ポケットモンスター。縮めて、ポケモン。
この世界にはポケモンと呼ばれる、ありとあらゆるモンスターが生存している。
そして、ポケモンと人間が共に通う学校、『ポケモン学園』があった。
あ、名前そのまんまじゃねーか、と思った人。
作者である私はネーミングセンスがないんだ。勘弁してくれ。
まぁ、とにかく。
これは、この学園に通う少年少女達の青春の物語である。
◆
saidレッド
「……許さない」
僕は小さく呟くと、勢いよく椅子から立ち上がる。隣で紙パックのジュースを飲んでいたグリーンが驚いたように僕を見る。…実際、どうでもいい。大事なのは僕のヨウカンだ。
僕は黒板の方へ歩いていく。何人かが僕を見るけど、そんなの気にしない。そして、チョークを手に取ると黒板に大きな字で書く。
『僕のヨウカンを盗んだの誰?』
書き終えると、グリーンが呆れたように前に出る。そして、声を張るのが苦手な僕の代わりに叫ぶ。
「おーい、レッドのヨウカン盗んだの誰だ?レッドの食べ物盗むなんて良い度胸してるなー…。レッドのポケモン総員でボコされるぜ?」
一瞬、冷ややかな空気が教室に漂う。僕はなんでか知らないけど、みんなに「最強の不良」と言われている。僕、悪者になった覚えはないんだけど。まぁ、多分、この学園で一番ポケモンバトルしてるの僕なんだろうな。そのせいで校舎、かなり壊しちゃってるから。
ふと、僕の友達の双子がこそこそ話してるのが聞こえた。僕は二人に近付いた。そして、声をかける。
「……トウヤ、トウコ…。…ヨウカン…知らない?」
「あっ!今、その話してたの!ね、トウヤ!」
「うん…さっき、背の小さい女の子がレッドさんの鞄から何かを取っていくのが見えたんだ…」
女の子…か。僕が顎に手を当て、考えていると、グリーンが「モテるなぁ、最強の不良サマ?」と言ってくるからピカチュウの10万ボルトをお見舞いしといた。なんか…ムカついた。
「ねぇ、やっぱり、リーフちゃんだったんじゃない?」
「そんな訳ないよっ。リーフちゃんがお兄さんでもあるレッドさんに無断で何かを取っていくの?」
「う…それもそうだけど…」
トウヤとトウコの言い争いが始まった。…リーフが僕のヨウカンを…?でも、考えられるかもしれない。リーフって、僕の私物を勝手に持っていく習性みたいなの昔からあったから…。さすが、僕の妹。誇れる事しゃないんだけどね。
とりあえず。リーフの所に行こうかな。
◆
「………リーフ」
「…レッド兄ぃ…」
リーフはビクッと肩を震わせて僕を見る。…分かりやすい。リーフの隣でリーフの双子の兄、ファイアとグリーンの弟、シゲルがハラハラした様子でリーフと僕を交互に見る。…僕がそんなに怖いの?それはそれで傷つくんだけどな…。
「…ヨウカン…リーフが盗んだの?」
「…ごめん、なさい…」
リーフが反省してるなら良いけど…。今度からは、欲しいならちゃんと言って欲しい。そうすれば、僕もクラスのみんなを怖がらせなくて済むし。…怖がらせてる自覚はないんだけどね。
…あ。結果、僕のポケモンでフルボッコしてない…。いや、でも、相手はリーフだし、良いか。
グリーンをフルボッコしておこう。てか、何か買ってきてもらおうかな。