大笑いしている白露と川内に制裁という名の手刀を喰らわせ、神通も含めて半分の家の中に円を描くように座る。
「さて、そろそろ何するか、決めようか」
「いや、君らが止めてたの、分かる?」
「ケチな男は嫌われるよ?」
「そうかい」
どうでもいいやり取りをし、適当に気を引き締めたところで、話題に乗っかりに行く。
「ま、取り敢えずは、この家だよな」
「そうだねぇ。まずは雑魚寝状態から抜け出さないとね」
「川内姉さんとの雑魚寝…!それはいけませんね。即刻、対処をしなければいけない問題だと、私も思います」
「…あれ?ごめん、提督。話区切るけど、日本に帰る気はなくなったの?」
「いや、別に。けど、それは最終目標だ。今はここで生きる事を目標にしている」
そう、俺は帰ることを、絶対の目標から、最後の目標へと変えた。
それは、俺の我儘で振り回されていた白露にとっては、今までの頑張りが報われなかった、ということになるだろう。
けれども、俺は過去を悔いないように生きている。俺がやったことは、俺にとっては最善だった。ならば、その時想定していた尻拭いを、今やればいいだけの話だ。
「…悪いな、白露。これからも目的を変えていくと思うから、迷惑をかける。なるべく、かけないようにはするが、な」
あの時、こうしていれば…等ということは言わない。今どうするか、どうなるのか、を言うのが、尻拭いだ。
「今、提督、謝った!?え、謝ったよね!??」
「あ、おう」
「もう一回、もう一回謝って」
他人に謝らせようとするとか、どれだけ厚かましいのだ。とはいえ、実際に悪いとは思っているので、一回とは言わず、二回謝ろう。
「はいはい、ごめんごめん」
「誠意が籠もってないよ?!」
「痴話喧嘩してないで、さっさと意見言ってって」
話題を切り出したのは白露なので、俺は悪くない。
「いや、提督と夫婦とか、ありえないよ」
ちょ、マジ顔は傷つく。
氏ね、消えろ!と叫ばれて走り去られるより、氏んでください、消えてください、とマジトーンで言われる方がダメージが大きいのと同じだ。まぁ、100と120の違いだが。
「じゃあ、家を完成させる。でいいな?」
「まぁ、良いんじゃない? 提督を私達と寝かせるのは忍びないし」
「いや、俺は問題ないんだが、川内達が濡れるのは嫌だろうと思ってな」
「言い方変えるね。男の人が幼気な乙女と同じ部屋にいるのはどうかなって思うの」
……女子って、群れると途端に強くなるよな。
そんなことを思いつつ、建築開始の合図を出した。