補給途絶鎮守府   作:フユガスキ

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妖精さんは見える人と見えない人がいます。また、感じる度合いもあり、
感じない<<見えないし声が聞こえないけど触れる=声が聞こえるけど何かわからない=見えるけど触れないし聞こえない<聞こえないだけ=見えないだけ=触れないだけ<<触れるし見えるし聞こえる
という感じです。


少尉ていとく

さて、何をしようか。自分でなにかやろう、一人でやろうと息巻いていたが、何もやっていない。むしろ他人に世話されてばかりである。

 

近くでブルーシートを使い雨風をしのげるような、簡易的な寝床を作る白露を眺める。決して人には真似できないような速度で木を運び組み立てる。どこから出したのかわからないものを背負い、見た目以上の力をふるう。

 

近くで見るとより一層「化け物」というイメージが増してくる。食べ物がなくなったら次に狙われるのは俺だろうか、何かが気に触れば簡単に殺されてしまうだろう、と考えてしまう。

 

今ならゲームの異世界転生の勇者と魔王に攻められる王様の言動に納得がいく。救世の勇者を用事が済めば祭り上げ英雄とし後世に語り継ぐ。英雄とするために王様は一国の兵力に勝る勇者を送り返す。

 

戦力的に見れば、強大な力を持った勇者は手元においておきたい。しかし、勇者が敵に回った場合、魔王以上に厄介になる。デメリットが大きすぎるし、落ち着いた今の状況では必要性が低いため勇者を元の世界に返す。

 

太刀打ちできない、という意味ではそれに似たところがある。違うところは返すことができないところである。つまり白露の機嫌を損ねるわけにはいかない。

 

「なにか手伝おうか?」

 

そう言うと白露は背負っていたものを消した。

 

「そっちの端っこを持って、そうそう。そのまま引っ張って」

 

ブルーシートの一角を引っ張り、落ちていた蔓で生えている木に結びつける。

 

「完!成!やったぁ」

 

白露は元気に跳ね回り、いぇーい、と言ってハイタッチを求める。俺は何もしていなかったんだけどな。そう思いつつ要望に応える。目の前の顔は満面の笑みになり、ふふっと声に漏れる。

 

「そういえば、あたし達。自己紹介してないね」

 

「そうだな」

 

そういえば白露は船の中だと目を覚まさなかったな。と思い出し、海軍のお偉いさんに少し聞いただけだったことも思い出す。

 

「一番はあたし!白露型駆逐艦一番艦、「白露」です!はい、一番艦ですっ!少尉さんは?」

 

「ああ、少尉を貰った、あと提督?とか言うものも貰った」

 

これは自己紹介なのだろうか?たぶん自己紹介だとは思うが…。

 

「えっ少尉さんって提督なの?!」

 

そう言ってとても驚いている。そもそも提督って何?っといった感じなのだが白露には伝わっていないようだ。

 

「じゃあこれからは提督って呼ぶね」

 

そこにはこだわりがあるのだろうか。さん付けが外れた分、親しさが増した気がするが提督とは何なのだ。

 

「そもそも、その提督ってのはどういうものなんだ?」

 

「えっとね、あたし達のような艦を動かす司令官のことで、船長とかとは違うんだ。もっと多くの艦娘を動かすんだよ。」

 

だから少将とか以上じゃないとなれないはずなんだよ。と付け足す。ということは今の白露の司令官は俺、ということでいいのだろうか。

 

「ってことは今はあたしの提督だね!」

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