バグのかけらをひたすら集めるクリームランド在住のデバッガー   作:けっぺん

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FINAL TRANSMISSION-1 【本】

 

 

 再び内部に入り、殺風景な通路を進めば、その突き当たりに一体の警備ロボと伊集院少年がいた。

 灰色の警備ロボの額には巨大なドリル。そして壁にはちょうどコレが通れるくらいの大穴――登場の仕方が想像つくな。

 

「伊集院少年、この警備ロボは――」

「ちょうど今片付けた。少々梃子摺ったがな……光はこの先に進んだ。行くぞ」

 

 伊集院少年は問題なく警備ロボの攻略を済ませたらしい。

 警備ロボの傍にある扉を開け、その先の部屋は――島の内部の大半となっているだろう研究室だった。

 壁中に張り付いた機械は全て正面のひときわ巨大な椅子に繋がっている。

 少しだけ高みにあるそれは、まるで玉座だ。

 仕えるオペレーターたちの椅子はその左右。パルスインによるフルシンクロの代償を負っていることが一目で分かる惨状が並んでいる。

 見覚えのない男、砂山氏、アネッタ嬢、ヒノケン氏。

 そして――まだ彼らのような深刻なダメージを負っていない光少年。

 

「これは……」

「全てパルストランスミッションのための装置だね。こんな方法でのフルシンクロは通常のそれと比べ遥かに危険だ。デリートされた以上、正直無事は保証できないが……ここで出来る措置はない」

 

 何せ、ナビと同期した上にそのデリートに巻き込まれたのだ。

 コサック氏のように本体に逆流したならばともかく、精神のロストなどどうしようもない。

 事が終わった後、この島の電脳世界を洗いざらい探すのが唯一の手段だ。

 

「そして、彼を追って光少年はパルスインを試みた訳だ。……これまで散々、そのリスクは私が実演してきた筈なんだがな」

 

 正面の椅子に座っているのは、WWWの首領ワイリー。

 部屋を見る限りプラグイン出来るような端子はない。解凍の進むプロトを真に掌中に収めるためにパルスインしたワイリー氏を追うには、たった一つ空席だったそれを使うしかなかったようだ。

 

「光に任せるしかないというのか……」

 

 既に倒れたオペレーターを動かすのは――危険だな。

 精神データが無事であっても、元の形に戻すのは同じ変換方法でなくてはならない。

 パルスアウトを行っても戻る場所に本体が無ければまた面倒なことになりかねないし。

 そして、私もこれは動きづらい。

 私のパルストランスミッションは結局プラグインの応用だし――そもそもこの椅子の形式では私が使ったところでエールハーフやエールオールを纏えない。

 恐らく接続したPETからナビとチップデータを送れる仕様……ん? いけるか?

 誰か――砂山氏でいいか、近いし。共に仕事をした仲だ、許せ。

 接続されたPETと椅子の接続を切り、PETからの操作で椅子をPETの接続待機状態に変える。

 うん、いけそうだ。

 

「何してるんや?」

「ここにPETを接続すれば、ナビだけなら送れそうだ。とはいえ――オペレートも出来ない単身突入になるがね」

「……ブルースはまだ戦えるが……」

「無傷なのは一人だけな訳だ。では、決まりだな」

 

 ブルースとはいえオペレートのない状態ではポテンシャルを発揮できまい。

 何より、元々このつもりだった。被弾を避けて先の戦いを終わらせたのは、ここで全力を発揮するためだ。

 

「だが――!」

「キミらの仕事は、戻ってきた時にどんな状態か分からない光少年と、まあ、ついでに私を船まで無事に連れていくことだ。力仕事は従来、男の子の仕事らしいからね」

 

 そんな冗談を言って、伊集院少年を黙らせる。

 その間に、エールオールを実行。だが、普段のそれとは少々勝手が違う。

 

 

 安全地帯確保:OK

 

 電脳世界とのパス形成キャンセル

  PET内からの送信を実行しません

 

 パルストランスミッションシステム構築中…

 

 

 柔らかそうな座椅子はないな。

 仕方なく、手近な壁に背を預け、床に座り込む。

 怪訝な表情をしているのは荒駒少年と大山少年――彼らにはまだ見せていなかったしな。

 

「伊集院少年、私がこれを実行したらPETを外してあそこに繋げるのと、戻ってきた時にまたここに取り付けるのをお願いしていいかい?」

「……? あの椅子に接続したままでは不可能なのか」

「このバンドがあの装置の代わりでね。精神データをPETと行き来させるのに、ここに繋げておく必要があるのさ」

 

 PETからのコマンドを受け取り、脳に信号を送るのは全てこのバンドの役目だ。

 バンドとPETがセットで私のナビの仕事道具。何も、なんの意味もなくここに固定している訳ではないということだ。

 

 

 パルストランスミッションを開始します

 

 3

 

 2

 

 1

 

 

「それじゃあ、頼むよ。心配しなくても、光少年とロックマンだけは必ず帰すから」

「――――」

 

 

 エールオール.EXE

 パルストランスミッション

 

 

 

 

 目を開いた私の視界に飛び込んできたのは、真っ赤な景色だった。

 

『――なんともまあ、リアルというか醜悪というか』

 

 肉だ。硬さはあるが、床や壁だと思うと違和感を感じざるを得ない。

 それで電脳世界の床を舗装してあるような妙な感触は、やはり通常の電脳とは違う世界であることを物語っている。

 というか――電脳というよりは生き物の体内のようだな。

 ここが何処なのかははっきりしている。

 

 ――プロトの内部だ。

 

 こうして特有の空気……とでも表現すればいいのか、違和感に触れてみれば、奇妙な感覚に襲われる。

 ノスタルジーというのかもしれない。

 私の生まれる前の世界であるため懐かしさは感じないが、その古さには逆に新鮮さがあった。

 平和なエリアであるのなら、ここに浸っていても構わないのだが、生憎そんな生温い世界ではない。

 周囲、というか全域に満ちた、悍ましいほどのバグの臭い。

 こんなもの、医者(デバッガー)でなくとも分かるぞ。もう助からない、手遅れになったものだけで構成された、存在そのものを許容できない場所だ。

 一目見ただけで匙を投げたくなる気持ちを抑え、前に進む。

 湧き出るアメーバのような存在――プロトバグには先の戦いで余ったワクチンを吸わせたナイフを投げていく。

 通路で待ち構えていたアレとは厳密な種類が違うようで効果は薄いが、離れれば追跡を終えて沈んでいく以上動きが鈍ればそれでいい。

 

 何処まで続いているのか分からない真っ赤な世界の中で、人の姿を見つけるのは簡単だった。

 腰の曲がった老人の精神データは、随分と複雑そうな表情で私を待ち受けていた。

 

『こんにちは。初めまして、ワイリー氏。こんな場所を散歩だなんて、些か趣味が悪くないか?』

『……ふん。趣味が悪いのはお互いさまじゃろうて。バグを纏って電脳世界で戦う術を得るなどと、父親が知れば嘆くぞ、ヴァグリースの娘よ』

 

 彼について、話を聞いたことは殆どなかったものの、それでも知己ではあった。

 ゆえに彼は私を知っていて、そんな耳に痛いことを言ってきた。

 

『あの男も愚かじゃった。娘の教育が終わる前に命を断つとは。十数年後にここまで邪魔されることが分かっていれば、色々とやりようもあったものを』

『貴方から見た父の所見は気になるが、今回は別件でね。昔話はまた別に機会を設けようじゃないか』

『残念じゃが、そんな機会は訪れまいよ。いよいよ役に立たん部下共も全滅したようじゃが、貴様が来るのは少し遅かったな』

 

 ワイリー氏が笑みを浮かべた直後、地響きが起きる。

 彼方の肉の壁がぶち破られ、真っ赤な液体の滝が出来た。

 その流れから放り出されるように――小さな二つの人影が飛んでくる。

 ――あれは。

 

『うわああああぁぁ――――!』

『おっと……』

 

 ちょうどすぐ傍に落ちてきた青い方を受け止める。

 生身ならともかく、曲りなりにも戦うことが出来るこの姿なら、これも叶う。

 

『無事か? 光少年、ロックマン』

『へ……? え、エールさん!?』

 

 フルシンクロした二人は、どうやら先に戦っていたらしい。

 彼らを立たせ、ワイリー氏の傍に落ちてきた相手を見る。

 ――凄いな。単身、というか二人で、ここまでやったのか。

 

『どうした、フォルテ。苦戦しておるではないか。ガーディアンを取り込んで尚、ヤツらを倒し得ぬというのか?』

『黙れ老い耄れ……! 貴様はただそこで見ていればいい、このオレの究極の力を!』

 

 二人は今の今まで、フォルテと戦っていたのだ。

 ダメージを受けていない訳ではないが、まだ余力はある。そして、フォルテもまだ同様。

 二人の完全な同期であれば、あのフォルテとも対等に戦える――凄まじい結果ではあるが。

 ワイリー氏の発言は聞き逃せない。

 

『ガーディアンを、取り込んだだと?』

『そうじゃ。このプロトに納められし最高のプロテクトプログラム・ガーディアンは先程フォルテが破壊し、ゲットアビリティプログラムで取り込んだ! 電脳世界最強となったお前であれば、容易くヤツらに勝てよう?』

『言われるまでもない――続きだ、青いナビ、そしてそのオペレーター。もう一方の相手は後だ、まずは貴様たちから打ち倒してくれる!』

『くっ!』

 

 両手を闇色のソードに変換し、突っ込んでくるフォルテにロックマンも『フレイムソード』で対抗する。

 両者が隙を探すように動き回りながらぶつかり合う戦いは、戦場を一定にさせず、すぐに遠くへと離れていく。

 

『……そうか。フォルテと組んだのは、そのためか』

『クク……あれを一から解除しようと思えば、随分な遠回りが必要になる。元々そのために動かしていたゴスペルも貴様たちのせいでしくじったのでな』

 

 それがワイリー氏がフォルテと組んだ本当の目的。

 そして、ゴスペルという組織を使ってフォルテのコピーを作ろうとしていた真の目的。

 ガーディアンと言えば、光正博士が作り上げた、プロトの最終封印プログラム。

 解凍が最終段階まで進んだところで、これを解除しなければ完全な復活はあり得ない。

 ――フォルテの力を、この期に及んで過小評価していたのかもしれない。まさか彼の力が、ガーディアンを破壊できる域にあるなどと。

 破壊は既に成された。フォルテが知らないままに、全ての工程は完了している――!

 

『ここまでの褒美じゃ。ヤツが戦いを望むならば、プロトに吸収されるその時まではガーディアンで得た更なる力、好きに使わせてやるわい』

『……貴方も危険なんだぞ』

『今からワシは、復活したプロトとフルシンクロし、プロトの脳となる。ネットワーク社会の全てを喰らい尽くす災害を、ワシが指揮するのじゃ!』

 

 どくん、と足場が、壁が、電脳世界全てが脈動する。

 目覚めの証に笑みを深めるワイリー氏は、分かっていない。

 この世界が、蠢くバグがどれほど“他者を理解しない”ものなのか。

 

『……これを操るなど不可能だ。言語が違うどころじゃない、本能しかない化け物なんだ。同期など出来る訳がない!』

『バグには一家言あるか、バグ医者! だがその心配は無用じゃ! ワシは完璧にプロトを制御する! 世界を先行く日本やアメロッパも、かつて排斥されたクリームランドも、全て平等にデリートじゃ!』

 

 浮上してくる何かの気配。

 気配だらけの世界の中でも分かるような、巨大な何か。

 それが狙っているものは明白で、このまま立っていれば私まで巻き込まれる。

 ゆえに後ろに飛び退いた。出来る限り、全力で。

 

『さあ、目覚めるぞ! プロトの覚醒じゃ! ネットワーク社会は、これで最後じゃ! プロトよ、全てを飲み込んでしまえ! ワハハハハハハ!』

 

 なおも“支配”は可能だと信じ、哄笑するワイリー氏に再度の警告をしようとした瞬間。

 細胞が増殖するように、ワイリー氏の立っていた場所を中心として足場が盛り上がり、彼の精神データを飲み込んだ。

 

『のわ!? ぷ、プロト……何故じゃ――!』

『ワイリー氏!』

『ぐ、ぐわあああああああ!』

 

 絶叫は途中で切れたように、聞こえなくなった。

 再び足場は沈んでいく。平面になったと思えば――それはすぐに、更なる変化を引き起こした。

 肉を引き裂くように、亀裂が広がる。

 この電脳世界の中心に突如として開いた穴が、辺りの肉を取り込みながら拡大していく。

 

『――――ォォォオオオ!』

 

 何処かで、痛烈な一撃を受けたらしい。

 近くに落ちてきたフォルテが体勢を立て直そうとして、その広がる亀裂を視界に入れた。

 

『これは……!』

『一旦休戦しろフォルテ! 光少年、ロックマン! こっちに!』

 

 更に穴から距離を開ける。

 それに落ちないよう浮遊するフォルテと、走ってきたロックマンを集め、ひとまず安全地帯に下がる。

 

『エールさん、あれ何!?』

『プロトだ。フォルテ、キミが先程破壊したらしいガーディアンの封印が解けたことで、ヤツは完全に目覚めようとしている。既にワイリー氏が暴走に巻き込まれて飲み込まれた』

『プロトだと……?』

 

 とりあえず話を聞く気にはなったか――ならば、よし。

 話の順序がだいぶ変わった。こうなった以上、フォルテとの戦いは後回しだ。

 寧ろ、コイツを全力で利用してでも、究極の怪物をここで止めなければならない。

 

『キミと決着をつけに来たというのもあったんだが、こうなれば話は別だ。フォルテ、この場から消えるか、この場限り私たちと協力するか、選びたまえ』

 

 そんな提案に、即座に強大な殺気が浴びせられる。

 怯まないぞ――どんなに恐怖の対象だとしても、彼以上に重視すべきバグが目の前にあるのだ。

 医者(デバッガー)である以上、腫瘍を前に怯える姿を晒す訳にはいかない。

 

『人間如きがオレに指図など――』

『ならこの状況で戦うか? あれは、私たちの事情なんて知らないぞ。事情という概念すら学んでいない怪物だ。どちらともなく吸収しようとしてくる』

『……チッ』

 

 広がっていく穴を忌々し気に睨みつけ、去っていこうとするフォルテ。

 まあ、そうなるだろうな。だが、駄目元でその背中に声を掛ける。

 

『協力してもらえれば、報酬の用意はある。そうそう手に入らないような、キミの力となりうるものがね』

 

 彼に抱く気持ちは複雑だ。はっきり言って、力を与えるなど嫌だった。

 だがこれも、考えていた事態だ。

 もしもプロトに辿り着く前に、彼に敗れれば――そんなことを想定して、彼に代わりにプロトを倒してもらうための交渉材料。

 予想外のタイミングとなったが、彼が今の状況で敵対したり、そして力を貸さずに去ったりするよりは、プロト除去という一点においては有効だ。

 

『……下らん。今のオレが人間を信用するとでも思ったか』

 

 ワイリー氏に利用されていたことを知った直後だ。

 当然、怒りも疑いもあるだろう。本当に――余計なことをしてくれたな、あの老体は。

 仕方ない。確かに信用は必要だ。こういう、憎き相手であっても。

 

『前払いだ』

 

 用意しておいたデータを投げ渡す。

 反射的に、握り潰さんばかりの力でそれを受け止めたフォルテは、即座にデータ解析を行ったのだろう、憤怒の表情の中に僅かな懐疑が混じる。

 

『……どういうつもりだ』

『それほどの敵、ということだ。憎き相手に報酬を渡してでも、協力を仰ぎたいほどの、ね』

『……』

『頼む、フォルテ。力を貸せ』

 

 こうしている間にも、陥穽は広がっていく。

 本当はこの場で長々とやっている場合ではない交渉。

 しかし、これを受けられるか否かはこの最後の戦いの結果に必ず影響する。

 暫しの睨み合い――視線を外し、大穴を見下ろすフォルテは、怒りを滲ませたままに言う。

 

『――勝手にやらせてもらうぞ』

『結構。キミの勝手は此方で処理する』

 

 協力という状況の点数としては最低限度ながら、フォルテ相手の交渉となれば十分な成果を叩き出した。

 

『という訳だ、光少年、ロックマン。一時休戦、彼の力を借りてプロトを止める』

『え……だ、だけど……』

『プロトとフォルテ、同時に戦うより、少なくともフォルテはプロトを攻撃するようになる――どちらがマシかは分かるだろう?』

 

 先程まで激戦を繰り広げていた相手だからだろう、納得言っていないようだが、それでもやるのだ。

 私だって平時であれば納得しない。これが、私たちの世界の命運をかけた戦いになるからこそ。

 全てを捨てる。

 敵意も、憎しみも、矜持も、恐怖も、躊躇いも。

 

『わ、わかった……頼むぜ、フォルテ!』

『慣れ合う気はない。プロトを片付けたら、次は貴様たちだ』

 

 終わった後であれば、余力によってどうにも手段は取れる。

 今はとにかく、電脳世界最古の災害を、今度こそ打ち倒すのだ。

 

 百メートルほどは広がっただろうか。

 陥穽の深みからゆっくりと現れる――現実世界でも電脳世界でも、これまで見たこともないほど巨大な“生物”。

 その中心が輝く、赤い細胞の塊。

 

『こいつがプロト……』

『電脳世界全てを喰らい尽くす怪物……!』

 

 大穴から伸びる巨大な塊は、同じく穴から湧き上がる膨大な量の古びたデータを集積させ、何かを形作った。

 塊の上に覆い被さるような灰色の外装。

 そしてどうやら肩と定めたらしい部分の付近に独立して出現する、尖った手甲。

 外装の頂点から現れる、赤く光る無機質な頭部――と思しきもの。

 

『これは……?』

『取り込むしか能の無い化け物が、内に入った私たちを外敵と定めたのだろうさ。“戦う”という行動を覚え、私たちの“姿”を覚え、“頭”と“腕”という部位を覚えた。あの姿が、キミたちの戦いを見て、私たちを追い払えると踏んだ姿なのだろう』

 

 プロトは本能しかない怪物だ。

 ヤツの行動はひたすら吸収し周囲を己に変えていくことしかなかった筈。

 それが、周囲の何かを餌ではなく外敵と定めた。プロトという生物が『学習』をしたのだ。

 

『一度“学習する”ということを覚えた以上、時間を掛けてはいられない。一番効果的な時にアレを使うことを意識しておくんだ』

『うん――やろう。何に変えても、コイツはここで食い止める!』

 

 最大の切り札は、セレナードから受け取った禁断のプログラム、ギガフリーズ。

 アレで今のプロトを倒せるかは分からないが、使わないという選択肢はあり得ない。

 全力で、あのプログラムを叩き込める状況を作り出す。

 さあ、ここ数ヶ月の、WWWとの因縁の集大成だ。

 

 ――見ているか? バラッド。

 

 私は私らしくやるぞ。キミを倒した憎き相手さえ利用して、最古の災害を鎮めてみせる。

 さあ、原初との最終決戦を始めよう。

 

『よろしい。それではこれより、初期型インターネット――プロト除去を開始する』

『ああ! 世界の平和のために――そして、オレたちの明日のために! 行くぜ、ラストオペレーション、セット!』

『イン!』




・Dr.ワイリー
1、3、5チームオブカーネル、6で登場するWWWの首領。
初代ロックマンでもお馴染みの博士であり、エグゼシリーズでも黒幕として登場する。
かつては科学省の職員で、ロボット工学を専門としていたが、科学省が光正博士が先導するネットワーク開発に重きを置くことを決定したことから、ネットワーク社会を恨むようになった。
2のゴスペルの事件は3での計画を完遂するための準備であり、そういう意味ではプライド様が事件を起こしたのもこの人のせい。
逮捕されてもすぐに脱獄する元気なご老人。断じて土下座はしない。

・プロト
3のラスボス。
初期型インターネットであったがバグを起こし、プロトの反乱と呼ばれる最悪の事件を引き起こし、その果てに凍結された。
HPは2000。ゴスペル同様常にダメージを与えられる訳ではなく、核を覆う二段階の膜を攻撃して剥がさないといけない。
膜は早い速度で回復するため、性能を十分に上げないとバスターで破壊するのは困難。プロト本体は一切動かずヒット時の無敵時間も発生しないため、多段ヒットの攻撃が有効。
そのためウッドスタイルだと有利に戦えるほか、『ランダムメテオ』や『ニードルマシン』など、通常のナビ相手には無敵時間の関係で使いにくいチップが大活躍する。
というか、『ランダムメテオ』が三枚ほどあれば倒せる。そのため、エグゼシリーズのラスボスとしては弱いというイメージを持たれやすい。
本能で動くバグらしく、攻撃は一定のパターンの繰り返しとなっているが、避けにくい攻撃を複数持っているため削られる前に倒しきれるかが肝となる。


という訳で3編のラストオペレーション。
多分どなたも予想していなかっただろうフォルテとの共闘となります。ちゃんと優先順位は付けられるバグ医者です。
ワイリー氏との会話はもう当分ないので昔話も出来ないです。
だいぶ原作とは毛色の異なる最終決戦となりますが、お楽しみいただければ。
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