補給途絶鎮守府   作:フユガスキ

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意外と高い級

「あ、やべ、そろそろ時間だ。おい、戻るぞ」

 

「ええ、まぢぃ?はやーい」

 

「じゃあね。ばいばーい」

 

 子ども扱いが酷い。俺って高校生、百歩譲っても中学生の見た目なのに、何故こんなにも子ども扱いされねばならんのだ。まぁ、手を振られたので振り返すのだが。

 

「あ、そういや、あのジジ……少将には言わないでね。…えーと、名前なんて言ったっけ?」

 

「あ、少尉です。提督をやってます」

 

 一応、軍の関係者のようなので階級と共に伝えると、その瞬間、時が止まったかのように沈黙が訪れ、はためくカーテンの隙間から差す光が顔の方に……眩しっ。カーテン、仕事しろよ…。

 

「し」

 

「ん?」

 

「「「失礼しました!」」」

 

 先程の雰囲気とは心機一転。弛んでいた顔が引き締まり、俺に怯えているかのように冷や汗を垂らしながら姿勢を正している。

 

「提督とは露知らず、これまでの無礼をどうかお許し下さいっ!」

 

「いや、別に」

 

「あの!元を正せば、δ少将の注意も聞かず、少尉候補生としての自覚の足りなかった俺の招いた失態です!責任は全て俺が追うので、どうか他の二人にはお慈悲を!」

 

 慈悲って、俺は魔王か何かなのだろうか。そもそも、少尉と言っても、なんちゃって少尉だしなぁ。貴様!無礼だ!クビ!とかできるわけではない。いや、やってないだけで出来るのかも知れないけど、やる気はない。

 

 取り敢えず俺は、まあ落ち着き給えと目線で送ると、彼らは押し黙って俺の言葉を待った。

 

「……えっとですね。この船が日本に着くにはあと何日かかりますか?」

 

「へ?あ、はい。えー、明後日中には着く予定です」

 

「ん、ありがとうございます。あと、δ少将には秘密にします」

 

「え、え?いいんですか?」

 

「全然良いです」

 

 そう言うと三人はペコペコと礼をしてから駆け足で去っていった。俺からしてみても日程を聞けたのでwin-winの関係と言えるだろう。

 それにしても、あと二日か。俺が日本からあの島に行くのには5日間かかったので、3日間ほど寝ていたことになる。……え?怖っ。睡眠薬の持続性が長すぎる。睡眠導入ってレベルじゃない。

 

 というか、栄養は?三日間も食べてないとか、体が持たないんですけど?そう意識したらお腹が空いてきた。

 

「何か食いたい……」

 

 小さい会議室っぽい部屋に俺の言葉は染み消え、後には赤くなり始めた空を写す波が為す音だけが残った……。

 

《もうすぐ到着する。エイ班は……ビー班は……》

 

……あのガラ悪そうな人達、まともな日程も知らないのかよ。

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