日が沈み、月が上り、焚き火以外の場所はとても暗い。今夜は雲一つなく快晴である。
夕飯も食べ終わり、暗い森を通り抜け、傍から見れば半壊の家の床に寝転がる。
不思議なことに艦娘というのは人間より夜目が効くらしく、森の中でも暗すぎて見えなくなることはないらしい。ちなみに俺は目隠しをしている気分だった。
家は3人で雑魚寝しても余りがあり、十分余裕が持てる。
俺は食事をとった影響なのか、頭が冴えていた。食事というものは大事なのだと実感する。
隣では夜戦夜戦うるさかった川内がすでに寝ている。夜戦してくればいいのに。
その奥に白露がいて、さつまいもおいしいと寝言を言っている。さつまいも好きなのか。
そういえば、白露と二人のときはブルーシートで分けて、互いを見えない状態で寝ていたが、今は分けていない。
あの時は男と寝るのが嫌だったのだろうか。いや、考えるまでもなくそうだろうな。
といったように記憶を思い返していると、今にして思えば短絡的な言動をしている俺に恥ずかしくなってきた。
何が価値だよ。聞いてるこっちがハズい。叢雲を帰す時だって、やりたいようにやらせる、とか、もう本当に…。
考えるのは辞めよう。危うく恥ずかしすぎて床を叩いてしまうところだった。
あれだな。食べないというのは悲観的になって困る。やはり人間は健康が一番だ。
「ふあぁぁ…」
眠くなってき――
――ピカッ
浜辺から大きな光が見えた。な、なんだ。
そう思って起きると、川内と白露も飛び起き、一緒になって浜辺を見る。
その瞬間、眩しい光に照射される。
「なんだ、これ!」
そう叫ぶと、その光はなくなった。
夜目の効く川内を見やると、おそらく悩まし気な顔をしている。
「提督、漣が来たんだけど、何か知らない?」
漣というと、あのピンク髪の艦娘か。
しかし、何の用だろうか。全く身に覚えがないので首を横に振る。
すると、何か分からないが、光がチカチカとしている。
「え·ん·ぐ·ん·も·と·む…だって、行っていい?」
「いや、取り敢えず情報が足りない」
そう言って足早に森を駆け抜け、漣の元へと急ぐ。
「どうした」
「いえ、大規模な深海棲艦の艦隊がこちらに来ており、力をお貸し戴ければ、と」
「俺たちはどのくらい相手すればいいんだ?」
「詳しいことは言えませんが、おそらく1、2隻ほどです。お願いできますか?」
漣は真面目なときには真面目なのだと感心しつつ、情報を頭の中で並べる。
これはおそらく先日の続きだろう。そして、より一層ここに近づいたということだ。つまり、答えは一つである。
「朝までには帰ってくるんだぞ」
「…締まらないなぁ」
本日は2話投稿です。