よいぞよいぞ。

 

 

「?…学校探索、頑張る」

 

 

 エルソーも気合十分だ。

 

 

「探索には賛成なんですけど。んー、どうしよう。5人で動くか二手に分かれるか…。五人だと手間がかかるし、この異界に長時間居てもどうなるかわからない。けど敵に襲われる可能性もなくはないんだよねぇ……」

 

 

 そんな風に、フィールが考え込んでいると。

 

 

「いや、3つに分かれるぞ。エルレイとエルソー。フィールとユウキ。俺は一人で行く」

 

 

 グレンが突然、そう切り出した。

 

 

「ばか、それはダメ。グレン一人では、戦闘力が著しく空しい」

 

 

 即座にエルレイが反対意見を出す。おそらくグレンが一人というのが我慢ならないんだろう。流石リィエルだ!(実は違います)

 

 

「固まって動くべき、未知の場所で、別行動は止めたほうが良い」

 

「………それに僕の固有魔術はグレンの愚者の世界の影響受けないから、グレンも一緒に行こう?」

 

 

 今、さらっと凄いこと言ったぞエッちゃん。愚者がきかない魔術師てやばくね?

 

 

「………それはお前たちの知っているグレン先生だろ?自分で言うのもあれだが、俺は結構強いほうだぞ。心配すんなって。それにざっと覚えてる範囲じゃ、ここはアルザーノ帝国魔術学院と構造が同じだ。迷うことはねえよ」

 

 

 グレン……立派になったな。(違います、ただフィールとエルレイと共には、面倒なことになりそうなので嫌なだけです)

 

 

 

「わかってる、でもその驕りは命取り、固まって動いたほうが良い。私がみんなを守る」

 

 

 リィエルも………成長したな!(違います、ただグレンが離れると面倒だと知っているだけです)

 

 

「………フィール、グレン先生が何を考えているかみんなに教えてあげて」

 

「エルレイ先生と私と行動すると面倒だからですね。エルレイ先生、standby?」

 

 

 エルレイが大剣をグレンに構える。

 エルレイは犬か。

 

 

「それにこの場所は異界で魔術で最初から形成されてる以上『愚者の世界』も多分殆ど使えませんよ?でもエルレイ先生、この異界なんか凄く嫌な感じだし、分担して早めた方がいい気もします」

 

 

 なるほど、そんな嫌な感じになるのか私の結界。もうちょっと優しくするべきだったかな?

 ところでグレンがメッチャ問い詰められてる表情してるんだが。逆転〇判かな?

 

 

「エルレイ先生とエルソーくんとグレン先生。私とユウキくんで二手に分かれて探索。一応通信魔導具があるからエルレイ先生と私が持ってる。異論はありますか?」

 

 

 フィールが提案を締めくくる。

 

 

「グレン先生、今は面倒だろうと関係ない。命に関わる可能性があるんだから、面倒で逃げるなら怒りますよ?」

 

 

 フィールはそうグレンに言うが…グレンの様子がどこかおかしい。

 

 

「ちょっと待って。やばい」 

 

 

 グレンが何処か、焦ったように言う。

 

 

「俺はフィールの意見には賛成だけど、何かあるんですか?グレン先生」 

 

 

 突然焦りだしたグレンに、ユウキは問いかけた。

 そして出た答えが………………

 

 

 

 

 

 

 

 

「……『愚者のアルカナ』失くしたんだけど」 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……は?」

「はいっ?」

「………はぁ?!」

「…え?」

 

 

 

 その場の全員の思考が一瞬停止する。

 エルレイの いかりが 11 ふえた。

 

 

「えっ、グレン…、ちょ、おま…、ふざけないで?」

 

 

 ピキピキ……と音を立てながら、エルレイは問いかける。

 

 

「いや、さっき、お前が俺の事追いまわしてただろ?その時お前、剣振り回すだけじゃなくて、【フィジカル・ブースト】までして俺のこと切ろうとしたじゃん?その時、咄嗟に【愚者の世界】使ったんだけどその時に……」 

 

 

 

 いちいち懐に戻すのも面倒になったので、適当に放り棄てたという訳か。

 馬鹿なのか???

 これには、ユウキもため息しかでないようだ。

 

 

「だったら、尚更エルレイさんとエルソーに付いて行った方が良いじゃないですか……さっきの追いかけっこで道を知ってるのは二人なんですから、そこを探索するついでに通れば良いんじゃないですか?」  

 

「まあ、そうだね」

 

 

 そう言いながら、エルレイはため息をついた。自分のせいだという罪悪感が、少しだけありそうだが。

 

 

「フィーちゃん、マジで胃薬持ってない?死にそう」

 

 

 それより怒りが勝っているらしい。

 

 

「私が欲しいですよ。とりあえず、グレン先生。コレ貸してあげます」

 

 

 フィールの懐から出されたのはグレンが持つそれと同じ【愚者のアルカナ】だった。キャーフィールちゃんカッコウィウィー。

 

 

「えっ、なんでお前がそんなの持ってるの?ストーカー?」 

 

 

 

 グレンが若干怯えた目でフィールを見る。

 え、なんでそうなんの?!

 

 

「……っ!!」

 

 

 

 フィールが思い切りグレンを殴ろうとしたが、その手を下ろした。

 

 

「いい加減に道化を演じるのは止めろグレン=レーダス。じゃなきゃ、真っ先に消えるのは貴方なんですよ」

 

 

 フィールには、少し酷だったかもな……失敗だったか。

  

 

「落ち着いて、フィーちゃん」

 

 

 エルレイはフィールに近づき、そっとフィールを抱きしめた。

 

 

「あなたの気持ちもわかる、でも落ち着いて…大丈夫…大丈夫…」

 

 

 そう、エルレイには気持ちが痛いほどわかるであろう、何せ自分の兄貴分だ。自分の兄貴分とは思えない発言、少し憤りを感じてもおかしくはない。

 口には出さないが、おそらくエルレイはグレンを警戒している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ふ~ん、それがお前の素か。……やっぱダメだわ」 

 

 

 突如、今までのどこかふざけた態度が一変して。

 

 

「よーし、もう一度メンバー決めするぞー。エルレイ、エルソー、ユウキ、お前らで組んでくれ。俺はフィールと組む」 

 

 

 勝手にメンバーを再編成した。

 

 

「何勝手に……!」

 

 

 

 フィールはグレンの意見に反対しようとする。

 

 

「フィールちゃん。まってくれ」

 

 

 エルレイは、口調が変わり少し落ち着いた表情で聞き返す。

 

 

「なんでそのチームか。聞いてもいいかい?」

 

 

 おそらく、エルレイの中にいるもう一人の人格、剣の姫()()()()()が口をはさんだのであろう。

 

 

「【愚者の世界】がない俺じゃ、誰と組んだって一緒だ。それに、こいつには個別指導が必要らしいしな」 

 

 

 そう言って、グレンはエルレイ(エリエーテ)に答える。

 

 

「ド変態デリカシーなさ男のグレン先生の個別指導とか嫌な予感しかしないんですけど……?」 

 

 

 ユウキがグレンの今までの言動などから考えて、今の言葉に少し引いていた。

 

 

「嫌ですよ。私から断ります。魔術戦で相性最悪なのに、近接重視のエルレイ先生の方に行ってくださいよ」

 

「俺だってどちらかという近接型だぞ?魔術戦に関しても三流の俺じゃ、あいつらに混じったって足手纏いだぞ?」 

 

 

 どれだけ嫌がられても、フィールと一緒に行くと言ってきかないグレン。

 

 だが、その目は至って真剣だった。

 

 

「…………はぁ。フィールちゃん。僕は観念してそのチームにしたほうがいいと思うよ」

 

 

 

 基本的にエルレイは。フィールの味方だ。だがここで、フィールと出会って初めて反論の言葉を口にした。

 

 

フィール「……わかりました」

 

 

 フィールは渋々ながら受け入れる。

 あの状況を落ち着かせるとは、さすが姫と言った所か。

 

 

「…フィール、この人に何かされたらちゃんと言えよ?俺たちがすぐに駆け付けるから!」 

 

 

 ユウキはグレンを指さしてフィールにそう言った。

 ユウキくんまじ紳士 Y M S 。

 

 

「…ところでグレン、二人じゃないとだめなの?」 

 

 

 単純な疑問というようにそう聞くエルソー。

 

 

「……まっ、そういうこった。心配すんな」 

 

 

 ポンッと。エルソーの頭に手を置いて、微笑みながら答えるグレン。

 

 

「…そう」 

 

 

 エルソーはなおもグレンとフィールを心配そうに見るが、それ以上の追及はしなかった。

 

 

「その子の事、頼んだよ。セリカの愛弟子さん」

 

 

 

 エルレイ(エリエーテ)は、やさしく微笑みを浮かべた。すると。

 

 

「───っ!!ひめ。おしゃべりがすぎる」

 

 

 エルレイは先ほどと同じ口調にもどる。

 どうやら人格が戻ったらしい。

  

 

「フィーちゃん。納得できない気持ちもわかるけど。こうなったら、グレンが曲げないのは…貴女だってわかってるよね」

 

「……はい、嫌ってほど。まあ性犯罪者になるつもりなら、女の子にするけど」

 

  フィールが腰に帯刀した魔剣に触れると、グレンは自分の息子を抑えてフィールから離れた。

 

 

 

「ん、頑張ってタルト」

 

 そう言って、エルレイはまたどこからか、イチゴタルトを取り出し、フィールに渡した。

 

 

「お食べ?胃薬搭載型大栄養摂取食 I☆THI☆GO☆TA☆RU☆TO」

 

「そ、そそそ、それれじゃじゃじゃあ、たた探索かか開始ー!」 

 

 

 グレンが震える声で号令をかけ、全員がそれに従い、教室を出た。

 

 さて、面白くなってきたじゃないか。

 

 

 

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