「って事はなに?ほんとうの留年じゃなくて2年生のカリキュラムをこなしながら月の内何度か新入生クラスで授業を受ければ上条は普通に進級扱いなわけなの?だから(仮)?」
話を聞いてる間ずっと腕を組み、豊満すぎる胸部をさらに強調する吹寄に視線を泳がせながら一年生周回プレイ野郎はしどろもどろになりながら答える
「ああうん…その授業受けるクラスが「特別」だとか「問題」だとか小萌先生も言ってたけど…概ねその認識であってると思うぞ。」
「上条君。女の子相手に。その視線の動きは逆に不自然すぎる」
「上条、人と喋る時は相手の目を見てキチンと喋りなさい。」
「そんな!こっちとら無垢な高校生男子に無茶言わないで頂けますかねお姫様たち。そんなのどうしても意識しちゃうっての」
自身の進級の是非よりおっぱいが気になってしまう世界を救った英雄もとい上条当麻は救えない自己弁護をごにょごにょと呟いていた。
「ふふふふふふふふふCカップ。凡庸」
「やめて!姫神!そういうの男子の前でやめて!こっちとら意識から消そう消そうと必死で心を無にしようとしてんの!頭の中が諸行無常の大乗仏教でガンダーラなのよって…むぐっ!」
「上条はだから人の話聞きなさいよ!」
吹寄制理はなおはしゃぐ馬鹿の頭をむんずと捕まえヘッドロック
頬に胸が当たってもう上条の頭の中は天竺からありがたいお経を根こそぎ持ち出してきても悟れないことになっていたが
とはいえだ、今はこんな馬鹿な事よりやることがある
「上条の相手してるといつも調子狂わされるわね…進級おめでとう…ほんとおめでとう」
「うん。めでたしめでたし」
頭を拘束されていて吹寄・姫神の顔は見えないがきっとその顔は満面の笑顔に違いない。
だって上条当麻の耳に届いたその声は普段聞く彼女たちの声よりもずっとずっと弾んでいたんだから。
そしてようやく拘束が解かれて、上条は二人に向き直りそうしてこう言った
「心配させて悪かったな。そしてありがとうな二人とも」
「なによ改まって…そんなのいいわよ、馬鹿」
「うん。どういたしまして」
鈍感な馬鹿が慣れないことをすると周りも気恥ずかしくなってくるもんで
というかさっきまでの告白染みた言葉まで気恥ずかしくなってきて
それをかき消すかのように吹寄と姫神も慣れない馬鹿な事を言ってみる
「というかあれよね上条が留年(仮)なら私たちは先輩(仮)よね!」
「うんそうだね。上条君。先輩命令。あんパンと牛乳買ってきて。ダッシュで」
「そうだそうだ上条!先輩の命令は絶対だ!能力向上パン買ってきなさい」
「へいへい分かりましたよ…ったくよ、とんだ体育会系の先輩だぜ。まあパシリ8段の上条さんに任せなさい」
2人はわざとらしいまでの手振りで冗談めかして上条を追っ払う
そして上条が教室を出ていって完全に見えなくなったところで、二人の黒髪の美少女はどちらともなくこう口にした
「本当に良かった…」と
その夜、何の名目ともわからぬ焼肉パーティーが月詠宅で1年7組の有志と純白のシスターを交え遅くまで行われた。余談ではあるが上条当麻は純白のシスターに留年(仮)がバレて無茶苦茶噛まれた。
めでたしめでたし
と、締めくくりたいとこではあるが上条と二人の少女は喜びのあまり失念していたのであろうか?
上条当麻は不幸な少年であり特別待遇、千載一遇の好機などというものとは無縁であることを。
いや既に上条自身が既に不穏当なワードを口にしていることを。
上条当麻と特別で問題のある新入生が交差するとき、物語は始まる‼
冷たく暗い某拘置所一室にて学園都市最強にして現統括理事長は苦々しい顔で舌打ちをし
いくつかの身分証明と経歴を書き込まれた書類群と数枚の人物を写した写真を眺めこう呟いた
「また世話ンなるぞ…ヒーロー」