やはり俺がありふれた職業なのはまちがっている。   作:辻谷戒斗

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『やはり俺がありふれた職業なのはまちがっている。』第二話になります。
それでは、今回もよろしくお願いします。


第二話 異世界での再会

 現在、俺達は場所を移り、十メートル以上ありそうなテーブルが幾つも並んだ大広間に通されていた。

 上座に近い方に平塚先生と葉山グループ、そして光輝達が座り、後はその取り巻き順に適当に座っている。

 俺?俺もちろんは最後方だ。そもそもそれ以外の選択肢がない。

 俺達全員が着席すると、カートを押しながらメイドさん達が入ってきた。男子の夢を具現化したような美女、美少女メイドだ。

 男子の大半がメイドさん達を凝視している。まぁ、仕方ないよな。だって思春期の男子だもん。

 ……俺はそんなに凝視してないけどな。ホントだよ?ハチマンウソツカナイ。

 俺達全員に飲み物が行き渡ると、イシュタルが話し始めた。

 

「さて、あなた方においてはさぞ混乱していることでしょう。一から説明させて頂きますのでな、まずは私の話を最後までお聞き下され」

 

 

 

******

 

 

「あなた方を召喚したのはエヒト様です。我々人間族が崇める守護神、聖教教会の唯一神にして、この世界を創られた至上の神。おそらく、エヒト様は悟られたのでしょう。このままでは人間族は滅ぶと。それを回避するためにあなた方を喚ばれた。あなた方の世界はこの世界より上位にあり、例外なく強力な力を持っています。召喚が実行される少し前に、エヒト様から神託があったのですよ。あなた方という救いを送ると。あなた方には是非その力を発揮し、エヒト様の御意志の下、魔人族を打倒し我ら人間族を救って頂きたい」

 

 イシュタルは恍惚な表情を浮かべながら、そう話し終えた。

 つまりこいつらは、俺達に戦えと言っているのだ。人を殺せと、言っているのだ。

 そんな覚悟、俺にあるはずがない。殺す覚悟もないし、殺される覚悟もない。

 できることなら、帰らせてもらいたい。っていうか早く帰らして。

 俺がそんなことを思っていると、突然立ち上がり猛然と抗議する人が現れた。

 

「ふざけないで下さい!結局、この子達に戦争させようってことでしょ!そんなの許しません!ええ、先生は絶対に許しませんよ!私達を早く帰して下さい!きっと、ご家族も心配しているはずです!あなた達のしていることはただの誘拐ですよ!」

 

 そう俺達のために怒ってくれる誰だか知らない先生。

 ……っていうかあの人先生だったのかよ。超驚いたわ。

 あの先生は普通にモテそうだな。平塚先生とは違って。

 そんなことを考えていると寒気がしたので考えることをやめた。

 ……だって平塚先生めっちゃ怖いんだもん……。あの視線だけで殺されそうまである。

 

「お気持ちはお察しします。しかし……あなた方の帰還は現状では不可能です」

 

「ふ、不可能って……ど、どういうことですか!?喚べたのなら帰せるでしょう!?」

 

「先ほど言ったように、あなた方を召喚したのはエヒト様です。我々人間に異世界に干渉するような魔法は使えませんのでな、あなた方が帰還できるかどうかもエヒト様の御意思次第ということですな」

 

「そ、そんな……」

 

 その先生はイシュタルの言葉を聞いて、脱力したようにストンと椅子に腰を落としてしまう。

 先生が腰を落としてしまったのがきっかけで、周りの生徒達も口々に騒ぎ始めた。

 

「うそだろ?帰れないってなんだよ!」

 

「いやよ!なんでもいいから帰してよ!」

 

「戦争なんて冗談じゃねぇ!ふざけんなよ!」

 

「なんで、なんで、なんで……」

 

 生徒達がパニックに陥る。

 俺も平気というわけではないが、なんとか平静を保っているという状態だ。

 イシュタルの言葉を真に受けると、魔人族と戦い、それを倒して人間族を救えば帰れるということだ。

 現状、戦う以外の選択肢はない。俺達はこの世界のことをまるで知らないし、何をするのが正解か分からないからだ。

 だが、引っかかるのはイシュタルとエヒト様とかいう神だ。

 エヒト様は会っていないから分からないが、イシュタルはどこか嘘くさい感じがするのだ。

 俺の気のせいならそれに越したことはないが、警戒しておいて損はないだろう。

 俺がそんなことを考えていると、テーブルをバンッと叩いた音が辺りに響いた。

 俺がその音にビクッとなりなった方向に目を向けると、光輝が自分の席から立ち上がっていた。

 

「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもないんだ。……俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人達が滅亡の危機にあるのは事実なんだ。それを知って、放っておくなんて俺にはできない。それに、人間を救うために召喚されたのなら、救済さえ終われば帰してくれるかもしれない。……イシュタルさん?どうですか?」

 

「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無下にはしますまい」

 

「俺達には大きな力があるんですよね? ここに来てから妙に力が漲っている感じがします」

 

「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると数倍から数十倍の力を持っていると考えていいでしょうな」

 

「うん、なら大丈夫。俺は戦う。人々を救い、皆が家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!!」

 

 ギュッと握り拳を作り、そう宣言する光輝。無駄に歯がキラリと光る。

 ……ああ。本当に変わっていない。昔から何も。

 初めて会った時から、光輝はこういうやつだった。しかもこれが素なのだ。うちのクラスに居る『皆の葉山隼人』とは違って。

 これが光輝のいいところであり、少し面倒くさい部分でもある。

 

「へっ、お前ならそう言うと思ったぜ。お前一人じゃ心配だからな。……俺もやるぜ?」

 

「龍太郎……」

 

 龍太郎……。お前もいたのか……。

 ということは……。

 

「今のところ、それしかないわよね。……気に食わないけど……私もやるわ」

 

「雫……」

 

 雫……。やっぱりお前も……。

 

「え、えっと、雫ちゃんがやるなら私も頑張るよ!」

 

「香織……」

 

 香織まで……。

 本当に懐かしい面子が揃っている。

 そう、俺が光輝達と共にいた記憶に思いを馳せていると、葉山も立ち上がって口を開いた。

 『皆の葉山隼人』ととして、ここで口を開かねばならなかったのだろう。

 

「そうだ!彼の言う通りだよ!俺も戦おうと思う!皆も一緒に戦おう!」

 

 葉山がそう言うと、光輝達の方の生徒だけではなく、俺達総武高校サイドの生徒達も次々と賛同していく。

 こうして俺達は、魔人族と戦うことになったのだった。

 

 

******

 

 

 俺達は今、ハイリヒ王国の王宮の玉座の間にいる。

 そこで自己紹介が行われていた。国王の名をエリヒド・S・B・ハイリヒといい、王妃をルルアリアという。金髪美少年はランデル王子、王女はリリアーナという名らしい。

 自己紹介が終わり料理を堪能しようとしたところ、光輝が口を開いた。

 

「待ってくれ。俺達は違う学校から召喚された。だからまだお互いのことを全く知らないんだ。そこで自己紹介をし合おうと思うんだけど、どうかな?」

 

「それはいい考えだね。じゃあまず俺から自己紹介させてもらうよ。総武高校二年F組の葉山隼人だ。よろしく」

 

「よろしく隼人。俺は天之河光輝」

 

 こんなふうに自己紹介が進んでいく。

 俺は皆の自己紹介を聞き流しながら、気配を消すことに全力を注いだ。

 どんどん進んでいき、俺含め残り二人となった。

 

「え、えっと……南雲ハジメです。よろしく……」

 

 ……こいつは同類のような気がする……。もちろんぼっちの。

 さて、これで自己紹介はおわりだな。俺はステルスヒッキーを発動しているから、誰も気づかないはずだ。

 さっさと美味そうな料理食べようぜ。俺の自己紹介なんかよりその方がいいだろ?

 

「君が最後だよ。ヒキタニ君。早く自己紹介をしてくれ」

 

 葉山ぁ……!俺のことなんかほっといてさっさと料理食べたらいいのに、余計なことしやがって……!

 俺は内心、そう愚痴りながらもおとなしく光輝達の前へと出る。

 

「えー……比企谷「もしかして八幡か!?」……あー、そうだよ。……久しぶりだな。光輝」

 

「ああ!本当に久しぶりだ!」

 

「そのアホ毛、どっかで見たことあると思ったら八幡だったのかよ!?おい八幡!俺のこと覚えてるか!?」

 

「……龍太郎だろ。流石に分かるっての」

 

「じゃあじゃあ私は!?小学校以来だけど、覚えてるよね!?」

 

「光輝と龍太郎を覚えてたんだから覚えてるに決まってるだろ……。香織……」

 

「……久しぶりね。八幡。まさか、異世界で再会することになるとは思いわなかったけど、会えて嬉しいわ」

 

「……俺もこんな所で会うことになるとは思ってなかったわ。久しぶりだな。雫」

 

 光輝達の言葉に、一言ずつ返していく。

 光輝達と話していると、幼少期時代が鮮明に思い出される。

 

「……え、えっと……君たちは、ヒキタニ君と知り合いなのかい?」

 

 葉山が光輝達に、そう質問する。

 ……まぁ、当然な質問だろう。俺みたいなぼっちが、光輝達のようなリア充グループと親しくしているのだから。

 こうなるから、自己紹介したくなかったんだよ……。

 

「……うん?ヒキタニ……?ああ。八幡のことか。八幡とは幼馴染なんだ。小学校を卒業した後から疎遠になってしまったけど……」

 

「……その話はいいだろ。料理を用意してくれてるんだから、早く食べようぜ」

 

「……そうだな。そうしよう!」

 

 光輝がこう言ったことで、晩餐会が始まった。

 俺は一人でゆっくり、コソコソと食べるつもりだったのだが、光輝達に囲まれ逃げること叶わず一緒に食べることになってしまった。

 別に光輝達が嫌いというわけではない。むしろ再会した時は嬉しかったほうだ。

 まぁ、光輝は苦手な部類に入るのだが……。

 それはさておき、光輝達といると注目を集めてしまうのだ。

 現に光輝達のクラスメイトも、俺のクラスメイトも、俺達を横目で見てくる。

 ランデル王子?だったか?その王子も、チラチラとこちらを見ているのが分かった。正確には香織だが。

 そして、南雲?は俺に期待しているような視線を送ってきていた。

 ……いやこれに関しては意味わかんねぇわ。南雲?は俺に何を期待してんだ?

 

 そうやって晩餐会を過ごし、晩餐会が終わると各自に一室ずつ与えられた部屋に案内された。

 そこにあったベッドは、なんと天蓋付きだったのだ。

 ……いや豪華すぎん?ここで寝れる気がしないんですけど……。

 しかしいざ、ベッドに身を落としてみると眠気が急に襲ってきたのだ。

 俺は眠気に誘われ、そのまま意識を落としてしまった。

 




 はい!今回はここまでになります!
 コメントでも頂いた、光輝との接点が明かされました。いかがでしたでしょうか?

 光輝達と幼馴染であるいう設定はクロスオーバーを考えたときに一番最初に出てきた設定です。
 ここまでの流れで分かる方もいらっしゃるかもしれませんが、光輝は八幡に対してはアンチではありません。
 光輝は幼馴染を大切に思っているので、この作品で光輝の幼馴染となった八幡は、例外ではないからです。
 ハジメに対しては、概ね原作通りの対応です。

 後、前回でコメントを頂いたヒロインをアンケートに乗せて置きますので、回答のほうよろしくお願いします。
 他に入れてほしいヒロインがいればコメントにて受け付けます。物語の都合上、入れられないキャラもいるのですが……。その場合は正直に無理ですとお答えしますのでご了承ください。

 最後に、『やはり俺がもう一つの現実で戦うのはまちがっている。』の方で、次に書いてほしい『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』のクロスオーバー先を募集しています。
 第一話のアンケートのところに、自分が書きたいと思っている作品を置いていますのでご協力よろしくお願いします。
 また、第二話に第一話のアンケートに入り切らなかったクロスオーバー先の作品を置いておきます。こちらの方も投票の方よろしくお願いします。
 そして、それ以外の作品でこの作品とのクロスオーバーを書いてみてほしい、などなどの要望がございましたらコメントにて教えて下さい。できるだけ書けるように色々考えてみますので。

 それでは、ここまで読んでくださりありがとうございました!また次話、または次の作品にてお会いしましょう!
 ここまでのお相手は、辻谷戒斗でした!

八重樫雫、ティオ以外の八幡のハーレム要員について【第二弾】

  • リリアーナ
  • 中村恵理
  • 川崎沙希
  • 折本かおり
  • 仲町千佳
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