補給途絶鎮守府   作:フユガスキ

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1−1再挑戦

「そういえば、さっきの黒いのってなんだ?」

 

「あれは駆逐ロ級だね。あれが1、2体なら、まだ対処できるよ」

 

同じ駆逐艦でも少し差があるのか。そういう意味だと、駆逐艦相手ならばある程度有利に立ち回れそうだ。

 

「じゃあ、あたしは先に行って敵艦を島から遠ざけるから、提督は崖のところから上陸してね。あそこらへんはいないと思うからっ」

 

そう言って白露は波を滑っていく。俺も崖の方に向かうことにする。そもそも、深海棲艦なのに島にいるってのがよく分からない。

 

おそらく、俺たち狙いというのが妥当だと思うが、海の上で白露を沈めてから殺しに来てもいいだろう。…それともこの前のネ級とかいうやつか?

 

滑っているとちょうど白露が敵艦を後ろにして、砲撃をしながらひきつけているのが見えた。

 

『くちくかんがにせき』『けいじゅんがいっせき』『あきらめたらそこでしあいしゅうりょうですよ…?』

 

駆逐艦の方はいいとして軽巡?漢字だと駆逐艦の方が強そうであるが、重巡と同じ系列ならば厄介そうである。

 

青妖精のあの言葉が甦る。きっとこのまま島に行けばまたあれを言われるのだろう。言われると分かっていれば行動は自ずとわかる。つまり、助けに行けということだ。

 

「はぁ…。妖精達、あっち行くぞ」

 

『もちのろん』『とぉぉりかぁじ』『よろしくおねがいしまぁぁぁぁす』

 

緩やかに左にカーブをし、白露に追いつけるように少し速度を上げて直進する。結構日が傾いてきた。いつもならお腹も空いている時間だな、と思いつつ、空腹を感じなくなったことに少し驚く。

 

「提督ぅ?!」

 

白露も驚いたようだ、理由は違うが。あまり助けるというのは自分勝手すぎて好きでないので、自分の戦闘の練習だと伝える。

 

「そんな無茶なことしちゃ駄目だよ!提督はあたしが帰ってくるのを待っててっ!」

 

牽制をしながら器用に怒る。

 

あれ…?確かに何しに来たんだろ?先まで体を動かしていたせいか冷静ではなかった。ここにきて俺は何ができるというのだろうか。

 

ネ級のときは的として時間稼ぎができた。しかし、今回は敵艦が3隻もいて、そのうち1隻は軽巡である。

 

もし、俺が軽巡を受け持つとして、白露が駆逐艦を倒している間を持ちこたえられるだろうか。おそらく無理である。攻撃を受けないだけなら何とかなるかもしれないが、白露に攻撃させないというのはできない。

 

駆逐艦2隻を相手したとしても、先程と同じ理由で無理だろう。

 

「はいっ、魚雷を片方あげるから、駆逐イ級を一隻よろしくね。倒さなくてもいいから、妖精さんの言うとおりに動いて」

 

そう言って白露は上手くイ級とホ級、イ級に別れさせた。つまり俺は右側に行けばいいわけである。

 

『よろしゅうな』

 

魚雷に乗っている妖精と挨拶をする。関西に白露が関係あるのだろうかと思いつつ、黒い物体の輪郭がわかるぐらいまで近づく。

 

「な、んだ、あれ?」

 

そこにいたのは得体のしれない化け物である。艦娘よりも船に似ていて、船よりも今持っている魚雷に似ている。

 

それを見たとき込み上げてくるものは恐怖と憎悪。自分でも恐怖はわかるのだが憎悪の方は何がそうさせているのわからない。

 

とりあえず、倒さなければいけない相手だと思った。

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