「それで?何でこんなに艦娘がいるんだ?」
今まで最大人数9人の島に、25人もの人がいるのだから疑問に思うのも仕方ないことだろう。まぁ、名前を覚えているのは、大井っちとRJセンパイだけだが。
「あぁ、この内12名の艦娘はサキ中佐のものだ。そして6名は僕のところで、3人は君の艦娘だ。で、残る1人は横須賀鎮守府の艦娘だ」
背の高いα中尉は俺と目線を合わせて、指を使って艦娘を団体別に囲いながら所属を教えてくれる。ただ、大井っちや、ぽいぽい言っている艦娘が動き回るため囲うのが大変そうではある。
「クソッ、リア充氏ね。ファーック!」
充実…?全くしていないと思う俺は異端だろうか。
と、あまり空気読めない発言は止めておいて、彼女にとっては俺とα中尉がリア充に見えたらしい。…どこが?
少なくとも野郎が二人で話しているだけだ。彼女が腐ってもない限り、そこにリア充を見出すことは不可能だと思う。
「…あっ」
違った。俺の今の見た目は女性だ。だから、リア充に見えるのも頷ける。俺もこの距離に男女が二人でいたら、リア充だと思う。
もしかすると、この、えー何ちゃら中佐とは気が合うかもしれない。
「残念ながら俺は男だ」
「…LGBTの方ですか?」
あぁ、なるほど、そういう見方もあるのか。けれども、それに後天的なものは存在するのだろうか。俺に学術的なことは分からないので、取り敢えず違うでいいか。
「いや、違う」
「…ちょっと、こっちに」
そう言うと、手を引かれて少し離れた位置で他に聞こえないように小声で話し始めた。
「転生者の方ですか?」
「…は?」
何を言っているんだ、この人は。転生者?何だそれ。
「えっと、急にここに連れてこられたとか、気づいたらその姿になっていたとか、あります?」
急に連れてこられた…その通りだ。気づいたらこの姿になっていた…その通りだ。
「あるある」
「やっぱ、転生者ですか!?」
「は?」
どこに転生要素があったのだろうか。転生と言えば、魂が云々、新しい人生がウンタラカンタラ、というイメージだ。α中尉も魂が云々言っていた気もするが、よく覚えていない。
「少尉くん、気にしなくていい。サキ中佐は天才故にちょっと外れているんだ」
「いや、私、普通の高校生だから、むしろ、真面目に中佐とか言われる資格ないから!中佐は止めるように」
α中尉がこちらに来ていたらしい。
そうか、彼女は天才なのか。そういえば軍神などと言っていた気もする。高校生であるのに凄いな。俺と同じ歳だとは思えない。
「ハハハ…キリサキさんもそろそろ帰ろうか」
「あ、そうだった。少尉、先の夜戦では増援、感謝します。そこに置いてあるバケツはほんの感謝の気持ちです」
そう言って指差すところには、計4個のバケツが置いてあった。
補給途絶鎮守府のため、まずは始めないといけないのです。