赤城が沈んでから2年の月日が経た。
赤城は練度最大となり、ケッコンカッコカリを行った。
また、赤城に見合うよう頑張った結果、今では中将まで登りつめ、ある程度のことなら手が届くようになった。
そして、友人のθも陸自から海軍に入り、少将という将官を得ている。それというのも、θは妖精さんなるものを見ることができるらしい。妖精さんは重要だと、ここ最近知られるようになった。
《敵の主力艦隊を発見。進撃しますか?》
《もちろんだ、赤城。だが、予想外が起こったら直ぐに帰ってくるように》
《分かってます。では…作戦行動開始!》
赤城の轟沈から戦闘の態勢を大幅に変更し、通信機を取り付けることや、中破以上の進撃はしないことなどを絶対に順守すべきこととして掲げた。
また、今回は空母水鬼の出現している海域に出ている。あの日の雪辱を果たすという意味で、俺は昂ぶっている。
《ススミタイノ…カ…》
ポイントに到達し、空母水鬼の声が聞こえる。
憤り、暴れまわる心を鎮ませ、新たなる力を使う指示を出す。
《航空攻撃、開始ッ》
《はい!扶桑さんに山城さん、千歳さん、合わせてください!…艦載機の皆さん、用意はいい?》
練度が上がってきた恩恵なのかは分からないが、砲撃の前に航空戦により制空権が争えることが分かった。これはキリサキ元帥が発券者だ。
《次、先制魚雷、発射》
《千歳さん、大井さん、魚雷をお願いします》
そして、もう一つ、先制攻撃として魚雷が打てることが分かった。元は潜水艦のみだったが、甲標的を積むことによって雷巡や水母でも可能だ。因みにこれも、キリサキ元帥が第一人者である。
だが、それは深海棲艦とて同じこと。深海棲艦の規格外な能力は舐められるものではない。
――――――――――――
―――――――――
港へと足を運び、艦娘の帰りを待つ。
夜の海はとにかく暗く、鎮守府の明かりが届かなくなると、そこには闇が広がっている。
その闇から紅一点、俺の愛する人が帰投した。血に濡れ、汗まみれで、ひどい怪我を負っているが、帰ってきてくれた。
「おかえりなさいませ、マイラブリーハニー」
「あの、毎回言いますけど、流石にそれは恥ずかしいですので…」
「あーあ、こちとら疲れてるのに惚気はないわー。球磨型の部屋に戻りたーい」
「しれぇ、噛み砕いていいですか、その指輪」
「あの、千代田が心配するので、帰ってよろしいでしょうか」
「そのノリで扶桑姉様に近づいたら、撃ち抜くわよ」
「山城、物騒なことを言ってはなりませんよ。提督も、まだ若いですからそういうのも理解できますが、なるべく二人だけの時にでも」
そう言いながら各々が鎮守府へと戻り、俺と赤城だけが残されている。
「…さて、ドックに行こうか」
「はい」
夜の静けさの中で、那珂の沁みるような歌声が微かに響いていた。
戦闘シーンはカット。次話で書くかもしれません。