ドルフロの世界にやってきて404小隊に配属した俺は404小隊の宿舎に来ていた
と言うか、来てしまった
「え、部屋別とかじゃないんですか?」
「部屋が足りなくてな。それに同じ小隊になったのだ、その方が都合がいいだろう」
とまぁこんな感じで部屋が同じになってしまったのだが、流石に気まずい
戦術人形とはいえ女の子の部屋は緊張する
どどど童貞ちゃうわ!
「どうしたの、早く入りなよ」
ドアの前でどうしようかと迷っていると、後ろからG11に催促された
「あ、おう。お邪魔します」
「もう、私達家族なんだから遠慮しないでいいよ!」
UMP9がニコニコしながら歓迎してくれるが、俺としては中々入りずらいのである
中に入って思ったのは意外とシンプルな部屋だということ
ベットと机、パソコンとテレビが備え付けられている
「あら、初めての女の子の部屋に緊張してるの?」
とニコニコと言うかニヤニヤと言うか、微妙な笑みを浮かべて話しかけて来るUMP45、こっちは、わーい推しと同じ部屋だぁとかやってられないくらいにはテンパってるってのに
「全く、これから一緒に動くのに、そんな事で緊張してるのされても困るわね」
やっぱりHk416は厳しいな、しかしその方がなんか気が引き締まるというかなんというか、とにかく今の心境にはありがたい
「ん?ベット4つしかないよな、俺は床かな?」
確かにある程度どこでも寝れるが、初っ端から床で過ごせは辛いものがある
「急遽だったしベット足りないって事で、簡易ベッド支給されてるみたいよ」
「お、これかな?」
それは野外ベット、軍には必須品の物だ
しかも結構良いやつだし
ありがてぇありがてぇ
慣れた手つきで組み立てて、そばに置いてあった寝袋を敷く
「へぇ、結構手馴れてるのね」
「仕事でよく使ってたからね、そういえばUMP45、仕事について教えてくれないか?」
「んー、と言っても基本的には何かあるまでは各人自由にしてるかな?私は書類とか整理したりしてるけど」
「書類か、あまりやった事ないな」
「まぁ、私一人ですぐ終わるから、そんなに手間じゃないけどね」
んー、折角なら何か手伝いたかったんだけどな
でも書類した事ないやつが出張っても効率落とすだけか
「そうだ416、あなたレイブンと一緒に訓練したら?」
「私が?」
お、それはありがたいし興味もある
実戦の動きをレクチャーしてもらわないと戦えないしね
「Hk416、俺からもお願いしたいんだけど、良いかな?」
「どうして私なのよ」
「使ってる銃が大元同じ系列だし、何よりそう言うのは得意そうだなって」
「……わかったわ、でも、手は抜かないから」
望むところよ、とは言え今日はもう遅いし明日にしたい
多少無茶ができる人形と違って人間は健康に気を使わないと死んでしまうからね
その日は軽くお互いの自己紹介とポジション、あとは部屋でのルールを決めて就寝することにした
その際、呼びやすい呼び方にしてもらっても良いとの事なのでUMP45は45と、UMP9はナイン、Hk416は416、G11はそのままG11と呼ぶことにした
次の日
朝起きて朝食を取り、今は訓練所にいる
教官は416である
「それじゃ早速やっていくけど、貴方の銃は見たことないわね。どこの銃なのよ」
「これか?これは元々Hk416だった物だよ。色々俺の体格に合わせてカスタムした一品だ」
元のHk416をショートバレルカスタムして、サイトはフリップアップのロータイプアイアンサイトを搭載してる
後はショートフォアグリップを付けてる
「確かに貴方の身長そんなに高くないから、ちょうどいいんじゃないかしら」
「まぁ404小隊の平均と殆ど変わらないし。人間じゃ取り回しにはちょっと気を使うのさ」
ちなみに身長は167とか微妙な感じで体格もそんなに大きくないが、404小隊は全員165とかそこら辺じゃないかな
「他のアタッチメントは付けないの?」
「とりあえず初めての訓練だし、スタンダードに近い方でやった方が良いかなって」
「貴方がそれでもいいならそれでいいわ。それじゃ始めるわ、一応言っておくけど、優しくするつもりはないわ」
初っ端からスパルタか、気合い入りますな
せめてみっともない所は見せたくは無いな、初めてだけど
「じゃあまずはターゲットを出すから、それに向かって撃ちなさい」
目の前に人型のターゲットが出現する
距離は50メートルと言った所か
一旦深呼吸して銃を構える
一発、二発と五発撃ち込んだところで止めの号令がかかる
「ま、射撃が得意と言うだけあるわね。ちょっとバラツキが見られるけど許容範囲ね」
「どうですかね、教官殿」
「教官はやめて。そうね、悪くは無いけどまだまだ伸びるわ」
それから30分ほど様々な距離で同じ要領にて実施する
「撃ち方やめ、一旦休憩にするわよ」
「了解です」
マガジンを抜いてチャージングハンドルを引いて薬室に弾が無いことを確認してその場に置く
「全体的には当たってるけど、まだ弾痕がまとまってないわね」
戦術人形と比べたら流石に当たってないなぁってのは分かる
仕方ないとは言え悔しくもある
どうやってスキルあげるかな
「次は私が貴方の姿勢とかを変えて行くわ。慣れないと思うけど、我慢して」
「オッケー、教官の指示に従いますよ」
「だから教官はやめなさいって」
それから休憩を何度か挟みつつ、2時間ほど的当てを実施した
「さっきよりは当たるようになってるわね、これなら次に行っても大丈夫そうね」
「本当?よっしゃ!」
流石は戦術人形だ、指示が的確で上手い
普段ならこんなに早くは上手くならない
「じゃあ、昼御飯食べて次のエリアに行くわよ」
「あぁもうそんな時間か、今日の飯は何かな」
G&Kの本社に居ることもあって、飯が美味いらしい
ちょっと楽しみである
そして次のエリアは野外に設置してある機動訓練所
ここは射撃と移動の基礎を実施する為に作られている
「的を撃ったら次の位置についてを繰り返すだけだけど、人間の貴方は次第に疲労で精度や運動能力が落ちるはずよ。怪我しないようにやりなさい」
「了解」
合計八個の的を撃って走って止まってを繰り返し続ける
やはり数セット目から動きにキレがなくなってくる
「レイブン、こっちに来なさい」
「フゥ……中々シンドいな」
軽装でやっているとはいえ、汗が滲み出てくる
しかし、これでダウンしてては実戦には出れない
416からのアドバイスと聞いて改善してもう一度実施してみる
数セットに1度休憩を取りつつ、その日はG&Kの終業まで訓練を繰り返した
「しばらくは仕事も入ってないから、ここで貴方を使えるまでにするわよ。覚悟はいいかしら?」
「俺はできてる」
「そう、それならいいわ。帰ってシャワー浴びなさい、そのあとは夕食を取って軽く今回の改善点を話すわ」
「分かった、それじゃシャワー浴びてくるわ」
シャワーと夕食を済ませて宿舎に帰る
扉を開けると45と目が合う
「あら、レイブンじゃない。今日はどうだったの?」
「めっちゃ疲れた、でも収穫もあったよ」
いつもの笑みを浮かべて話しかけてきたので、こっちも疲れた笑いを出した
お互い話をしてると416がやってきた
「レイブン話してるとこ悪いけど、やるわよ」
「了解、じゃあまた後で45」
「はいはい、また後でね」
やっぱり推しと話せるってすごいよな、楽しいし
ま、あの笑顔の下で何考えてるのかわかんないけど
そこもスコなんだが
「それじゃ始めるわよ」
それから416の分析と改善点を話してもらい、こっちから質問したりして有意義な話が出来た
「それじゃ今度は座学に入るわ」
「……今から?」
「まさか、明日よ。これが戦術人形だったらそれでも良かったかもしれないけど、疲れてるあなたにそんなことしても意味無いもの」
良かった、内心焦ったぞ
流石に疲労が凄いからな、これ以上は身に入らない
「そういう訳で今日は休みなさい、明日も忙しくなるんだから」
「分かった、そうさせてもらう」
部屋着に着替えて飲み物を取りに行く
水しかないが、贅沢はできない
今は水すら貴重であるんだから
「416とはお話終わったの?」
「おお、45か。いきなり出てきたからビックリした。そうだな、まだまだ出来るって言われたよ」
「ふぅん、そうなんだ。これなら早く使える様になるわね」
「女の子の前でこういうのも何だが、やっぱり体力が足りてないから使える様になるのはまだ早いかな」
「ふふっ、女の子ね。私達は人形なのに」
「人形だろうと関係ないよ、人間か人形かなんて出身の違いみたいなものだと思ってるし」
「なぁにそれ、変な人」
「変な人言うなよ」
全く、こうやってリラックス出来るのもいいな
前はこんな事無かったからなぁ
あと女の子基本苦手だったし
「そうだ、明日座学やるんだけど45は何するの?」
「私?……そうね、特に予定ないから見に行こうかしら?」
「隊長の話も聞いておきたいから、色々教えてくれるとありがたいな」
「ま、後で416に聞いてみるわ。それじゃおやすみ、レイブン」
「おやすみ、45」
自分の寝袋に潜り込んでそのまま眠りにつく
明日も1日頑張ろう、そう思いながら