変身絶唱シンフォギア—悪意のAIと共に転生— 作:鏡花水月アッくん
ある人が言った。
人が人を助けていいのは、自分の手が直接届くところまで
その人の中にある後悔、絶望、憎悪……様々な悪感情があるにも関わらず、自らの善意の心から搾り出し、醜い現実に抗い続けている。
それに比べて俺はなんだ?
護った者達からは後ろ指を立たされ、
恐怖という誰しもが持つ悪意によって、
人々は、俺を……いや俺達を非難する。
人のみを襲う“ノイズ”と呼ばれる災厄から、
圧倒的な力を持って倒し続けている俺達は、
彼らの瞳には同じに見えているのだろう。
『ソレが人間という愚かな種族だ』
ーーだが、俺も人間だ。
『ならば何故お前は闘う?』
ーーいちど理不尽な死を迎えているからこそ見過ごせないこともあるだよ。
『理解不能だ』
ーーなら、しっかりラーニングしとけよ。
『………理解不能だ』
ーーふっ、本当は嬉しい癖に。
まったくヒーローってのも並大抵の奴じゃ務まらないワケだよ。
悪意しか学んで来なかった“コイツ”は、どんな時でもバックルからぐちぐち小言とも言える悪意を言い続けてくれるおかげで、俺はまだ善意を捨てずにいられる。
ーーさぁ、今日も人類の敵を滅亡させようぜ?
オールエクスティンクション
ーーなんせ、俺とお前は、
ーー2人で1人の仮面ライダーなんだからな?
この世界には、仮面ライダーというモノは存在しない。
都市伝説にも、ネット用語にも、テレビの中ですら存在しない。
その名を知っているものは、この世界において俺達以外にはおらず、人々の記憶に残ることも、認知されることもなかった。
あの時までは。
滅亡大好き!でお馴染みのコイツは、仮面ライダーがいないことに喜んではいたが、少し寂しげな様子だったと俺には感じ取れた。
それはまるで、競う相手がいない子供の様な感じであった。まぁ、本人は1000%否定するけど。
話を戻そう〜。
仮面で顔を隠し、自らの表情を偽り欺きながら戦う戦士がこの世界には誰一人としていない。
そして、彼らの様な人が傷つきながら自分を犠牲にしてまで戦わないので済むのであれば、それに正しく良かったと言えるだろうことはない。
平穏の日々を送る誰もが、きっとそう思うだろう。
しかし、闘う彼らがいないということは、その世界が平和であるというなんて結果になるわけでは無い。
世界というモノはそんな単純な作りなどでは決してない。
世界には常に理不尽なまでの悪意が渦巻いているのだから。
そして、闘う彼らがいなくても、哀しいことに世界には悲劇が満ち溢れている。
ならば、人の自由の為に闘う彼らが、“仮面ライダー”がいれば、世界は本当に平和なのだろうか?
ヒーローが居るから平和という式は何処にも存在しない。
寧ろ逆の話である。
ヒーローが活動しているという事は、彼らが戦わなければならない現実が、そこにはあるというモノ。ソレは、彼等にとって、倒すべき悪がその世界に存在しているという事になる。
しかし、俺達がいる“この世界”に存在しているのは人の悪意だけでない。全くの人類という種が立ち会ったことのない“ノイズ”と呼ばれる未知なる超常にして人のみ降り注ぐ災害も存在する。
そして、その災害に対して、俺達には一切の知識を持たない。周囲の者達からすれば常識でも、俺とコイツにとっては常識ではなく未知そのもの。
その知識がないというのは全く恐ろしいものであることを身を持って体験した。その災害に対して、俺はなにをすれば良い、何が正しいのか、どう行動すれば良いのか、その全てが不明なのだ、恐ろしくないわけがない。
この世界における敵とは、人類共通の脅威とされ、人類を脅かす認定特異災害“ノイズ”である。人類滅亡以外の趣味をアニメや映画視聴の他に、この世界の知識収集とする
補足として、ほぼつまりは大体であり、効率を考えず絶え間なく攻撃を仕掛ける長時間の飽和攻撃によって殲滅は可能とのことだが、そんな攻撃を街中でしようものなら都市が機能不全になるため、非効率すぎる。
そんな“ノイズ”相手に人間は殴る蹴るという愚かな真似はしない。というかできない。やったら死ぬ!マジで!!
そのため、有用かどうかはともかく、シェルターに引きこもり去るのを待つばかり。
改めて、もう一度言おう。
この世界に“仮面ライダー”は存在しない。
しかし、
心が未熟な者に力があるというこの現実は、本当に厳しいというか、理不尽というか。
果たして、彼らの様なことが俺やコイツにできるのだろうか?
彼らの様に、人間の自由の為に戦えるだろうか?
『私はオマエなどと心中することを拒否する』
ーーやれやれ、そこは一緒に闘うと言ってくれないのか?
「ーーーーーー!!」
インカムから聴こえる肉体を持たない
この世界で、俺達は人々に仮面ライダーという希望を与えることが出来るのだろうか?
答えの来ない自問自答を繰り返しつつも、俺は懐から漆黒のドライバーを取り出し、腰に装着させる。
「いくぜ……アーク!」
『滅亡せよ』
ベルトから流れ出る音声と共に、俺を中心に、いつ聴いても慣れない阿鼻叫喚な叫び声と共に黒い液体は、そのまま俺の身体に身に纏うと同時にその姿を現した。
シンプルな黒い鎧を身に纏っているが、折れた右アンテナに左半分が割れた仮面、上半身は至る所に様々なパイプが繋がっており、装甲にも僅かばかりのヒビが入っており、まるでナニカを無理矢理剥がした様な姿をしている。
しかし、彼から滲み出る禍々しいオーラは先程の阿鼻叫喚と同じくらいに見る者全ての背筋を凍てつかしかねないほどの『悪意の化身』であった。
様々な形のノイズに、少年が変身した異形がゆっくりと歩み寄る。
走ることはなく、絶対なる強者の歩み。
そして、彼の足元からは先程と同じ阿鼻叫喚が表す様々な悪意の呪詛が漏れ出ては消えていた。
その悪意に反応したのか、ノイズがその異形へと駆け出していく。
その光景を見て、周りにいた人々のうちの誰かが悲鳴をあげる。
当たり前の事実である。
ノイズに触れられた者は皆等しく、
抵抗する間も無く炭素へと変えられてしまうのだから。
故に災害。
故に避けられぬ死。
しかし、ソレは例外であった。
1つの軍団と化したノイズたちが集まっていくが、ソレは片手を翳すと、その掌から禍々しい光を持つ荷電粒子砲が放たれた。放たれた荷電粒子砲によって、一瞬にしてノイズの軍勢は塵と消えた。
【アタッシュ・アロー】
更に、ソレはバックルから創り出した弓を使い、自身の数倍の体格を持つ種類のノイズですら弓から放たれた弓矢で次々と撃ち落とされ、消滅していった。正に、たった一人の軍団いや新たなる災害とも取れるチカラをソレはふるった。
「『私達/俺達は仮面ライダーアークゼロ』」
「仮面、ライダー?」「どういう意味?」「知らない知らない?」
ソレの近くにいた者達は、自分達の知らない単語を繰り返す。
異形の姿を表す単語なのか、はたまた彼らを襲っていたノイズを消し去った能力を指す単語なのか。その言葉の意味を真に理解することは、本人達以外にできない。
何が起こったのかは誰一人として理解出来なかった。それでも、自分達は助かったのだと、その点だけは徐々に理解していく。
「た、助かったんだよな……?」
「あっ!!さっきのアレ絶対写真撮っとかなきゃ!」
「そうだな…って、あれ?」
懐からデバイスを取り出し操作を始め、災害を駆逐した異形の姿を撮ろうとする。しかし、その瞬間、その異形の姿は何処にも見当たらなかった。
ちょいと死んで丸くなったアークさんとオリ主の物語です。
作者はガラスのハートなので、批判にはあまり耐えれそうにありませんので!
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