おはようございます、皆の衆。俺は今、何故か柔らかい太ももの上に頭を置いて寝ています。……なんで?
俺は木の下に普通に寝転び、普通に寝たはずだ。それがどうだ。朝になってみれば、頭の下は固い地面から膝枕に変わっている。
もう少しこの感触を味わいたいが、体温でめっちゃ熱いので離れることにする。俺にはお腹側を向く勇気はなかったよ……。
眠気眼を擦り、膝枕の正体を確認すれば案の定R1……じゃない。誰だこの人。あの薄暗そうで幸薄そうな魔女とは全然違う美少女が寝ていた。
しかしながら、服はR1と変わらない。むしろ、体格すらそっくりである。
「……ん。あ、おはよう、ございます。提督殿。申し訳ございません。提督殿よりも後に起きるなど…。どうか、寛大なご措置を」
その美少女は尋常じゃない速さで起き上がり、綺麗な土下座をした。
いや、え、何?どゆこと?
と、とりあえず、何か誤解してるよな?なんとかしなければ。
「いや、別に、寝たいならもっと寝てて構わないし、うん、本当に。いや、寝たいなら寝れば、知らないけど、みたいなニュアンスじゃなくて、ね」
「寛容なご配慮に感謝します。この本艦、今後このようなことをしないよう、厳重な注意を心掛けてまいります」
「いや、あの、そんなに俺は怒らないから」
礼儀正しいとは思うが、高校生にとっては言葉が堅すぎて若干気圧される。
というか、本当に誰?朝起きたら美少女に膝枕されてました、とか最近のラブコメでは何番煎じか分からな……くもないのか?一緒に寝てたとか、起こされたとかならあるが、膝枕は新しいのでは……?
「それで……あの、どちら様でしょうか」
「?G.L.、ゴッドランドであります。提督殿」
ゴッドランド…神の土地?中々、大層な名前だ。
そんなことを思っていると、不意に後ろから声をかけられた。
「あの、先ほどはR1と名乗られていたかと」
振り向いてみると、声の主は朝潮だった。え?この美少女、R1なの?いやいや、そんなわけないだろう。
「あ……提督殿、R1であります」
「マジか!?」
いや、え、マジで?
そう思っていると、R1は服についているフードを被った。
マジだ。R1じゃん。俺、眼科行ったほうがいいのかもしれない。
「ていうか、なんでゴッドランドって言ったし?偽名?」
「いえ、その、言葉の綾といいますか……」
何か、嘘を言っていそうだ。俺がジーッと見つめていると、長い沈黙のあとR1が観念したように目を反らした。
「実は偽名を使っていたのであります」
「それは知ってる。本名は?」
「…龍城丸であります」
「ホントに?」
「はい。本当であります」