何となく目が覚めてきたので起きると、もう白露たちの姿は消えていた。
因みに、窓枠は日が昇る方向と逆側にあるので、家の中は割と暗い。
ドアを開けて外に出てみると、ちょうど朝日が顔を出したぐらいの頃合いだった。普通の朝だなぁ、と伸びをして砂浜の方を見てみれば、そこには丁度、戦闘から帰ってきたであろう少し怪我をしている3人の姿が見えた。
遠くなので声が聞こえないが、ヤバい、見られた!だから、一言声をかけて行きましょうと…。み、みんな落ち着いて。大丈夫、話せば分かる。…みたいなことを言っている気がする。
『超能力者かい?』
「いや、それ、妖精は分かっていると言ってるようなもんだぞ」
どうやら、青妖精にはそう言っていることが分かるらしい。どういう手段を使っているのだろうか。
そして、その3人が森の中に入っていくのを見て、そろそろ来るであろう、とあたりを付ける。
「いっちばーん!じゃなかった。提督、これはね、別に出撃したわけじゃないんだよ」
なるほど、出撃したのか。だから、怪我を負っているのか。
「そうそう、私達は別に黙ってしようとしたわけじゃないよ」
なるほど、黙って何かをしたのか。
「姉さんの言うとおりです。駆逐ハ級と戦ったことなどありません」
なるほど、駆逐ハ級と戦ったのか。神通が一番情報量が多いな。
まぁ、でも、服が破けているだけだし、今回は自白もあるし、咎める必要もないだろう。
「そうか。家で姿が見えないから、少し心配した」
「…罪悪感ガガガ」
川内は胸に手を当てて、苦しそうに悶ている。中々に演技派だ。
「え、怒ってないの?」
「オコじゃないよ?」
白露が変な質問をする。なんだろうか、別に怒ることはないと思う。
「提督、今、すっごい怖い顔してる」
「…あぁ、太陽が眩しいんだよ」
今まで暗いところにいたため、陽に目を細めていたら、それが怒っているように見えたらしい。
「つまり、怒られるようなことをやったと?」
怒っているように見える、ということは、何かしら怒られるようなことをした自覚がある、ということに繋がる。まぁ、そうとも限らない場合もあるのだが。
「うぇ、い、いや、別に、そんなことないよ」
「そうか」
この焦り具合は隠している気がするが、死なない程度であれば問題ない。
ぐぐっと体を伸ばし、寝起きの硬い体を少し柔らかくする。
「よし、じゃあ、二階を作り始めるか」
「あ、そのことなんだけどさ。提督は参加しなくていいよ」
「…え?」
「だって、二階に登れないでしょ」
二階、ということは一階の上である。一階の上を見ると、自分の身長に跳躍と腕の長さを足しても上がれないことがわかる。
「マジ?」
「うん。だからさ、白露とお勉強ってことで、よっろしくぅ」
そう言って川内は、現時点での屋根に登る。縮地だよの応用だと、言っている。お主、忍びの者か。
「お勉強って何すんの?」
「さぁ?」