転送されたと思ったら、一人だけGANTZ部屋にいた。
GANTZに理由を聞いたら「あやちいから」だそうだ。
わけわからん。
100点武器は光線剣だった。
ビームサーベル、スパッド、ライトセーバー。
男子の夢だ。
今回はチビ星人とやらを一人で倒さないといけない。
中野区ビル街の屋上に転送されて戦闘開始。
敵の数は11体。
敵の弱点はすぐにわかった。
遠距離攻撃方法を持ってない。
あと羽らしきものはあるが、空中では慣性の法則に囚われている。
ジャンプするよう誘導してガンで撃破だ。
1体倒した後、他の奴らも個別撃破しようとしたら、ワラワラと群れてくる。
ん?
何か変だぞ。
こいつら無言で連携してくる。
以心伝心ってやつか。
なら余計に簡単だ。
追い詰められた振りをしてボスも引き付け、新兵器の光線剣で一網打尽にする。
この光線剣、光の刃を霊妙剣のように飛ばす、遠距離攻撃も可能な優秀な武器だった。
ミッションコンプリート。
転送開始。
生き残ったのは自分1名。
チビ星人3点×10体、ボス10点×1体を撃破。
40点獲得で合計47点。
うーん、やっぱり変だぞ。
この前の単独ミッションで、ずっと抱いていた疑問が確信に変わった感がある。
休日の午後、新宿に出向いて紀伊國屋で一冊の写真集を手に取る。
例えばだ。
最近ドラマやCMでひっきりなしに露出している、このグラビア女優のレイカ。
プロフィールを見れば14歳の頃からモデル活躍してるそうだけど、自分は知らなかった。
上京前も人並みにテレビや雑誌は見ていた。
こんな美人で細身で巨乳な娘が目に入れば、必ず覚えているはず。
いや、絶対ズリネタにしてるのは間違いないっ!
もしかして俺、世界線移動しちゃってる?
俺がGANTZ部屋に呼ばれるのも、そのせいか?
他のメンバーは死んだ記憶があるそうだけど、俺にはそんな記憶は無いのだ。
釈然としないまま写真集を購入して書店を出ると、表通りは何かパニックになっていた。
サブマシンガン乱射してるDQNが出たらしい。
いつ転送されるか分からないのでスーツは着込んだまま。
だから撃たれても大丈夫ではある。
ただ巻き込まれるのはゴメンなので、近づいてくる騒ぎから離れようとする。
その時、視界の端に足を挫いたらしい女性の姿が目に入った。
深い帽子を被っていて顔は分からないが、二十歳前の若い女の子のようだ。
銃声は近づいてきており、見捨てるのは忍びない。
有無を言わさず抱き上げて一緒に逃げる。
スーツのおかげで女の子一人くらいお姫様抱っこするのは余裕だ。
体のラインが出ない服装だったので担いでから気が付いたが、この女の子随分とスタイルが良い。
役得である。
路地裏に入って女の子を下ろす。
大丈夫か、と尋ねたら若干パニックになっていた。
落ち着かせようとリュックからペットボトルを出そうとしたら、買ったばかりの写真集に穴が空いている。
どうやら撃たれていたらしい。
女の子に当たらなくて良かった。
無事だったペットボトルを開けて女の子に飲ませる。
帽子を取ったその顔は、レイカにそっくりだった。
え、本人?
思わず穴が開いた写真集を取り出して見比べてみる。
本人じゃん。