沈んだ船の魂ってどういうことだ。つまり、今いる白露は幽霊ってことでいいのだろうか。しかしそうなると俺も幽霊と言うことになる。
白露のような艦娘は船が人の形を模して、「化けて」出てきたということなのだ。だからあながち「化け物」と呼ぶのは間違っていないかもしれない。
そうなると、その人間の形を模した船、その形に成った死んだ人間と言うことになる。ということは、周りから見れば化けて出たもので「化け物」と呼ばれても致し方ない。
ボサっと何かを作っている白露を見ながら、先の話を振り返る。かの大戦―第二次世界大戦の最中、太平洋戦争と子供の頃習った記憶が蘇る。
あの時を生きた記憶がある、ということは人間では年を取り過ぎてまともに言えない。だから戦争を知らない若輩が勝手にわかった気になって伝えている。
それを本当に知っている船が伝えられる。何百何千人の行動を知っている。きっと艦娘が既知されれば多くの子どもに、なにかしら戦争がだめな理由を教えられるだろう。
なぜそれをしないのか。勝手な想像だが危ないのではないだろうか。それこそ、妄想だが最悪の場合、深海棲艦と同時に現れた、とすれば艦娘が未知の理由に納得いく。
艦娘が人間を守るとされているが、確証がない。深海棲艦と同時出現の場合、艦娘は深海棲艦なのかもしれない。そうなってもおかしくない。
そもそもθ中将がここに俺を連れてきた理由は何だろうか。厄介払いなのはわかるが、そんなことをする必要があるのか。中将という階級である。正直、暗殺の1つや2つはしているイメージだ。
「やっと1個完成!」
そう言って何かを持ってくるのは白露である。奥には何箱か空の箱が見える。そして見て分かるくらいに減っている資材たち。
「どんだけ失敗してんだよ」
「過去は気にしなーい」
手に持っているものを見せつけながら
「これは22号対水上電探だね、これで敵艦の位置が分かるよ」
「なるほど、海上で使うのか?」
「そうなんだけど、あたしはこれ以上装備できないんだよね。改とかに成ったら話は違うんだけどね」
かい?貝…海!でも海ってどういうことだ?
「ちなみに改は改造の改ね」
「アッハイ」
「もうちょっと作ろうかと思ってたけど、夕方なんだよね。夜は暗いしパパッと食べて寝よう!」
そう言って妖精に号令をかける。妖精達が集まると声がわかるようになったため、ちょっとうるさい。木に火がつきどこからとってきたのかわからない魚と木の実を火にかける。
『しんださかなの、めをしてる♪』『それは、おさかなさんだから♫』『すべてのせいをこんとんのやみへとだらくせよ』
なんかひとり違う…。そして、今回は白露も食べるのか食事の用意をしている。もっとも、弾薬と燃料を倉庫に戻すだけだが。
妖精の力かは分からないが、焼き上がった海と山の幸を食べる。2日目もようやく終わった。船が来るとしたらあと8日だ。