「ということで、妖精、説明してくれ」
『何が、ということで、何だい』
ということで、と言ったら、ということで、だろう。そんな流れもわからないのか。
『そんなもので理解する方がおかしい』
正論だが、そんなものは求めていない。ただ、そろそろ本題に入ったほうがいいだろう。
「何か、白露達が慌てて話し合っているんだが、どうしてか分かるか?」
『何で、慌てているのか検討は付くかい?』
慌てている理由、か。
何だろうな。深海棲艦の偵察機というものが空を飛んでいて、それを撃ち落としたが、深海棲艦が関係することでこんなにも慌てたことはないはずだ。
『偵察機…か。なるほど、それは不味いな』
「それは、どのくらい?」
『そうだな。少なくとも、提督にとって最大の脅威となる』
それは、深海棲艦の侵攻よりも、だろうか。あの時はどのくらいの規模か分からないが、援軍を2回も求められたため、相当な脅威ではないか、と思っている。
まぁ、確かに、三日目と六日目と十日目に関しては、怖いという感情はあまりなかった。
『二番目だった。それよりかは強くないが、ここの艦娘さんの練度具合からするに、対処不可能に思えるのは変わらない』
「ん、じゃあ、具体的にどうゆうことだ?」
『まず、偵察機がいることから、ここに艦娘さんがいることがバレている。そして、深海側には空母が含まれていることも分かる。そうなると、ここの艦娘さんでは相手にならない。対空戦ができなければ、一方的に殲滅させられるだけだからね』
空母がいると殲滅させられるってどういうことだ?
……そういえば、白露が何か言っていたような気がする。確か、艦載機とか言う飛行機によって攻撃されるだとか、なんとか。
つまり、その艦載機を撃ち落とさなければ、無防備に攻撃を受ける――殲滅させられるということか。
結構、ヤバくない?
しかも、空母だけとは限らないから、他にも重巡とか軽巡とかがいる可能性があるということだ。
「逃げよう。マジで逃げないとヤバい」
今回は事前に深海棲艦が来ると知ることができた。だから、いつもと違い逃げる準備ができる。
『いや、空母の索敵能力を舐めてはいけない。帰った偵察機がここの情報を伝えて、もう一回飛ばしてくるはずだ。いくら速く動こうと、艦載機の方が速いから逃げることはできない』
じゃあ、どうすればいいんだ!?
逃げれない、勝てない。無理だ。死ぬ気しか起きない。
頭がクラクラする。視界が狭まる。
方向感覚がなくなり、膝を地について安定しようとする。
そうだ。今のままでの深海棲艦の襲撃が怖くなかったわけではない。今までは、いきあたりばったりで考える時間がなかったから、怖いだとかの感情まで頭が回らなかった。
しかし、今回は考える時間ができ、死への秒針を刻むことができる。
まだ俺は、死にたくない。