やはり、少将がヤバければ少将の艦娘はヤバいのだろう。うん、マジヤバである。
これは、俺の身の振り方も気をつけなければいけないだろう。少なくとも、朝潮を泣かせたり、朝潮に怒鳴ったりしては首チョンパは免れないだろう。……え、さっき、めっちゃ失礼なことを言いまくったような……。
「では、この朝潮はやることがあるので、失礼します!」
元気よく挨拶をして扉を駆け抜けていってしまった。あれ?もしかして、いや、もしかしなくても、反乱分子を生み出したくね?
いや、ま、まぁ、ね、一応、身の安全は保証されているので、大丈夫だろう。
「……というか、朝潮ちゃんって警備じゃなかったのか……」
職務放棄をしていることは咎めないでおこう、と心に決め、俺は椅子に座り直して窓の外を見る。まぁね、俺が撒いた種だし。
窓の外は雲一つない晴天で、青色しか広がっていない。黒い深海棲艦がいないということは、本当に前線から離れたのだろう。今から日本に帰るのが楽しみだ。
そんなことを思っていると、数人の足音がこちらにやってきた。笑い声と共に近づいており、遂に扉の前へと到着した気配がする。
「何か今、艦娘が出ていかなかったか?w」
「ラッキー。あのジジイがここで何してんのか見るにはいい機会じゃねw」
「マジあのジジイ死んだら、次は俺が艦娘従えるわw」
うわぁ、如何にもガラ悪いのが来やがった。
その3人は扉を通るのと同時に俺のことに気づき、俺は椅子に座ったまま後ろを向いて目を合わせる。
数秒の時間を置いて、そいつらはペコペコと謝りながら、δ少将にチクるのは止めてほしいと言ってきた。
「ええ、良いですけど…あの」
「じゃ、じゃあ、俺らは戻るんで!」
「あの」
「失礼しやした!」
「あ」
「ホント、サーセン!」
「えぇ…」
後どのくらいで日本に着くのか聞きたかったのだが……というか、δ少将嫌われすぎじゃね?
またもや青空を見て耽っていると、また数人が近づいてくる声が聞こえた。扉をガチャリと開けて姿を覗かせたのは、先程の三人のうちの一人と、その他2名だった。
「マジだって、ちょ、見てみ」
「どれどれ、うわ、マジじゃん」
その他2名は女性で、こちらに手を振ってみせたので振かえしてみた。
すると、うわっ、かわいー、と黄色い声が飛んでくる。動物園ってこんな感じだよね。あと小さい頃もこういうのはよくある。
「え、どっから来たの?」
扉に身を潜めたままこちらに声を投げる。俺は無意識に絶対領域を発動しているのだろうか。
「南国のどこかです」
そう答えると片方の女性は、なんて?と言い、もう片方が南国のどこかだって、と答えた。
「ミステリアスじゃーん!」
「ミステリアスだね!」
ははっ、疲れる…。