補給途絶鎮守府   作:フユガスキ

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西村艦隊出撃

 扶桑と呼ばれた大和撫子を大和撫子Aにしたときのもう一人の大和撫子である大和撫子Bにとって俺は白露の妹にとっての不運だったらしい。大和撫子の見た目をしておいて、中々毒舌だな。

 

「そんなことより姉様、さっさと深海棲艦など消し炭にして帰りましょう」

 

「そうね。早く倒さないと被害が広がってしまうわね」

 

 そう言って大和撫子二人組は去っていき、白露の妹のみがここに残った。

 

「……それで?白露はなぜ提督の服を着ているんだい?」

 

「提督だから」

 

 穴があったら入りたいほど恥ずかしいため必然的に言葉数が少なくなってしまう。

 というか、別にオタクというわけではない。何故か引かれているが、オタクではない。だってこんな可愛い顔してオタクだったらどう思うよ?そんなことないと思うはずだ。そんな人がいるなら、俺は確実に、二次元に行きやがってくださいお願いします、と言うだろう。ついでに、好きになってやらないこともないんだからね!と言っている。

 

「艦娘が提督だなんて、聞いたこともないけど?」

 

「艦娘でないから提督にはなれる」

 

 俺は艦娘ではなく人間だ。うむ、間違いない。

 

「え?白露は艦娘だよね?」

 

「そう」

 

 そのとおりだ。白露は艦娘である。

 

「じゃあ、白露は提督なの?」

 

「艦娘」

 

 なんだか話が噛み合ってるようで噛み合ってないような気もするが、まぁいいか。

 

「??」

 

「話を割ってすまないが、時雨も扶桑らのように準備を始めたほうがいいのではないか?」

 

「はっ、忘れていたよ。でも、深海棲艦は絶対に撃滅するから」

 

「うむ、健闘を祈る」

 

 そう言うと、タタタっと時雨は走っていった。こちらも、新たな船に歩を進め、偶にくる潮風に髪をなびかせつつ無言の空間を作っている。

 

 気まずいっ!

 

「あ、そういえば、朝潮ってどこにいます?」

 

 なんとなく思いついた話題を提示し、気まずい雰囲気を払拭する。

 

「あぁ、その艦娘なら今しがた解体した。済まなかったな、あんな仕事をまともにこなせない艦娘を警護に回してしまって」

 

 解体?解体といえば、家とかビルとかをバラバラにすることを言うが、朝潮を解体するとはどういうことだ?

 朝潮は人の形をしているから、腕とか足とかを引きちぎったということだろうか。怖い。

 

 いや、流石にありえないか。それは異常者過ぎる。

 きっとあれだ。改とか改二に発音が似てるから、その系列のものなのだろう。

 

 そうやって俺の中で納得すると、丁度新しく乗る船が見えてきた。

 見た目は先程と変わらないが、ちょっと見知った少女が船の前に立っていた。

 

「あ、白露提督!おひさ〜!」

 

 あの絶壁は見覚えがある。確か名前はキリサキとかいう珍しい人だ。

 

「知り合いかね」

 

「ええ、まぁ」

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