メガネは紛失し、空を仰ぎ見ていると、空に一点の光が垣間見えました。
朝です。
ついに諦めの時が訪れました。やっぱり、護り切れなかったです。
けれども、悔し涙も流れないほど体力は底をつき、指一本動かすことはできません。
ネ級を見れば、砲の仰角を水平にして、狙える限りで最も近距離かつ火力の高い状態にしています。
砲撃の轟音が鳴り、その音が届く頃にはあたしは沈んでい――
《白露、改》
赤、青、黄、橙の光があたしを包み込み、白い光に覆われて、やがて収まります。
弾薬、燃料共に満ちており、耐久値も回復した状態になります。所謂、改装です。あたしの改装は、対水上艦能力を失くし、対潜水艦能力を増強します。装備は94式爆雷投射機と、95式爆雷です。
これなら、これなら戦えます。重巡には敵わないかもしれませんが、潜水艦なら問題ありません。
《ふふ、いい感じにカッコいいね!》
《あれ?何かあったのか?え、妖精、どうなってんの?》
白露、完全復活。一番良いコンディションです。
とはいえ、気を抜いていいほど強くなったわけじゃありません。まだまだ火力も手数も足りないのは変わりません。
ただ、殆どの艦娘のトラウマになるだろう潜水艦を倒せる能力は、この場面において丁度いいです。
ネ級の射程内よりも近づき、撃たれないようにしつつ、駆逐艦の機動力を活かして、また捕まらないように小回りに動きます。
そして、大破している川内さんを担ぎ、ネ級の近くで待機していた潜水艦に爆雷を一発叩き込みます。
「毎度あり〜」
潜水艦は一隻轟沈し、残り一隻。
ネ級が砲撃したのを横目で捉えて、回避行動に移ります。けれども、近くにいた分精度は高く、直撃はしませんでしたが至近弾です。
『ようせいさんしーるど』『ようせいさんぷろてくと』『ほな、いきますか』
至近弾のダメージも妖精さんのおかげで無くなり、次の潜水艦を狩りに行きます。
「いっけぇー!」
そもそもは潜水艦という脅威に対抗するために作られた駆逐艦。本来の役割を果たして、戦闘終了、とはいきません。
先の深海棲艦はカ級だったから撃沈できたものの、ネ級となるとそう上手くはいきません。ネ級は防御力が高く、改ともなれば戦艦でも一撃で倒せないことがあります。
下位互換と言えど、充分にあたし達には脅威です。
「…あれ?」
ネ級は後ろを向いてどこかに行っています。砲撃も雷撃も効かないという自信の表れでしょうか。
あたしも無理に手を出すこともないので、見えなくなるまでは気を張り詰めて砲撃の準備をします。
「…たはぁー」
完全に見えなくなり、緊張の糸を解きます。ちらっと川内さんを見れば、川内さんは気を失っていることが分かります。
《終わったよ》
《そうか、じゃあ気をつけて帰ってこいよ。…白露》
《はーい!》
ここ数日で一番いい朝を迎えることができた気がします。
そして、左足が膝から下を失い、右膝は骨が見えている状態で、足全体に火傷傷の負っている川内さんを抱えて、提督のいるところへと向かいます。
電lv15単艦で同じ装備載せて、1-5の初戦B勝利してるので出来るかなと。