テケテンテケテン~!
どうも、初めまして。稗田阿求と申します。
外の世界じゃあ、国際交流が盛んなそうですね。ですが作者は時代の波に乗れてないようで。
留学生が韓国人だか中国人だか見分けがつかない。
韓流スターも全員同じに見える、と言ったらファンの子が怒って
「ほら!よく見て!全然違うでしょ!」
「いやあ…俺には全部同じに。あ、ヨ●様はわかるぞ!メガネかけてるから」
こんなこともしばしばでございます。
アメリカなんかじゃいろんな国の人が入り混じって、“人種のるつぼ”なんて言われます。
でもまあ、幻想郷はその上。生まれた時代も種族も違う人たちが混じっているからさあ大変。
例えるなら“歴史のるつぼ”といったところでしょうか。
そんないろいろな人たちが入り混じった幻想郷でも、興味を持つものは似通ってくるようで。
「ごきげんよう」
「お、レミリアか。まあ上がれよ」
「魔理沙、あんたの家じゃあ無いでしょうに」
「あら、レミリア。どうしたの?」
「ちょっと遊びにね。あら、その子は?」
「守矢神社の東風谷早苗と申します」
「ああ、山の上の…初めまして。レミリア・スカーレットよ。見ての通りの吸血鬼」
「あらそうですか、ちなみにおいくつです?」
「500といったとこかしら」
「500!へえ~。ここじゃあ年齢の価値観がわからないわ」
「見た目は500というより5つだぜ?」
「誰が5つよ!魔理沙、あんたより数倍年上よ。敬いなさい」
「年上ねえ~。じゃあ年上のレミリアさん、一つご教授願います」
「いいわよ、何かしら?」
「化粧の仕方を教えてくれよ?」
「…え?」
「実は私、外の世界から少々化粧道具を持ってきたのです。それを知った魔理沙さんが、ぜひ自分にやってほしいと」
「それで私にも見せたいからって、魔理沙がわざわざ神社まで押しかけてきたって訳」
「なあレミリア、私より数倍年上なんだろ?教えてくれよ」
「…ふ、ふん。私のような吸血鬼の貴族は化粧などいらないのよ。素が良いからね!」
「ただ単にやった事無いだけだろ?」
「興味がないだけよ。それに、たかが化粧ごときで人の顔がそこまで変わるものかしらね?」
「それを今からやってもらうのさ。頼んだぜ、早苗」
そんなこんなで30分。
レミリアが待ちくたびれてイライラし始めた頃にようやく終わりを迎えた。
「ちょっと、まだかかるの?」
「あと5分待ってください」
「もう行くわよ私!」
「あと5分だけ、すごくいい出来ですから!」
「夫婦の会話みたいねえ」
「誰が夫婦よ!」
「お待たせしました!」
「待った、待ったわよ!大変だったわ」
「ただ単にお茶飲んで寝ころんでいただけでしょ」
「霊夢と違って活動的なの!それで、魔理沙は?」
「では、登場していただきましょう!どうぞ!」
パァン!と障子を勢い良く開け、魔理沙が縁側へ出てきた!
「どうだい?」
「…すごいわね。目もとがすごくパッチリしたような。それに肌つやも明るくなって」
「どうよレミリア?すごいだろ?」
「何言ってんだか。前と大して変わんないわよ。あーあ、つまんないもの見せられた。帰るわ」
そういい日傘をさして空を飛び、紅魔館に帰るとすぐさま咲夜を呼びつけた!
「咲夜、咲夜はどこ!」
「どうしたのです?そんなにあわてて」
「大至急やってほしいことがあるの!」
「何でしょうか?」
「私に化粧をして頂戴!」
これには咲夜もびっくり仰天。なにせ化粧などまだするような年じゃない。それに咲夜も化粧なんてしないんだから人に出来るわけがない。
「いえいえお嬢様、今のままでも十分お美しいですよ?」
「もっと綺麗になりたいの!外の世界の化粧を使って、さらに美しく!」
と叫び出すと、今日あったことをあらいざらい語り出した。
「なるほど。ですが、外の世界の化粧用具などございませんよ?」
「だから、あなたの技術でそれと同等の化粧をして欲しいの!」
とまあ、無理難題を吹っ掛けられたわけでございまして。それでも何とかするのが従者の勤め。とりあえず市場からいろいろ仕入れてやってみることにした。
「まずは白粉《おしろい》と紅でもつけてみましょうか?」
「いいわね。付けてちょうだい、私に似合った真っ赤なやつを!」
「あと、香水も買ってきました。いかがでしょう?」
「いい香りね、お願いするわ」
咲夜の手際がいいことも相まって、順調に化粧が進んでいった。
だけどもさすがに明治時代で時の止まった幻想郷。どうしても現代の化粧には近づかない。
「こんな感じでいかがでしょう?」
「悪くないけど…目が弱いわね」
「目、ですか?」
「そうなのよ、もっとこう…パチッとさ。瞳を大きく見せたいのよ」
そう言われても咲夜には何をどうしていいのか見当もつかない。仕方がないのでパチュリーに相談してみることにした。
「化粧ねえ…。それ私に聞く?」
「お願いします、なにか心当たりはありませんか?」
「うーん…。あ、そういえばそんな本があったわね」
「本当ですか!?」
「ええ、これよ」
といって渡されたのは歌舞伎の本。独特のメイクと目に塗った墨にひらめいた。
「ああ、これは確かに目が大きく見える!きっと間違いないわ!」
「…それで、何をするつもりなのかしら?」
「その前にお聞きしますが、魔理沙は目じりやまつ毛に墨を塗っていませんでしたか?」
「そういえば…そうね!確かにいつもより黒い部分があったわ。まつ毛も濃かったし」
「やはり、間違いありません。魔理沙は筆でまつ毛や目の周辺に墨を塗ったのです!そして陰影を付けたりして瞳を印象的に見せたのです」
「でかした!ようし、早速やってくれ!」
咲夜はさっそく筆と綿棒を使って塗り出したのだが…
「痛い痛い!墨が目に入る!」
「ああ、失礼しました。大丈夫ですか?」
「もうちょっと優しく、痛いから」
「ええ、ではゆっくりと…」
「そうそう、上手ね。やはり咲夜が一番だわ」
そんな苦労のかいあって、なんとか形に仕上げて見せた。
目に陰影をつけ、まつげを長くしたレミリアが完成した!
「素晴らしい!流石だわ!ふっふっふ、早速霊夢に見せてくるわ!」
そう言って真昼間だというのに全速力で博麗神社へ飛んでいった。
一方神社では昨日の3人が集まって化粧の真っ最中。
「霊夢さん、肌キレイですね~。化粧のしがいがありますよ」
「いやそんな、ちょっとだけでいいわよ?」
「何言ってんだよ。お前も興味あるんだろ?」
「ふっふっふ!待たせたな!」
「だ、誰だ!…って、レミリアか?何だよそんな声だして?」
「咲夜に頼んで化粧してもらったわ。見なさい!これがさらに美しくなった私よ!」
そう叫ぶと障子をスパーンと開けて、3人の元へ現われた!
「ひっ!せ、世紀末!?」
「ばっ、化け物か!何だお前!」
「…え?」
想定外の返しに全員固まっちまった。それもそのはず。
歌舞伎を真似して塗った眼は元々白い肌と相まって入道のように大きく見える。
その奥にある瞳も口紅も真っ赤。歌舞伎役者顔負けの大見栄を切った顔になっちまっていた!
「ねえ霊夢?この化粧って、いいと思わない?」
「馬鹿。それじゃ化粧というより、仮装だよ」
お後がよろしいようで
元ネタは東郷平八郎の肉じゃがのエピソードからです。
ビーフシチューを真似て肉じゃがが生まれたそうですね。