夕飯を食べ、シャワーを浴び、俺は温かな布団で寝ようとしていた。だが、この部屋には年頃の男子(一部女子)と女子(一部艦娘)がいるため、何も起きないわけがなく……
「好きな子を言い合おう!」
まるで修学旅行のようなテンションで会話を切り出すキリサキ中佐。先にα大尉が言っていたように、恋心を持っていないだろう四人にその話題をするのは無謀では……?と思う。
「漣は好きですぞ、ご主人様」
「うーん、あざとい、好き!」
え、あ、そういう。
これは恋とかではなく、友人関係でもいいらしい。ちなみに俺は、そういう意味ならキリサキ中佐はいい友人だと思っている。
「α提督は大天使電だとして、白露提督は白露でしょう?」
「いや、ないな」
白露とは趣味すらも知らない仲なので、仕事仲間のようなものだと思っている。好きでも嫌いでもない。強いて言うなら、嫌いな時期はあったため、嫌い寄りである。
「またまた〜、照れ隠ししなくても」
「いや、ないな」
「あ、さいですか」
まあ、これに関しては冗談は特にない。白露に対しては、俺が日本に帰れることで少しばかり負い目があるくらいだ。
「そうだな。川内とかは割と好きな部類だ。頭いいし」
実際、俺の中では川内に好感を持っている。家を造ってくれたし、距離感もちょうどいい。あの島で会わなければ、好きになっていたのではないだろうか。
「あー、川内ね。いいよね。夜戦夜戦ってうるさいけど、"こっち"だと夜戦は楽だからやりやすいし」
夜戦が楽……?イカれているのか?
いや、そういえば、キリサキ中佐はα大尉曰く最強である。俺みたいな提督とは違うのだろう。
「α提督は?」
「僕は……全ての艦娘を大事に思ってますよ。もちろん、漣もね」
「はぁ、どうもです」
一瞬、α大尉は明後日の方向の遠くを見るような目をして、鋭い目を和らげていた。
え?α大尉、その歳で悟りでも開いてるのか?今の顔は年寄りそのものだった。
「えー、もっとさ、特別なのはないの?プラズマちゃんはよく連れてるじゃん?」
「プラズマという名前、彼女はあまり気に入らなかったようですが、デンちゃんは確かに、他の艦娘よりかは大事にしてますよ」
電って確か、α大尉をボコボコにする艦娘だったような……?もしや、α大尉はマゾヒストか?Mなのか?
「あ、やっぱし?だと思ったんだよね。え、じゃあさ、ケッコンとかもしちゃう感じ?」
結婚……だと……!
え?艦娘って結婚できるの?マジで?
そんなことをしたら、籍に入った瞬間、艦娘が世に知られてしまうのではなかろうか。
「結婚というのは、ケッコンカッコカリのことですね?まぁ、するつもりはないですよ」
カッコカリ……?何それ?結婚前提に結婚しましょう的な?
「へー。私は漣としたよ。あと長門と陸奥と大和と武蔵と、伊勢、日向、赤城と加賀、瑞翔鶴、………とか色々と」
同性結婚も可能だと!?進んでるな。まぁ、しないけど。