「悪いね少尉くん、驚かせてしまって」
「いや、うん。や、それよりも、なんでそんなに睨みつけたし?」
「あー、……まぁ、これから必要になるかもしれないし、教えておこうか」
そう言ってα大尉は所謂海軍の裏事情を話し始めた。
まずは派閥争いについて。
海軍内には主に、戦争利益派、世界平和派、艦娘消去派、完全勝利派の4つがあり、佐官以下の将校は主にそれらのグレーゾーンに身を置いているらしい。例えば、完全勝利派でありつつ、世界平和派にも顔が効く、みたいな。
しかも、その派閥内でも意見は食い違っており、例えばδ少将とι少尉のように同じ世界平和派であっても、防衛派と講和推進派に分かれるらしい。
次に特例提督と自衛隊上がりの提督について。
海軍発足時、というより深海棲艦がある港に攻めてきた直後は、まだ新たな組織ということもあって人員不足だった。そのため、海自の中から艦娘が気分で提督を選び、応急措置的に日本中に配備したらしい。それが日に日に数を増やし、日本を安定して守れる程にまでなった。
けれど、守れるだけで攻めれない。そうなると、持久戦では一抹の不安の残るのが日本だ。そこで、従来の提督と比べ、より効果的に戦力を増やせる存在として妖精を知覚できる人間が必要になった。それが特例提督――正式名称テートクカッコカリである。
「まぁ、なんで妖精を重要視したのかとか、建造がそもそもどこから来たのかとか、色々と歴史はあるけど、取り敢えずこのくらいを知っておけば困らないよ」
「え、あはい」
うん。分かりやすい。実際に分かった。けど、この情報いらなくね?
俺ってなんで睨んだのかを聞いただけなのに色々と無駄なものがついてきた。
いやまぁ、恐らく、α大尉とι少尉が別派閥だから関わりたくないのだとは解るが、言うならそこだけでいいだろう。
「あ、そういえば、キリサキ中佐はどこの派閥なんだ?」
「あぁ、彼女は海軍と関わってこなかったから、派閥はないよ」
そういえば、漣がそんなことを言っていたな。
「なんだい?彼女に興味があるのかい?」
「どこからそんな発想に行ったんですかねぇ」
「いやぁ、君が誰かを知ろうとするとは思わなかったからね。ここまで生きてきて一度もなかったよ」
α大尉は俺の何だというのだ……。
「恋だなんて青春してるじゃないか。年齢とも合致してるし健康的だね」
「お前はどの目線で言っているんだ?というか、どこを恋と捉えた?年寄りか?俺と同じ歳で年寄りか?」
絡み方がウザすぎるだろう。
まあ、俺は楽観主義なので、α大尉は健康を気遣ってくれていた、と捉えます。(関係ない)
時系列纏めないと分からなくなるな…。