とある魔術の留年生(仮)   作:ブッシュ

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焼肉 そのいち

特別クラスの初顔合わせも終わり小萌先生が教室を後にした後各々が家路に向かおうとしたとき物語は動き出した。

 

「ねえねえ今日はもうこれで終わりなんでしょ?明日は休みなんだし~ちょ~っとみんなでどっか遊びにいったりしない訳?」

 

クラスメイト達を呼び止めるようと、可愛らしく飛び跳ねるような仕草をしながらちょっとだけカールした金髪を揺らし、フレンダ=セイヴェルンは各々に疑問…というよりも遊びのお誘いを投げかける。が、

 

「悪りぃ、このあと2年のクラスの連中との先約があってな」

「わたくしも下宿先に荷物が届いてるので先にそれを片付けてしまいたいかな、と…」

「はぅあっ!ご、ゴールド…ようやく私を友人と認めてくれたんですね!感動です!マーベラスです!行きましょう!どこにでも行きましょう!」

「パス」

「僕も行きたくないってわけじゃないんだけど、なんかみんな気乗りしてないみたいだしまた次回ってことでどう?」

 

クラスメイトな無慈悲な宣告を聞き、フレンダはあからさまにそしてあてつけがましく教室床にへたり込み、駄々っ子のようにゴネだした。

 

「なによ!なんなんのよ結局友情だ!仲間だ!と言っておいて私と遊ぶのが嫌って訳なんじゃない!フフン、良いってわけよどうせ私は一人寂しくサバ缶つついてるのがお似合いって訳よ!フエーーーン」

「あ、あれ~?ゴールド、私いますよ!ハイハイいます!ここにいますよ!見えてますか?」

 

ついに嘘泣きまで始めた16歳児の周りをぼっちが片手いや今しがた両手をあげてぴょんぴょん跳ね回る。

そんなUFOとの交信みたいな無残な絵面に耐えきれなくなった八重桜がさっさと折れた。

 

「もうやめなってフレンダ!分かったから!僕も行くから!みっともないから早く立ちなって!」

 

僕っ子モデル体型美女がフレンダを立たせようと腕を引っ張り上げるが床でジタバタと更なる徹底抗戦を貫く

 

「やだやだやだ!みんなが行くって言うまでやだ~!(キタキタキタ~!結局このフレンダ様の智謀に愚者共は踊るがいいって訳よ!)」

「イや、行かなイって言ってンだろよ空気読め」

「フレンダ…いい加減に…してください!」

「へ?」

 

舞殿の人差し指が躍るとフレンダの足元の床はたわみ、彼女の身体を一気に跳ね上げた。

 

「~~~ッ!ゴーールドーーー‼」

 

弓箭の叫びもむなしく天井壁床もう一度天井とピンボールのように跳ね回る身体

舞殿の怒りが解けた時は床で夏の終りの蝉のように痙攣しているフレンダ姿が…

 

「フレメア…結局強く生きるって訳よ…ガクッ」

 

そんな惨劇の場に帰宅姿のピンク頭の幼女教師が通りがかり、教室内で殺したり殺されたりしてる教え子たちを見て不思議そうな顔をして言った。

 

「はわ?みなさんこんなとこでなにしてるんですかー?上条ちゃん早くお姫様たちをエスコートしてビールを飲みに…もとい青髪ピアスちゃんのとこに行きましょうよー、先生愚図な上条ちゃんは嫌いなのですよー」

「先生、何言ってんですか?ついに頭までアルコールが回っちゃいましたか?」

「フハハハなんとでも言うがいいのですよ!明日は休みで酒が旨いのです!今日は血がアルコールに変わるまで飲んでやるぜ!」

「え、こいつらも連れていって行くつもりなのか?でも用事ある奴もいるって言ってるぞ」

「青髪ピアスちゃんに可愛い女の子5人ほど連れて行っていいかって連絡取ったら、即決で了解もらえましたよ?大体上条ちゃん後輩なんて遠慮して当たり前なんですよ…今日はいいとこ無かったんだし可愛い後輩ちゃんたちの歓迎会くらい上条ちゃんが率先して開いてあげるべきでしょうが…ここは上条ちゃんの器量の見せどころなのですよ」

 

それを聞くや否やくたばっていたはずのフレンダは息を吹き返し勝手なことを喚く、そしてそれに追従するやつ遠慮する奴

 

「ハイハイ!行きたい行きたい!上条のおごりでお肉!ダイヤカットのお肉は私が予約ね!」

「フレンダ!先輩、そんな無理しなくても…」

「せンぱイが奢ってくれるなら行く」

「そそそそ、そんな大勢と食事?『猟虎ちゃん可愛いわねお友達になりましょう』なんて誘われるかもしれませんね、大丈夫ですよ?ゴールド!あなたはどんなことがあっても私の大事なお友達です」

「男の甲斐性を無碍にするわけにはいかないね。当麻先輩ご馳走さまです」

 

オティヌスは潜り込ませるとしてもインデックス+後輩分のお勘定というあまりに重たすぎる負担を背負ったお財布氷結能力者、上条当麻は意を決し青髪ピアスに電話をかける

 

「だからさ2時間ドリンク込みで6000は高すぎるっての!青髪てめえ気合入れろ、ここが正念場だろうが!2980!このラインは絶対に譲らねえよ!え?そんなの無理?馬鹿野郎!こっちは可愛い後輩たち5人の期待と信頼を背負ってるんだよ!絶対に諦められっかよ!もういい上条さんが直々に行くからお前はもう何もするんじゃねえ!」

 

「先輩、もういいですから!私たち大丈夫ですから!自分の分くらい払えますから!」

 

可愛い後輩が止めるのも聞かず携帯端末相手に吠えまくる上条当麻。彼は決して世界を股に掛けるマネーゲームを繰り広げてるわけではなく、ましてや後輩たちの信頼を背負ってるわけでもない。それでは何をやっているのかというと、

 

「2時間飲み物入れて2980円の焼き肉って……当麻先輩、彼はいったい僕たちに何を食べさせる気なのかな?」

 

値下げ。

 

 

 

 

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