補給途絶鎮守府   作:フユガスキ

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自然回復頼り

小さな倉庫はどう作ったのか分からないが、木材を使って等間隔に隙間があるものだ。木材って少なくとも一日じゃ作れなかったような…?

 

そして中にはドラム缶のようなものと、箱ごとに分けられた弾、奇妙な石ころと寝かせた鋼材がある。

 

「弾と鋼材は分かる。…が、この石とドラム缶はなんだ?」

 

ドラム缶のようなものを開けると、黒い液体が半分くらい入ってある。どろっとしている。よくわからないため蓋を戻し、白露を起こすことにする。

 

似たような見た目をしていることの「化け物」感はまだ抜けないが、こうして見るとかわいい女子高生な感じがする。

 

肩を揺すって起こすと、クワッと目を開いて跳ね起きる。すると寝ぼけているのか意味もわからないことを言い始めた。

 

「あれ、いま何時?!あっ制服のまま寝ちゃってる!むむむ、私がいる…」

 

リアクションがすごい(小並感)。何というか、朝から元気だな。

 

それはさておき、白露はようやく覚醒したらしく、現状把握…完了と納得顔である。まあ旅先の旅館とかだとそうなるよね。

 

「起きたてで悪いんだが、あの倉庫どうなってんの?」

 

「あっできたんだね」

 

そう言って倉庫まで走り、ドラム缶を開けて中身を見る。そして艤装を取り出しているので、何をする気か、と思って倉庫にダッシュする。

 

すると白露は空中を浮いてきた容器を取り、液体をその中に注いで飲み始める。

 

「えっそれ飲めんの?」

 

「そーだよ。あたし達はこの燃料と弾薬さえあれば動いて戦えるんだ。食事はいっちばん楽しいからときどき食べるだけ」

 

なるほど、だから食事がいらないのか。とはいかない。いくら駆逐艦白露の魂なるものを受け継いでいるからといって、人間の体、とは一概に言えないが見た目こそ同じなのだから栄養が必要になると考えるほうが普通である。

 

そもそも戦うというのもパッとしない。おそらくその銃で戦うのだろうが、海の上でまともに狙えるほど自然は優しくなければ、弾丸にあたってしまえば軽症では済まず最悪死に至るだろう。

 

そんな命がいくつもあるわけでもなく、栄養も摂らなくても生きられるとは思わない。

 

但し、普通の人間ならば。そう分かるのは白露のある一言だった。

 

「あたしは、艦娘だからね」

 

艦娘だから人間じゃないから必要ないのか?その見た目をしていておかしいだろ。

 

そんな義憤―要らない怒りを感じている頭に水がかかった。びっくりして振り向くとボコボコになり凹んでいるバケツが宙に浮いている。

 

おそらく漂流物だろう。白露が持ってきた緑色のものとは違うバケツで、少し速めに動いている。

 

『きゃーきゃー』『にげろにげろー』『にげちゃだめだにげちゃだめだ…』

 

妖精たちのしわざか。そう思っていると同じくびしょ濡れになった白露が駆けていく。

 

「よぉーし、はりきって捕まえるよー」

 

おそらく妖精達を捕まえながら走り回っている。何も知らない人が見るとちょっと危ない人である。頭に水をかぶりちょっと冷えた頭の上で、いつもと同じ感覚がくる。

 

『少々荒業だけど、冷えたかな?』

 

「…妖精、今どうやって頭の上に乗った?」

 

『冷えたようだね』

 

すみません。ちゃんと会話の歯車合わせてください。

 

『私はその考え方は好ましいけど、ここを失わないようにしてね』

 

理由を聞く前に妖精は頭の上から消え、どこかに行ってしまった。食事に関して何も言わなかったってことは、現状維持でいいということだろうか。

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