補給途絶鎮守府   作:フユガスキ

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深海棲艦の級

 俺はδ少将のあとに続き、別の船に乗るために移動している。どうやら、ここからは別の船に乗るらしい。

 

「あの、δ少将、質問してもいいですか?」

 

「足は止められないが……?」

 

「ええ、大丈夫です」

 

 俺はδ少将に白露に似せろと言われたり、海路を変更するだの言われたりしたが……いや、おかしいだろ、と言ってやりたい。

 まず、船を止める必要がないだろう。故障ならば言えばいい話だ。それに白露に似せる理由も知らないし、最も気になるのは、この場に朝潮がいないことだ。

 

「何で、船を変えたんですか?」

 

「不祥事……いや、まぁ、少尉ならば問題ないか。深海棲艦が現れたのだ。それも鬼級がな」

 

 鬼……級?今までイ級やらホ級やらネ級やらと、カタカナに級が付いていたが、鬼が付くのは初めてだ。何となく、他を凌駕する深海棲艦のように思える。

 

「今、そいつらを撃退すべく、近くを巡回していた精鋭……来たようだな」

 

 δ少将の目線の先には7人の美女美少女が屯っており、こちらに気づいたや否や黒髪の三人組が近づいてきた。

 

「挨拶に向かえず済みません、δ提督」

 

「いやいや、仕方ない。そろより、佐世保の提督によろしく伝えてくれ」

 

「承知しました。……して、そちらの子は?」

 

 急に目線を向けられ、反らしそうになる目線をどうにか堪える。いやだって、めっちゃ美人だし。好みではないにせよ、大和撫子の気品を感じる。

 

「えーと」

 

「僕の姉の白露さ。ところで白露はなんで提督の服を着ているんだい?」

 

 長い黒髪を編んでいる美少女は勝手に俺を紹介し、別の質問をしてくる。……いや、この子だれ?白露の妹らしいが、名前も顔も知らない。

 

「というか、僕っ子キャラかよ。黒髪編んどいて僕っ子かよ。質素で物静かな図書室の隅っこでマイナーなSF本を読んで、声をかけられたら気弱そうに、私のオススメ、読んでみる?とか聞く典型タイプじゃないのかよ。いやむしろ、眼鏡を掛けてなかったり、髪で目が見えてなかったりしてないから、気弱そうなキャラから外れてるけどさ、髪を編んどいて僕っ子かよ。僕っ子ならボーイッシュにするか、中性的な身体の造りにしろよ。いやむしろ、その見た目だから典型から外れて好感持てるけど、このタイプは身内に別方向の強いインパクトがないとキャラが立たないと思うが?そもそも、姉より良い出来をした妹というポジションなのは分かるけど、そのせいで自分を出しづらいとか飽和状態だろ。いや、ね?キャラを派生させやすいという面ではいいと思うよ?でも、黒髪編んで僕っ子はなぁ、今後に期待せざるを得ないと思いませんか?」

 

「「「「……」」」」

 

 あ、やべ。どうやら、俺の命はここまでのようです。……恥ずかしい。死にたい。

 

「……扶桑。僕はどうやら目か耳が悪くなったみたいだ。むしろ、両方かもしれない。だから、僕は佐世保に先に帰ることにするよ」

 

「大丈夫よ、時雨。貴方ほどの幸運でも、偶の不幸が訪れただけよ」




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