補給途絶鎮守府   作:フユガスキ

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常識人の叢雲

白露が走っていって体感で30分ほどが経った。その間、妖精たちが昆虫や爬虫類と戯れているのを見ながら点呼を行った。俺ではなく青妖精が、だが。

 

『とりあえず確認した。あと4妖精足りない』

 

あっそのまま使うんですね、はい。さて、という声とともに立ち上がり、叢雲を見る。未だ起きる気配はない。

 

というか、先まで女子中学生の制服に似たものを着ていたのに、なぜか今ではピンクのパジャマである。なんというか、あんまり見ないタイプだと思う。(偏見)

 

『そうそう、ちなみに今は白露さんが2妖精下回ってるけど、4妖精見つければ白露さんの勝ちになる』

 

いや、だから競ってないから。

 

「おーい」

 

声のする方向に向くと白露が手を振って走ってくるのが見えた。ちゃんと4妖精持っている。

 

『これで全部だ』

 

青妖精が終わりを告げる。妖精の回収作業も終わったので、そろそろ昼飯にしたい。しかし、白露がもう食材が残ってない、と言った。

 

もともと魚などを集めるときは崖下にあるくぼんだ穴のところに行っていたのだが、あそこに入る魚は満潮と干潮によって入ったものだ。穴釣りに似たものがあるが、あれとはまた一風変わっている。

 

なんとも、人間として絶望的なことを言われたが、仕方ないことなのだろう。ここの島の食物連鎖では上手くいっていたものを壊しただけである。

 

「んぁれ?ここ…どこよ…?」

 

どうやら、叢雲が起きたようだ。もはや二番煎じなので特段感想は持たない。

 

「…あぁ、そういえばそうね。って白露、なんて格好してんのよ!」

 

白露?そう思って白露の方に向く。すると、白露もこちらを見た。白露に別段変なところはない。強いて言うなら叢雲のために服を切ったため、ヘソの部分が見え隠れしてるぐらいか。

 

「何が、ん?よ!そっちの白露のほうに決まってるでしょっ」

 

干してあった提督服を手に俺に近づいてくる。起きたてから元気だなぁ、と思いつつ大人しく袖を通す。

 

「全く。艦娘で少尉だなんて、世界も広いものね」

 

「いや、だから俺は艦娘じゃないから。人間だから」

 

叢雲はやれやれ、といった様子だ。絶対に信じないつもりなのだろうか。無理に信じてもらおうとはしていないため、どちらでもいいが、化け物と一緒にされたくはない。

 

「じゃあ白露1号と2号と呼ぶわ」

 

「ふふん。ここでもあたしは1番だよっ」

 

どこまで一番に飢えてるんだよ…。流れから察するに俺が2号ということか。まあ、問題はないだろう。

 

「じゃあ、まずここの正面の海域に行くわ」

 

あー、たまにいる仕切りたくなる人か。まあ、よくうざいとか言われているが、俺自身はあまりそうは思わない。それを優しいと捉えるかは知らないが。

 

「でも、前にも言ったように危険性が――」

 

「そう。だからこそ挑戦するのよ。だってか…」

 

白露が叢雲の口を塞ぐ。白露は何かを誤魔化すように、話を始める。

 

「ま、まあ、えーと。練度あげないといけないし。ある程度は必要だよ」

 

「ま、そういうことね。あなたも含めて3人で海域突破するわ」

 

えっ俺も行くんですか。行きたくないんですけど。しかし、叢雲はそんなことは意に介さず海に立つ。アッハイ俺の意見は聞いてないんですね、分かります。

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