独立先導者の成り上がり~盾の勇者は、ここからだ!!!~   作:やいさほー

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流石にあのプロローグからは早めに次に行かないと何の話か分からなくなると思うので書きましたがこれからはペースは落ちると思います。ここからは本編と似たような流れがしばらく続くと思いますのでよろしくお願いします。


異世界という新しい港

光に包まれた後、彼が目を開けると

そこは明らかに雰囲気が違っていた。

 

 

ジュン・ゲバル。彼は、

異世界へと召喚されたのだ。

 

 

あの島の緑生い茂る自然に囲まれた、

山小屋のような雰囲気はもはや欠片も無く

そこは聖堂のような場所に変わっていた。

 

 

((…なんだ、これ……スっっゲェ……))

 

 

幼い頃から鍛え上げられ、様々な事に

洗練されたゲバルでも、さすがに

このような事態には慣れていなかった。

 

 

ふと横を見ると、同じように呆然と

立ち尽くしている者が三人。

同じように選ばれたのだろうか。

もしかして、戦うことになる?

 

 

ゲバルがそんな事を考えていると、

目の前の男達は歓喜の声を上げ、

4人に向かって懇願を始めた。

 

 

「おお、勇者様…!どうか、

この世界をお救い下さい!」

 

 

「…ん?」

「は?」

「…え?」

「はい?」

 

 

それぞれが思い思いに困惑の意志を見せた後、

しばらくの静寂が訪れる。

 

 

「…いやァその…そりゃあどういう事で?」

 

 

しかし黙りっぱなしで話は始まらない。

ゲバルはその静寂を打ち破った。

 

 

「色々と込み合った事情がありますが……

簡単に言わせて頂くと、勇者様達を

古の儀式で召喚させて頂きました。

どうか是非、お力をお貸しください……!」

 

 

召喚…勇者…その言葉を聞き、彼はピンと来た。

なるほど、道理で強いヤツを

召喚したかった訳だ。

 

 

勇者を召喚するということは、

何かしら強い助っ人を期待している、

ということだ。

それならば、呼ばれる者が強ければ

召喚した側もありがたいだろう。

 

 

あの本が強い者を欲していたのは、

そういう事だったのだ。

 

 

色々合致したゲバルは少し笑い、

OKに近い返事を出そうとした。

 

 

 

「…ン~…ナルホドね…そうだなァ

とりあえず話だけでも」

 

 

ゲバルがそこまで言いかけた時

それを遮るように3人が返事を返した。

 

 

「断る。」

「そうですね。」

「元の世界に帰れるのか?話はそれからだ。」

 

 

彼らは明らかな拒絶反応を示した。

まぁ良く考えればいきなり連れてこられた訳だ、こうもなるかとゲバルは思った。

 

 

しかしその後彼らは口揃いに金を受け取る

権利の主張を始めたので

なんだカネかよ、と少し呆れた。

すると、それをせがまれた相手は

少し困り顔でこういった。

 

 

「と、とりあえず貴方方には我が国、

メルロマルクの王に拝謁して頂いて、

ソレから交渉金のお話を……」

 

 

「しょうがないな。」

「考える余地はありますね。」

「ま、誰が相手でも言う事は変わんないけど。」

 

 

結局これでここでの話は纏まった。

薄暗い部屋から出て、石造りの階段を上ると

風が外から入ってくる。

 

 

海に囲まれたゲバルの島の潮風とも、

ボッシュ大統領の領地に吹き抜けていたような

心地いい風ともまた少し違ったそれに、

ゲバルは異世界へと来た実感を味わった。

 

 

そしてそのまま進んでいくと

王の居る間へと辿り着いた。

 

 

「ほう、このもの達が四聖勇者か。

ワシがこの国の王、

オルトクレイ=メルロマルク32世だ。

…さて勇者達、名を聞こう。」

 

 

「俺の名前は天木練。年は16、高校生だ。」

 

 

彼は剣の勇者。

16歳の高校生でクールな印象の少年。

プライドが高く、他人を見下しがちである。

 

 

「次は俺か。俺の名前は北村元康、

年齢は21歳、大学生だ。」

 

 

槍の勇者で、金髪を

ポニーテールにしている。

見た目こそそこまで変ではないが、

いわゆるチャラい様に見受けられる。

 

 

「次は僕ですね。川澄樹。17歳、高校生です。」

 

 

弓の勇者で、物腰は柔らか。

勇者の中で最も小柄であるが、

他の者に負けない程プライドはありそうだ。

 

 

「最後は俺か、俺はジュン・ゲバル。

…そうだなァ、一応一国の大統領、かな。」

 

 

盾の勇者である彼は、気さくで明るいが

本気を出せば恐ろしい一面もある。

 

 

実際に、彼の技である

地球拳や髪での神経切断、それに加え

無隠流忍術など多才な技を持ち合わせている。

 

 

「大統領…!?す、凄い肩書きですね…」

 

 

川澄が思わず素っ頓狂な声を上げた。

それを聞いていやいやそれ程でも、と

ゲバルは軽くそれを流した。

 

 

しかし、どうやら王の目付き的に

あまりゲバルは気に入られてないらしい。

 

 

「なるほど、レンにモトヤスにイツキだな。」

 

 

「…俺の名前が抜けてますよ、オーサマ♥」

 

 

自分の名前が呼ばれないのがわかるとすぐに

ゲバルはニコリと笑って爽やかに訂正を入れた。

 

 

「ああ、すまん、ゲバル殿。

…さて、では話をしよう。」

 

 

その王の話を要約するとこうなる。

 

 

まず、この世には終末の予言が存在するそうだ。

その予言によれば、波というものが幾重にも

繰り広げられ、その波が引き起こす災害を

取り除かなければ世界が滅ぶという。

 

 

その予言が指したのは今年であり、予言の通り、古くより存在する龍刻の砂時計という道具の

砂が落ち始めたのだ。

この砂時計というのは波を予知し、

1ヶ月前から警告するという機能を持っている。

 

 

伝承によると、1つの波が終わる度に

1ヶ月の猶予が生まれ、

そこからまた波が襲いくるらしい。

 

 

当初、この国の民は予言をそこまで

信用していなかったが、

予言通りに厄災が起こってしまったようだ。

 

 

次元の亀裂がメルロマルクに発生し、凶悪な

魔物達が大量に亀裂から這い出してきたのだ。

その時は国の騎士や冒険者の甲斐あり、

何とか乗り切ることが出来たが

次の波は更に強力になるという。

 

 

このままでは無理だと考えた国のお上の方々は、伝承に則り勇者を召喚した……

というのが一連の流れだそうだ。

 

 

ちなみに、言葉が通じているのも、

各々の伝説の武器の能力によるものらしい。

 

 

「へぇ、スっゲ……」

 

 

まるで御伽噺のようなそれが、

現実である事が彼には少し嬉しかった。

しかし、他の者は特に興味は無いようだ。

 

 

「なるほど、話は分かったが、それで

報酬無しで働けと言うのか?」

 

 

天木がキツくそう言うと、王の付き人らしい者が

安心して下さい、といった。

 

 

「もちろん波を見事退けていただければ

多くの報酬をご用意させていただきます。」

 

 

「へぇ、まぁちゃんとその報酬を

払ってくれるならイイか。」

 

 

「敵にならなければ協力はする。

しかし飼い慣らそうとは思うな。」

 

 

「そうですね、舐めてかかってもらっては

困ります。その辺しっかりお願いしますよ。」

 

 

「…みんな、ガメツいなァ。」

 

 

ゲバルが他の者の反応に呆れ笑いをしていると

王が発言した。

 

 

「では勇者達よ、自分のステータスを

見てもらいたい。」

 

 

ゲバルはその言葉を聞いて、ポリポリと

頭を掻きながら少し顔を歪ませた。

彼の島は自然豊かで、なおかつ狭い。

ましてゲーム機などほとんど

触れた事は無いだろう。

 

 

王の言うステータスというものが

彼には聞きなれない言葉だったのだ。

 

 

「…ねェ君、どう見るか分かる?」

 

 

練の方を向き、首を横に降り

分からないような素振りを

ゲバルは見せた。

 

 

「何だ、この世界に来て直ぐに

気が付かなかったのか?…何となく、

視界の端にアイコンがないか?

それに意識を集中する様にしてみろ。」

 

 

練に言われたとおり、

視界の端にあるアイコンに意識を集中する。

 

 

すると、ピコンという音と共に

アイコンが大きく表示された。

 

 

[ジュン・ゲバル

職業:盾の勇者、Lv1

装備:スモールシールド(伝説武器)、異世界の服

スキル:独立の先導者

魔法:無し]

 

 

「Lv1ですか……これは不安ですね」

 

 

「そうだな、これじゃあ

戦えるかどうか分からねぇな」

 

 

「へェ~…こりゃすげぇや、

サンキュー、ミスターレン♪

…で、結局これって何?」

 

 

「勇者殿の世界では存在しないので? 

これはステータス魔法という

この世界の者なら誰でも使える物ですぞ。

早い話強さやスキルがすぐ分かるもの

と言いましょうか。」

 

 

「強さが数字で見えるの?

……すげぇなァ異世界ッ」

 

 

噂に聞くオーガや、筋肉超人のオリバなら

どんなステータスになるんだろうな、

とゲバルは思っていた。

 

 

「で、俺達はどうすれば良いのかな?

レベルが低いなら鍛えれば良いって感じ?」

 

 

「ふむ、そういう事になりますかな。

勇者様方にはこれから冒険の旅に出て、

自らを磨き、伝説の武器を

強化して頂きたいのです。

伝承によりますと、召喚された勇者様が

自らの所持する伝説の武器を育て

強くしていく、だそうです。」

 

 

「伝承、伝承ね。その武器が武器として役に立つまで別の武器とか使えばいいんじゃね?」

 

 

元康が槍をくるくる回しながら意見する。

 

 

「んじゃとりあえず、俺とミスターレン、

ミスターモトヤス、ミスターイツキの4人で

組めばいいのかな。」

 

 

「お待ちください勇者様方」

 

 

「ん?」

 

 

これから冒険の旅に出ようとしていると、

大臣がそれを止めた。

 

 

「勇者様方は別々に仲間を募り

冒険に出る事になります。」

 

 

「それは…何故ですか?」

 

 

「それはですね、伝承によると伝説の武器は

それぞれ反発する性質を持っておりまして、

勇者様たちだけで行動すると

成長が阻害されると記載されております。」

 

 

「そうなのか、つまり俺達が

一緒に行動すると成長しないのか?」

 

 

よく見ると、武器のマニュアルと

ヘルプがあり、それを見てみると

 

 

 

[注意、伝説の武器を所持した者同士で

共闘する場合、反作用が発生します。

なるべく別々に行動しましょう]

と表示された。

 

 

 

「どうやら伝承、ホントみたいだね♪」

 

 

他には武器の使い方などが記されていたが、

それはゲバル含めた4人は

一旦置いておく事にした。

 

 

「って事は仲間が必要なのかな?

仲間って言うと…海賊の頃思い出すなァ~」

 

 

「それは、ワシが用意しておくとしよう。

今日は日も傾いておる。勇者殿、

今日はゆっくりと休み、明日旅立つのが

良いであろう。明日までに仲間になりそうな

逸材を集めておこうではないか。」

 

 

「ありがとうございます。」

 

「サンキュー。」

 

 

それぞれの言葉で感謝を示し、

その日は王様が用意した部屋で

休息を撮ることになった。

 

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