「え、ちょっと待って。俺それ聞いてないんだが?」
「ん?δ少将に艦娘のフリをするよう言われなかったかい?」
あー、あれはそういうあれなんですね。分かります。
え、ということはつまり、艦娘に擬態するってのは、α大尉の秘書艦として振舞え、ということになる。
え、俺、そんなこと出来ない。
「あぁ、別に静かにしてれば問題ないよ」
「そっか。そうだよな」
そうか。俺が素人なのは知った上での判断するのが普通か。
「ねー、そんなことより、夜まで暇だからゲームでもしよ」
「あ、ご主人様、漣は仕事があるのでパスです」
「僕もやることがあるから、参加できないかな」
キリサキ中佐の提案に類稀なる協調性の無さを発揮する二人。残された俺はキリサキ中佐に見つめられていた。まるで、最期の頼みの綱かのように……。
「急に眠くなったから、寝るわ」
「えー!何で!こんな美少女がお願いしてんだよ!」
「「美?」」
俺はいいとして、漣よ、お前はそれを言っていいのか。キリサキ中佐の艦娘だろう。
「ちょ、ヒドイ!…α提督!この二人に何か言って!」
「……僕は、まぁ、若々しいとは思いますよ」
「ほら!」
「いやそれ、どことは言わないが、成長してないからじゃ」
「おい、白露提督。タイマンだよ、表に出な。もうあれだから。RJさん並に怒るから」
キリサキ中佐はピコピコハンマーを持ってドアの方へと向かった。……今、どこからピコピコハンマーをとったんだ…?
因みにピコピコハンマーは、商品名K○ハンマーらしい。つまりKOにしてやんよ、ということだ。
まぁ、元々ジョークなので、俺は行く気はない。
数秒後、キリサキ中佐はピコピコハンマーの代わりにトランプを持っていた。
「あれ?ピコピコハンマーは?」
「え?あー、ヤツはこの戦いについていけそうにないんでな。置いてきた」
どこに?
まぁいいか。特に気にするようなところではない。最も気にするべきなのは、RJとは誰なのかということだ。
その名前は記憶の片隅に引っかかるのだが、微妙に思い出せない。
……いや、思い出した。あの駆逐艦の艦娘だ。確かにあの艦娘もまな板だったが、まだ発展途上だろう。
「んー、トランプ持ってきたから、みんなでババ抜きしよ」
「七並べなら、漣も参加します」
「僕は何でもいいよ。だけどチーム戦も面白いと思うな」
「七並べって個人戦じゃね?」
「……じゃあ、神経衰弱」
「まぁいいですヨ。漣は参加します」
「じゃあ僕も参加しよう」
「神経衰弱のチーム戦って個人戦と大差ないような……」
作者は何故かピコピコハンマーについて昔から知ってる。本当に何故か。調べて違ったら済みません。