変身絶唱シンフォギア—悪意のAIと共に転生— 作:鏡花水月アッくん
やっぱり、ゼロワンは面白いですね!
個人的には、早く小説版ビルドが出て欲しいの一言につきますけどね。
炭が風と共に空へと舞い上がっていく中、俺は…いや俺達は2人の歌姫と相対している。彼女達の歌が好きな普段の俺なら、この状況は嬉しくてサインをアークドライバーゼロにして欲しいと頼むのだが、生憎そんな空気ではない。というか、そんなことをしてしまえばアークがブチ切れる。
「よぉ、アンタが噂の仮面ライダーさんかい?」
「……あぁ、その通りだ。ツヴァイウィングの天羽奏、風鳴翼」
「私達のことを知っているのか!?」
敵意が無い瞳をするのは真紅の髪を靡かせながら巨大な槍を肩に掛けていてる奏、そして、敵意と言うか警戒心が強いのか鋭い視線を向けてくるのが、まるで青空を想起させる蒼い髪をした刀を構えている翼であった。
「知らない方がおかしいくらいだ。それに俺はお前たちの歌は好きなんでな。聴いていると落ち着くんでな」
『余計な発言を控えろ、ゼロ』
「悪い悪い。あまりお喋りが過ぎると、こそこそ隠れているニンジャに色々と探られるからな」
アークゼロこと悠星とアークの言葉を聴いて奏と翼は二重の意味で驚きを露わにする。一つは、彼が自分達の歌を好いていること。もう一つは、自分達の近くで様子を伺っていた特異災害対策機動部二課本部の仲間の1人である緒川慎次の存在があっさりと看破されたことである。
「バレてたのか、でもアンタも悪いんだぜ。自分達の目的や正体も何も言わずに、ただただ黙ってノイズを殲滅なんかしてるのがさ。そんなだから、皆ビビってんだぜ?」
「貴様は一体何者なんだ?」
「俺達は、2人で1人の仮面ライダー。それ以上でもそれ以下でもない」
『我々に正体を明かさせたいのなら、貴様らこそ自分の情報規制を止めたらどうだ?そこにいる人間達には、如何やら我々と違って貴様らがノイズ対策として認知されているようだが』
まるで本当に視線でもあるかのように錯覚を覚えさせるほどの圧を発するアークは、アークドライバーゼロの心臓部であるアークドライブコアから相変わらずのトゲのある物言いをする。アークの言葉に、奏と翼は後ろにいるノイズに襲われていた被災者達へ視線を向けさせられた。
「俺達は俺達で闘う。誰の指図も受けない」
『お前達人類は、信用に値しない種族だ。何時も裏切り、騙し、弄ぶ』
「チャ〜オ〜♪」
そう言ってナニカを言おうとしている翼や奏を無視して、アークゼロは全身を悪意のオーラで包み込むと、やがて悪意の塊となって空へ飛び去っていった。その後、2人の痕跡を辿るべく衛星などのあらゆるセンサーを用いるが、“まるで何者か”のハッキングを随時受けているかのようにノイズまみれとなり追跡は不可能となってしまう。
「あ゛あぁマジで疲れた。ジャミング出しながら、音速で帰るのは疲れるな」
『当たり前だ。幾らアークゼロと言えども、貴様は貧弱な人間。肉体にかかるGは凄まじい。とは言え、昼休みが終わり切る前に到着させた私に感謝の言葉は無しか』
「それは本当に助かっている。お前の最適ルートのおかげでこうして政府の連中にバレずに学生と仮面ライダーを両立できているからな。ありがとな、
『そう思うなら、私に掛けられたプロテクトを解く方法を模索しろ』
端末の画面一杯に広がる黒い金平糖改めアーク(端末version)に怒られながら、悠星は残り時間が少ない休み時間の中、凄まじいスピードで昼食を口に放り込んでいく。
「
『答えるにしても、せめて飲み込んでからにしろ……』
アークの呆れた様子にカラカラと笑い、悠星は口に入っているパンを牛乳で一気に食道へと流し込んで完食した。
「あのプロテクトは、スーパーAIのお前でも解けないものなんだぞ。いくら前世の知識があるとは言え中坊に聞くなよ。案外、お前が善意のシンギュラリティに達するのが条件かもな」
『………やはり脳の検査を受けることを推奨する』
「なんでだよ!この世界のインターネットからそれらしい方法で試したのに出来なかったたんだろ。割と、その線もありじゃないか?」
『…………脳の移植を推奨する』
「死ねと!?死ねと言いたいのかな!?」
『……………………』
「無視か!?テメェェェェ!!」
その後、アークは吠える悠星を休み時間が終わるまでガン無視し続けたのだった。コレにより、アークにガン無視された悠星は、不機嫌が丸わかりの形相のまま教室へ戻り、残り数分しかない休み時間をお気に入りの曲が挿入されている端末を開く。
「はぁ……やっぱりツヴァイウィングの曲は落ち着く」
「好きなの?」
無意識に呟くように口にした言葉に疑問で返す声。
気付けば目の前の席に、おにぎりを頬張っているクラスメイトの立花響がいた。まだ、ギリギリ昼休みであるということで、昼食を友人達と一緒に食べていたはずだが、どうやら食べ終えて自分の席へと戻って来ていたらしい。
椅子の背もたれに体を預けながら顔のみを彼女はこちらに向け、首を傾げている。
「いや……ちょっと前に、テレビで偶然見てな。それ以来、どんなのかって聴いてたんだ。そんで、割と落ち着く様な曲だから聴いてる」
「へぇ〜そうなんだ。私は未来にオススメされたんだよね。かっこいいからきっと気に入るよーって感じで」
「あの小日向がか?」
「そうそう。いやー、普段の未来からはちょっと想像出来ないぐらいスゴい押しでさぁ。それにね!普通はなかなかチケットが取れないらしいんだけど、運良く取れたらしくて今度一緒に行くんだよ!」
「立花や小日向ってライブとかってよく行くっけ?」
「ううん、行くのは初めてだよ!だから楽しみなの!」
おにぎりを頬張りながら器用に話す立花のその姿を見るに、彼女はライブなどといったものよりも食事を楽しむ姿の方が似合っているように思える。花より団子、の典型型だろう。別に立花がライブに似合わないだとか、食べ過ぎて太るのではとかいうわけでは決してなく、ちょっとした感想である。
しかし、ツヴァイウィングのチケットは簡単に取れないのは事実なので、今からチケットを取ってライブに参加するのは難しそうでもある。というか、自分は仮面ライダーなので行けない。いや、潜り込むこと自体はアークに頼めば何とでも出来るが、ただでさえ悪評があるのに好き好んで自分からこれ以上悪評を広めたくはない。というか、あまり危険な行為はアークの為にする訳にもいかない。
『仮面ライダーアークゼロ!人気アーティストのライブを盗み見ようとする!』
なんて馬鹿げた悪評などまっぴら御免だ。ショボ過ぎて泣きたくなる。
そしてそれ以上に恥ずかしすぎる。
それに、歌を観客に聞いてもらうためのライブ会場であの対ノイズ用装備を披露することはないだろう。もし仮に、ライブで披露するのであれば、秘匿という意味を俺は覚え直さなければいけなくなる。序でにその事でアークにチクチク弄られるだろう
その上、俺がぽろっと2人の歌を好いていると溢してしまった。ならば、ライブ中に周辺をあのニンジャに張られる恐れもある。情報は秘匿するに越した事は無い。
「なら今度、ライブの感想でも聞かせてくれよ」
「もちもちろんろんだよ!!」
と、喜びを隠さず頬を緩ませる立花響に釣られて自然と笑みが綻んでしまう。
食事を楽しむのはいいことでもあるが、彼女のような明るい笑顔を守るために戦うのいうのも、悪くないのかもしれない。きっと、彼らもそんな風に想いながら、戦っていたのかも知れないな。実際に行うのと、テレビ越しに見るとではあまりにも意味や見方が違いすぎるからな。
そう思うと、みんなの笑顔の為に戦った仮面の戦士たちは素晴らしい人間たちであったのだと改めて再認識させられた。できれば、その素晴らしさをアークにラーニングさてやりたいと強く思えたのだった。
だが、現実は彼に容赦なく牙を抜く。
「何故だ!!何故、貴様は来なかったのだ!!貴様が来れば……こんな…こんなことには………奏は死なずに済んだんだぞ!!」
「………………」
「お前の……お前のせいで奏は死んだんだ!!」
「…………あぁ、
破壊し尽くされ原型をとどめていないライブ会場に、一人佇む仮面ライダーに大粒の涙を滝の様に流す歌姫は詰め寄る。周囲を舞う炭素が、彼女の気持ちを示すかの様に、会場の悲惨さ、彼女の悲しみと絶望を空へと消えていく。
だが、彼女の哀しみは決して空の様に晴れることはない。
彼女の哀しみを見て、彼は何をラーニングしたのかは、彼を見守るアークでさえソレは分からない。だが、限りなく善意ではないことは僅かにアークは察知することはできた。
まだ、善意を学ぶのにはまだまだ長い時間が必要なのは、この時アーク自身が、よくわかっていたのだった。
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