元下士官と人形   作:FAZZ

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初投稿です更新は不定期ですが、頑張りますよ!


#1

どうしてだろう

 

こんな状況になってしまったのは

 

「早く離脱しなさい!」

 

何故なんだろう

 

本当の戦場に来てしまったのは

 

「敵がもうそこまで来てる!」

 

いつからだろう

 

自分が

 

「RPG!」

 

ドルフロの世界に迷い込んだのは

 

 

 

 

 

 

1週間前

某駐屯地

某中隊

 

 

 

 

 

「お前、ほんと何も出来ないな」

 

そう言って上官は呆れた顔をこちらに向ける

 

「そんな奴に誰がついて行くんだ?」

 

「すみません」

 

 

今日もつまらないミスで失敗してしまい、上官から指導されている

ある日を境に仕事が上手くいかなくなった

何をしてもミスがあった、何もしてなくても不運が舞い降りる

 

「お前も下士官になったんだろ、射撃だけ上手くてもどうしようもないんだよ。それはわかるよな?」

 

「はい……」

 

自分の職種の仕事が上手くいかない時は決まってこう言われる

自分で言うのも何だが、得意分野は射撃

競技会ではランキング入りもした事がある

 

「でもここでは自分の仕事が1番なんだよ、射撃なんてどうでもいいんだ」

 

いつもの指導を聞いて開放されたのは10分後

とぼとぼと兵舎に帰るが、部屋でも同じ事を同居人の上司に言われる

正直部屋にも居たくないから、決まって喫煙所に入り浸っている

前は1日5、6本だったのが、今では倍くらいにはなった

 

「もう寝よう、うん、そうしよう」

 

部屋に帰るのは就寝のラッパがなる3分前

寝ている時が1番幸せなのかもしれない

 

「明日は上手くいけるかな……」

 

ぼんやりとそんなことを考えながら眠りについた

 

 

 

 

 

目が覚めると、そこは自分の部屋ではなかった

いや、むしろ部屋にすら居ない

覚醒していない頭で状況を把握するが、結局分かったのは野外に放り出されていることと、自分が見知らぬ土地に居ることだけだった

 

「……どう言うこと?」

 

二次創作の小説は読むが、転生した訳でも無いし、神にあった記憶もない

 

それと1番不思議なことは、自分が迷彩服と小銃、装具を装着している事だった

何故か鉄帽はなくブッシュハットを被ってる

 

「とにかく建物に入ろう、道路のド真ん中はさすがにやばい」

 

いつもその手の小説を読んでいたせいか、とりあえずは冷静で居るみたいだ

確かにそういう風になったらとか考えてたこともあったし

 

「食料は無し、弾は20発弾倉5本と30発が1本か。水筒も救急品もないのは困るな」

 

どうせならそのまま1式持ってきてくれよとも思う、まぁそれはそれで重さが増して別の意味で困り果てることになると思うが

結局、とりあえずは食料がなければ何も出来ないので近くの建物を探索する

運がいいのか、必然なのか知らないが、食料を見つけることには成功した

 

(賞味期限が未来の日付?)

 

明らかに自分がいた西暦とは違う日付けに困惑するが、そんなことはどうでもいい

食えればヨシなんだから

 

「でもこの日付けどっかで見たことあるんだよな」

 

疑問には思いつつもとりあえず3日分の食料は手に入った

今の日付なんて知らないけど

 

 

 

 

 

 

異世界?に迷い込んでから1週間経った

とりあえず食料は意外と建物に放置されていたので何とか凌ぐ事はできた

その間情報収集に努めていたが、ひとつ分かったの事がある

この世界はドールズフロントラインの世界だと言うこと

偶然足音がする方を見た時に気付いた

 

(アレってどう見てもコスプレじゃないよな)

 

目の前を通り過ぎる4人組

全員がH&Kの武器で統制されていた事と、ゲームの中では第一部隊に入れていたこともありすぐに分かった

 

404小隊

 

BLACKOPS担当の特殊部隊

いきなり出て行っても、と言うか、どのタイミングで出ても怪しまれるんだが、何の準備もしてない上に情報が足らなさ過ぎて頭が困惑してるっていうのが現実

 

(何かしらの任務中だろうし、ここは大人しく……)

 

しようと思って視線を切った瞬間

違和感を覚える

 

(いや、待て。あの404小隊がこんな10メートル位の至近距離で気付かない訳が無い)

 

もう一度404小隊を見ようとしたが既に居ない

そして足音も消えた

ここでひとつだけ確信した事がある

 

(終わったんじゃね?コレ)

 

次の瞬間、ドアの隙間から何かが投げられる

それが破裂する前に対処には成功した

目と耳を覆い、口を開ける

とてつもない光と音、それに合わせて衝撃波

 

(フラッシュバン!)

 

しかし、対処したところでここは室内そんな程度で減衰出来るはずもなく

 

「うおっ!」

 

呆気なく捕まってしまった

 

 

 

 

 

「さて、あなたを捕まえるように指示があったから捕まえた訳だけど」

 

「俺を捕まえに来た?」

 

現在後ろ手に縛られて小銃も取り上げられている

その他の装具は身につけたままだ

 

「そ、見知らぬ迷彩服を来た不審者がこの地区に現れたから、それを確保して欲しいってお願いでね」

 

「なるほど、そりゃ部隊が動くわな」

 

話を聞く限り、すぐにどうにかする訳ではなく雇い主の元に連行するらしい

自分の身元等を含めて話がしたいらしい

俺としては願ったり叶ったり、こんな訳分からない所で放置されるよりかは全然いい

 

と言うか、ドローンで見られてたのね

 

「そういえば君の名前は?」

 

「ん?私はUMP45よ、少しの間だけどよろしくねぇ」

 

 

知ってる、だって推しですから

ゲームの中では他の人形よりも1番にMOD化させたくらいだし

しばらくそのまま話していると連絡が来たらしく、現在地を離脱することになった

にしても、そろそろ腕を解放して欲しい、動けないんだが

 

 

 

 

 

と、そんなことがあったのがつい先程

現在LZに向けて走ってる

どうやら偶然近くの敵に遭遇したらしい

応戦するために腕を解放してもらい、銃も返してもらった

 

「早く離脱しなさい!」

 

そろそろ不味くなってきたのかUMP45が声を荒らげる

 

「敵がそこまで来てる!」

 

UMP9も敵の対処で精一杯らしい

 

「RPG!」

 

Hk416が警告を発する

このままでは全員爆散する

そのはずだった

 

「大丈夫、対処したよ」

 

G11が素早く対処してくれたおかげで何とか生きているが、物量の差は変わらない

相手はどう見ても20人はいる

そもそも俺を確保しに来ているので弾薬が足りてない上に装甲持ちもいる

 

「ここから走って行けばLZよ!行きなさい!」

 

UMP45にそう言われるが動かない

俺も男だ、気合い入れろ

そう自分に言い聞かせる

 

「流石にこの状況で置いて行けるか!」

 

「はぁ!?何言ってるのよ、私たちは何度もこんな状況乗り切って来たのよ。むしろ貴方が居ると足でまといよ!」

 

Hk416から厳しいお言葉を貰うが気にするか

 

「友軍見捨てて逃げる訳には!」

 

近くの建物を支えにして委託射撃を実施する

 

一発目、バイタル命中

二発目、ヘッドショット

三発目、相手の武装に命中

 

 

「俺は射撃だけしか能がないんでね、援護ぐらいさせてくれよ!」

 

「あぁもう!好きにして!」

 

Hk416からの許可が下りた

とにかく撃って撃ちまくる

弾薬は豊富にある訳では無いが、この場ぐらいは凌げそうではある

まぁ、無駄撃ちしなければと言うのが付くけど

その時、上空からヘリの音が聞こえた

 

「スモーク張るから皆そのうちに移動して!」

 

スモークを展開し、牽制程度に撃ちながらLZを目指す

そして地上で待機しているヘリに飛び込み離脱

 

「ハァッ……助かった」

 

「助かったじゃないわよ、どうして無茶をするのよ」

 

Hk416が厳しく叱咤するが、俺はなんで戦う選択肢を取ったのか自分でもよく分からなかった

確かに404小隊ならあの程度切り抜けることは簡単だったと思う

だからこう答えた

 

「よく分からないけど、とにかく置いていけなかった」

 

勿論、そんな答えに呆れたのは言うまでもない

 

 

 

 

 

ヘリに揺られ、おそらく今回の依頼者が居ると思われる施設に到着した

ヘリを降りると、目の前にはガタイのいい男が立っていた

 

「初めましてだな、G&Kのクルーガーだ。早速で悪いが、こちらに来てもらいたい」

 

え、いや、待って?

想像してたよりもデカいんですけど

何この圧力、部隊の人間とか可愛く思えるよ?

とりあえずついて行くしか選択肢がない自分としては、後ろを404小隊に囲まれながらついて行く

 

「そこにかけてくれたまえ」

 

ある重厚そうな部屋に入るなり椅子に座るよう促される

いきなり拷問とかないよな?

頼むから条約に則って扱ってクレメンス

 

「まずは君の名前と、なぜあの場所にいたのかを説明してもらいたい」

 

と言っても、名前は教えられるが、なんであんなとこに居たのかなんてこっちが知りたいくらいではある

 

「実は、あの場に居たのはよく分かってないんです。気が付けば彼処に放置されてたとしか」

 

「ふむ、では君はどこに居たのかね?」

 

まぁこれに関しては素直に話しておこう、いや、今まで嘘とか誤魔化してる訳では無いけど

 

「その様な組織は存在していない。いや、過去には存在していたと言った方が正しいか」

 

「クルーガーさん、この人のデータ探したけど何処にも載ってなかったわ」

 

UMP45が知らない間にデータベースにログインして探したらしい

うーん、やっぱり俺の存在は無かったことにされてるのか

世界線違うし仕方ないのかな

 

「しかし、先の戦闘での射撃能力は、民間だとしたら不自然すぎる」

 

「一応辻褄は合ってるって訳ね」

 

あの、2人で話し合ってるとこ悪いけど、結局俺はどうなるの?まさかここで始末とかされないよね?よね?

そんな考えが通じたか読まれたのか、ひとつ提案が出された

 

「クルーガーさん確か指揮官の人手が足りてないんじゃなかったかしら?この人使ってみたらどう?」

 

お、まさかの指揮官ktkr?

 

「いや、流石に素性が不明なものを指揮官にすると不都合が生じる」

 

ですよねぇ、ワンチャンあるかなって思ったのに

やっぱり人生上手くいかんな

まだ20前半だけど

 

「こちらとしては、一時的に404小隊にて預かってもらいたいと考えている。存在してない人間と、存在しない部隊だ、その方が動かしやすい」

 

「ふぅん、まぁ、邪魔しなければそれでもいいけど」

 

「ちょっと45!勝手に決めないで!」

 

そこに待ったをかけるのはHk416

何となくだけど、何か言ってきそうな感じはしてた

 

「そんな得体の知れない奴を引き入れるつもり?」

 

「えぇ〜、私は家族が増えるのは良いんだけど?」

 

「Zzz」

 

あ、これ収拾つかないやつだ

あとG11は既にソファーで寝てる

ブレないなぁ

 

「別に意味もなく引き入れるわけじゃないわ。ただ、4人よりも5人の方がやれる事は多くなるし。彼の話を信じるなら、仮にも軍属よ?ある程度は動いてくれるでしょ?」

 

最後の部分はこっちを見ながら言ってきたので、頷いておく

 

「決まりだな、これより君を404小隊の編成に組み入れる。仕事は彼女達から聞くといい」

 

これは想定していたよりも何倍もいいかもしれない、死ぬ確率も上がるが

 

「そう言えば、名前はどうするの?もう存在しない人になったし、何かつけたら?」

 

UMP45からそんな提案がくる

確かにそもそも存在してないなら名前は新しくしてもいいか、変に本名使ってもデータベースに乗ってないなら怪しまれるし

 

「俺は……」

 

ちょっとの間考えて、決めた

 

俺は、レイブンにする

 

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