とある魔術の留年生(仮)   作:ブッシュ

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つまらないものですが そのいち

第十五学区ダイヤノイド、学園都市屈指の巨大複合商業施設。

そこに立ち並ぶのは一般学生たちにはなかなか縁のないセレブでゴージャスな品々を売り物にするセレブでハイソないわゆるブランドショップと言われる店舗の数々。

そんな華美な雰囲気に少しだけ場違いな中学生が二名。

 

「うわ!見てごらんよ初春!これ!こんなキーケースが15万円だって!人の皮でも使ってのかな~」

「ゴホン!ん…」

「ちょっと佐天さん!大きな声でそういうこと言わないでください、ほらお店の人がこっち見てますよ!ひぃ!明らかに私たちにプレッシャーかけてきてますって…大体人の皮使ってたら高級ってどういう理屈なんですか?」

 

ショップ店員に睨まれているのを気にも留めず、感じたことの推敲を一切せずに口に出しちゃう快活でありふれた普通の女の子、柵川中学二年生の佐天涙子。

それを小声で窘めているのは同じく柵川中学二年生、頭につけている花をかたどった髪飾りが特徴的な少女初春飾利。

なぜごく平凡な中学に在籍する中学生二人がこんなとこにいるのかというと、

 

「うー、進級を祝ってみんなでちょっと大人なショッピングしようって言ったのは私なんですけど、やっぱり私たちにダイヤノイドは背伸びしすぎですよ。はやくケーキでも食べて、私たちの身の丈に合った場所でお買い物しましょうよ」

 

陳列されてる商品の値段札と招かれざるお客様へのショップ店員の物言わぬ雄弁な視線に耐え切れなくなったのか初春は半ば泣きべそをかいていた

 

「全く初春は。私たちは悪いことしてるわけでもないんだからどんと構えてりゃいいんだよ。そ・れ・に!今帰っちゃったら、ほら!御坂さんが困っちゃうでしょうが!」

 

しっかりしろ!と初春の背中を叩くと無能力者の少女はいたずらを思いついたような表情で、はす向かいのメンズ向けブランドショップ、二本残った爆弾起爆用の電線を前にした爆弾処理班のような顔で両手に商品を持ち、あーでもないこーでもないと頭の先から煙を出している常盤台中学制服の少女を指さす。

 

 

「やっぱり無難なのは財布…いや、これは絶対趣味があるわよ。茶色…白…いやまて!黒って手もあるわ!不味いわ…あいつの好みとか私全然分かんないじゃない」

 

ついにぶつぶつと独り言まで言い出したのは常盤台の大看板、学園都市序列三位『超電磁砲』こと御坂美琴である。

お嬢様学校常盤台の学徒ということで店員から冷やかし扱いはされていないが、違った意味で奇異の視線を向けられていた。

 

「御坂さん、上条さんに渡すプレゼントは見つかりましたか?」

「うひぃ!あああさ、佐天さん!ご、誤解なのよ!これはあいつへのプレゼントとかそういんじゃなくて、そう!パパ…じゃなくて父への贈り物なのよ!」

「み、御坂さんここ若者向けメンズブランドですよ」

 

(まったくもう可愛いなぁ)

 

聞いてるこっちが恥ずかしくなってるようなあからさまな嘘をこの聡明な先輩が余裕なく口走ってることに口の緩みが止められなくなってる佐天。

御坂の嘘をバサリと切り捨てる初春。

そんな3人のやり取りを聞いていられなくなったのかツインテールの常盤台生は現れた。

 

「お姉様、幼稚園児でも分かる幼稚な嘘はおやめになって、素直にあの殿方へのプレゼントを買うと仰っていただけた方がこちらとしてもめんどくさくなくて助かりますの」

「あれ白井……さん。もっと上条さんの件に噛みつくと思ったけどそういうの止めたの?」

「佐天!いい加減呼び捨てにしてくださいな。それとあの殿方についてお姉さまにウダウダ言ってももうどうしようもありませんわ。さっさと済ませって貰った方がこちらの精神衛生上良いというもの。それにあの殿方にはわたくしも懇意にさせていただいているのでこの際、お姉様の贈答に相乗りさせていただきますの」

「ちょっと二人とも違うって言ってんじゃない!てか黒子あんた…」

 

ツインテールの常盤台生、白井黒子は御坂美琴の抗議をさらりと受け流し、陳列棚に目を向ける

 

「それでお姉様はどのようなものを送ろうと考えてらっしゃるのですか?まさかファンシーグッズを送るなんて言わないでくださいまし」

「なによ可愛いじゃない!そんないい方しなくたって…うーん、やっぱり日常的に身に付けてもらえるものがいいわね…指輪とか」

 

その場の空気がグニャリと歪む。

顔を真っ赤にする御坂、それを聞いて凍り付く三人。

 

「み、御坂さん…」

「あはは、ちょっと重たすぎですね」

「お、お姉さま流石に物事には順序というものが…」

 

三人の表情の色を見て電撃姫の意見はオセロのようにひっくり返る

 

「な、なんてね!なんちゃって!そうよねやっぱ指輪なんておかしいわよ!じゃあネクタイピン!あるいはカフスボタンなんてどうよ?」

 

言うや否やふらりと御坂を歩き出す。

 

「悪くはないですけど上条さん学生服でしたよね…」

「カフスボタン…御坂さんやっぱり結婚式にちょっと重心傾いてませんか?」

「あの殿方がドレスシャツを着る機会があるようには思えませんが…」

 

またしても自分の意見へ駄目だしされていい加減焦れだす御坂

 

「もうなによ!アレもダメこれもダメ!じゃあなんならあいつは満足するって言うの?」

「お姉様ちょっと落ち着いてくださいませ!あの殿方の服や装飾の好みとか…趣味はご存じないのですか?」

 

ゴミ箱に捨てていたパーカーを愛用する上条当麻に服の好みなんて考えるだけ無駄なのだが、それはそれ。

御坂はもう一度その優秀な脳細胞をフル回転させて彼の着ていた服、趣味などを思い出そうとする。

 

「学生服を着てるイメージしかないわね…」

「こりゃ駄目ですわ…」

 

4人は一斉に首をがくりと落とす。そこへ、

 

「あらぁ?奇遇じゃない☆」

 

蜂の女王は舞い降りる

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