ブルーシートの上に寝転び、目を閉じる。今日は何もしていなかったが、少し眠気がある。しかし、おそらく白露のほうが工作していた分寝るのが早いだろう。
ガサガサとブルーシートがめくれる音がする。光のある場所じゃなければ、月だけで誰かをわかるほど夜の闇は明るくない。
とりあえず動かないようにしていると、頭に何かが乗った。いつもとは違い、白露の手だった。頭を撫でる手はまるで姉のような安定感を感じる。
「ごめんね、きっと提督のほうが辛いはずなのに、過去のあたしの話をしちゃって。あたしと関わったせいでこんな島に連れてこられて、あたしと関わったせいで同じ見た目になって」
そうやって白露は紡ぎ出した。
「あたしね、分かるんだ。提督が敵意を持っているか、逆にどれだけあたし達のことを思っているのか。提督がこの島に来てからあたしを怖がっていたり、あたしの気持ちを考えてくれたりしてたの少しだけ知ってるんだ」
何が言いたい。感情が分かってそれに共感できる者がいるならば、俺の常識がねじ切れるぞ。白露の手は少し強く俺の髪の毛を握っている。
「あたしは…ううん、提督も疲れてるんだよね。気持ちが混じり合っていて、きっとそれは辛いよね」
…確かにそうかもしれない。全くもって一貫した考えがなく、白露に対して「化け物」としたり、艦娘と呼ばれる人間としていたり。
「寝ている人にこんなこと言っても意味無いよね。こんな弱音吐いちゃだめだよね」
こんなシリアスな場面でそれ言うとワケアリの裏切りをしそうなんだが。えっ大丈夫だよね。
頭の上から手がどけられ、白露は寝る位置に戻った。寝る直前にシリアスチックな苦い思い出ができ、よく分からないまま寝ようとしたが
「あ?」
突然砂浜の方で爆発音が聞こえた。音の方向に目を向けると、点々と炎があることが分かる。何が起きたかわからないでいると、隣で白露が立った気配がした。
「提督、起きた?ちょっと待ってて倒してくるから」
そう言って白露は走り出していった。
(倒す?倒すっていうことは深海棲艦か?1日目は現れなかったのになぜ今更?)
『提督、今あっちの方に深海棲艦が現れたよ』
そう言って肩の上に立っているのは妖精だ。
「あっちと言われても分からないんだが」
妖精が見えれば話は楽なんだけどな、と思いつつ寝転がる。どうせ俺にできることはなく、心配するだけ無駄である。
白露は艦娘で、海の上を渡り見たことないが砲撃も雷撃もできるらしい。俺にできることは何もない。
『提督、なんで寝てるの。やることはあるでしょ』
「特別なにかあるわけじゃないだろ」
『あるよ。もし、先の砲撃に白露が当たったらどうなると思う?』
当たったら痛そうというか死にそうだが、艦娘は艤装をつけると硬くなるらしいから、死なないのだろうか。
『ここは入渠できないから、傷つけば治せないんだよ。あの高速修復剤を帰ってきたら渡すとか、やることあるよ』
なるほど、あのバケツはそのときに使うのか。立ち上がって倉庫の方に向かおうとする。暗くてもそれなりに分かるので、足場に気をつければ問題ない。
『それとも、提督も行く?海に』
「えっ?」
寝床の図
―――――― ←ブルーシート
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| ←仕切り用ブルーシート
―――――― ←ブルーシート
角には紐で吊っている。
こんな感じで分かりやすいでしょうか。